【完結】最強ロリ聖女のゆるゆりグルメ紀行

吉武 止少

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すべての始まり3

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 女の子は息を吹き返した。

「……蘇生シークエンスを終了しました」
「大丈夫!?」
「大丈夫です。ありがとうございます、マリアベル様」
「えっと……もしかして、ノノ?」
「破損した記憶・意識障害を回復するため、ノノの情報を流用しました。私はノノであり、孤児の少女でもあります」

 ノノとしての意識と、孤児の女の子としての意識。その両方が混ざった? 融合した? 状態らしい。孤児の女の子の時に使っていた名前もあるけれど、ノノで良いとのこと。

「孤児院でもここでも”おい”とか”お前”とかしか呼ばれていませんでしたので」

 そう告げたノノは口や鼻に残った血の跡を拭き取る。

「しかしすごい威力ですね。さすがはマリアベル様」
「えっと……ありがとうございます?」
「さて、兵士たち見つかる前に逃げましょう」
「逃げるってどうやって?」
「今から一時間——騒ぎが起きるまでに、あらゆる魔法を習得していただきます」

 私のおでこにぺたんと手のひらをくっつけたノノ。

「マリアベル様の体内にパージした情報データの一部を展開します。マリアベル様の指示により許諾は省略します」

 じんわりと体が熱くなり、頭の中に知らない何かが流れ込んでくる。
 魔法。
 植物。
 魔物。
 道具。
 地理。
 食事。
 ありとあらゆる情報が私の中に流れ込んだ。
 ぶつ、と変な音がした。鼻の中に血の匂いがしたから、どこかが切れたんだろう。
 慌てて回復魔法を自分に掛ける。
 ぶつ。
 あ、また。回復。
 ぶつ。
 回復。
 ぶつ、ぶつ、回復。ぶつっ、回復。
 ぶつぶつ、回復、ぶつ、回復。ぶつっ、回復。
 ぶつ、回復。ぶつっ、回復、ぶつぶつ、回復、ぶつ、回復。ぶつっ、回復。
 何度も繰り返すうちに、とうとう鼻血がたれてきた。

「マリアベル様!?」
「らいじょうぶ……回復魔法で、治せるから」
「……マリアベル様の負担を考慮し、展開をカスタム、魔法のみを転写します。残りの情報はヘルプ付きで隔離」
「何を?」
「申し訳ありません。超古代文明時代にノノが蓄積していたデータ類をマリアベル様にお渡ししているのですが、負担が大きかったようなので方法を変更しました。ご自身に回復魔法をお願いします」
「あ、うん」

 回復魔法を展開すると同時、今までとは比べ物にならないレベルで魔力が渦巻いた。切れてしまった鼻はおろか、ちょっとした擦り傷とか不調までも治っていく。
 いくら私の回復魔法が強力だったとはいえ、ここまでではなかったはずだ。

「す、すごい……!」
「魔法を正しく理解した影響ですが、本当にすごいのはそれを使いこなせるマリアベル様ですよ」

 ノノはそう告げると、微笑んだ。
 この時、私は気づいていなかった。
 脳に負担がかかる度に即座に回復することで本来ならば人間が耐えられないレベルの情報をナノマシンから受け取っていたことに。
 そのせいで、魔法に関して人智を越えてしまっていたことに。
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