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いざ出発!
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兎にも角にも栄養と睡眠、と言われたので私はヘルプに従って栄養価の高い魔物をガンガン狩っていく。
移動さえしなければ魔法でイチコロだもんね。湖畔をベースキャンプにして、ちょっとしたストレッチをして魔物狩り。日光浴をして魔物狩り。ノノに背負われて散歩して魔物狩り。ご飯を食べたら魔物狩り。
とにかくたくさん倒した。
すぐ眠くなっちゃうんだけど、それで良い、とのことでたくさん食べてたくさん寝る、という生活をひと月近くしていた。
ヘルプに聞いて栄養価バツグンな魔物たちが空間魔法の中に山とあるので、しばらくは安泰だ。
気づけば普通に使ってたけれど、『栄養』はなのましんに記録されていた情報らしい。ノノは融合した影響で、私は牢屋で鼻血を出した時にそういう情報が頭の中に入ってきたらしく、それほど引っかかることもなく使えるようになっていた。
「ストライクバードにフォレストバイソン。マーダーグリズリーにレイクサーペント。さすがお嬢様です!」
「えへへ」
「ヘルプの探索によって岩塩やハーブの類も充実しましたし、今日は最高の料理をご馳走しますね」
「ノノのご飯、いっつも美味しいよ?」
量が多すぎて毎回食べきれないけれど、ちょっと食べ過ぎてしまうくらいに美味しいのだ。鍋だけでなく鉄板も用意したので料理の幅がどんどん広がっていた。
ベースキャンプにあった塩は使い切っていたけれど、湖畔に住むソルトグローブという魔物から塩とか調味料が取れるので問題はなかった。
木のふりをした植物系の魔物で、地中や水中から塩をろ過して体にため込む性質があったり、近づいてきた魚を食べて体内でタンクみたいな木の実を作ったりしているのだ。
木の実の中は魚が発酵してできた赤茶色い液体が詰まっている。
ノノ曰く、天然の魚醤ですね、とのことで料理の味付けに使っている。ちょっと香りに癖があるけれど、弱火でしばらく沸騰させるとかなりすっきりした味になる。
「ソルトグローブの実で味付けした根菜と、照り焼きヒクイドリです」
「じゃうゆ! 香ばしくて大好き!」
「フォレストバイソンのソテーをきのこソースで仕上げました」
「コリコリのきのこと蕩けるお肉が美味しい!」
「グリズリーハンドの薬膳ハーブ煮込みに、レイクサーペントの肝焼きです」
「良い香り……ちょっと飲んだだけで体がぼかぽかする!」
いろんなものを食べながら、少しずつお散歩の距離を増やしたり、ストレッチだけでなく筋肉をつけるトレーニングも始めた。
「お嬢様……地面でお昼寝ですか?」
「ふっきん」
「お嬢様、今度はうつ伏せにお昼寝ですか?」
「うでたてふせ」
「ええっと……ゆっくり尻もち……転ぶ練習……?」
「すくわっと」
「む、無理なさらず簡単な運動から始めましょう! 今のお嬢様が筋トレなんてしたら死んでしまいますよ!?」
ヘルプは筋力をつけるための基礎的なトレーニングだって言ってたもん。
どれも一回もできなかったけど。
「お嬢様……私がほとんど魔法を使えないように、人には向き不向きというものがあります。筋トレは一部の才能ある者だけに許されたトレーニングなのです」
「そうなの?」
「そうです。お嬢様のような可憐な方に腹筋や腕立て伏せができる人はいません」
ならしょうがないか。
筋トレが無理ならば、とお散歩を頑張った。
最初は五分でへばってご飯を戻しそうになっていたのがだんだんと伸びていき、食後すぐでなければ三〇分も歩けるようになったのだ。
大進歩だ。
「ふふん。そろそろかな? そろそろ大樹林も踏破できちゃうかな?」
「できるかもしれませんね。しかし、そこまで隣国に行きたいですか?」
「行きたい! っていうか、王国にいるのが嫌」
私を奴隷のように扱っていた国だ。
お父さんとお母さんが死んじゃってからは良い思い出なんて一つもない。
「では帝国に参りましょうか」
「うん! 美味しいものいーっぱい食べよう! よろしくね、ノノ!」
「はぅっ!?」
「ノノ!? 何で鼻血出してるの!? ケガ!?」
「い、いえ……これは良い鼻血です」
「良い鼻血?!」
「そうです。涙は悲しい時だけでなく嬉しい時に出ることもありますよね。私の場合は、鼻血もそうなのです」
「変わった体質だね。回復魔法、いる?」
「いえ、大丈夫です」
何はともあれ、準備は整った。
グレアランド帝国食い倒れツアーに、いざ出発!
移動さえしなければ魔法でイチコロだもんね。湖畔をベースキャンプにして、ちょっとしたストレッチをして魔物狩り。日光浴をして魔物狩り。ノノに背負われて散歩して魔物狩り。ご飯を食べたら魔物狩り。
とにかくたくさん倒した。
すぐ眠くなっちゃうんだけど、それで良い、とのことでたくさん食べてたくさん寝る、という生活をひと月近くしていた。
ヘルプに聞いて栄養価バツグンな魔物たちが空間魔法の中に山とあるので、しばらくは安泰だ。
気づけば普通に使ってたけれど、『栄養』はなのましんに記録されていた情報らしい。ノノは融合した影響で、私は牢屋で鼻血を出した時にそういう情報が頭の中に入ってきたらしく、それほど引っかかることもなく使えるようになっていた。
「ストライクバードにフォレストバイソン。マーダーグリズリーにレイクサーペント。さすがお嬢様です!」
「えへへ」
「ヘルプの探索によって岩塩やハーブの類も充実しましたし、今日は最高の料理をご馳走しますね」
「ノノのご飯、いっつも美味しいよ?」
量が多すぎて毎回食べきれないけれど、ちょっと食べ過ぎてしまうくらいに美味しいのだ。鍋だけでなく鉄板も用意したので料理の幅がどんどん広がっていた。
ベースキャンプにあった塩は使い切っていたけれど、湖畔に住むソルトグローブという魔物から塩とか調味料が取れるので問題はなかった。
木のふりをした植物系の魔物で、地中や水中から塩をろ過して体にため込む性質があったり、近づいてきた魚を食べて体内でタンクみたいな木の実を作ったりしているのだ。
木の実の中は魚が発酵してできた赤茶色い液体が詰まっている。
ノノ曰く、天然の魚醤ですね、とのことで料理の味付けに使っている。ちょっと香りに癖があるけれど、弱火でしばらく沸騰させるとかなりすっきりした味になる。
「ソルトグローブの実で味付けした根菜と、照り焼きヒクイドリです」
「じゃうゆ! 香ばしくて大好き!」
「フォレストバイソンのソテーをきのこソースで仕上げました」
「コリコリのきのこと蕩けるお肉が美味しい!」
「グリズリーハンドの薬膳ハーブ煮込みに、レイクサーペントの肝焼きです」
「良い香り……ちょっと飲んだだけで体がぼかぽかする!」
いろんなものを食べながら、少しずつお散歩の距離を増やしたり、ストレッチだけでなく筋肉をつけるトレーニングも始めた。
「お嬢様……地面でお昼寝ですか?」
「ふっきん」
「お嬢様、今度はうつ伏せにお昼寝ですか?」
「うでたてふせ」
「ええっと……ゆっくり尻もち……転ぶ練習……?」
「すくわっと」
「む、無理なさらず簡単な運動から始めましょう! 今のお嬢様が筋トレなんてしたら死んでしまいますよ!?」
ヘルプは筋力をつけるための基礎的なトレーニングだって言ってたもん。
どれも一回もできなかったけど。
「お嬢様……私がほとんど魔法を使えないように、人には向き不向きというものがあります。筋トレは一部の才能ある者だけに許されたトレーニングなのです」
「そうなの?」
「そうです。お嬢様のような可憐な方に腹筋や腕立て伏せができる人はいません」
ならしょうがないか。
筋トレが無理ならば、とお散歩を頑張った。
最初は五分でへばってご飯を戻しそうになっていたのがだんだんと伸びていき、食後すぐでなければ三〇分も歩けるようになったのだ。
大進歩だ。
「ふふん。そろそろかな? そろそろ大樹林も踏破できちゃうかな?」
「できるかもしれませんね。しかし、そこまで隣国に行きたいですか?」
「行きたい! っていうか、王国にいるのが嫌」
私を奴隷のように扱っていた国だ。
お父さんとお母さんが死んじゃってからは良い思い出なんて一つもない。
「では帝国に参りましょうか」
「うん! 美味しいものいーっぱい食べよう! よろしくね、ノノ!」
「はぅっ!?」
「ノノ!? 何で鼻血出してるの!? ケガ!?」
「い、いえ……これは良い鼻血です」
「良い鼻血?!」
「そうです。涙は悲しい時だけでなく嬉しい時に出ることもありますよね。私の場合は、鼻血もそうなのです」
「変わった体質だね。回復魔法、いる?」
「いえ、大丈夫です」
何はともあれ、準備は整った。
グレアランド帝国食い倒れツアーに、いざ出発!
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