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Side冒険者クッタ・ヴィレ・ゾン
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「……おい、どうすんだよコレ」
「どうするって、受けるしかねぇだろ」
「どうかしてる! ありえねぇ!」
冒険者ギルドの近くで冒険者パーティが頭をつき合わせていた。
メタルリザードを横取りした三人組である。
「俺は最初から反対だった!」
斥候のゾンがそう漏らすと弓士のヴィレが鋭い視線を向ける。
「ガキみたいな女二人だから何とでもなるって言った時お前も同意してたろ!」
「そもそもメタルリザードを追い込んだ罠がぶっ壊れたのはお前のせいだろうが!」
「それを言うならヴィレも用意した毒矢は弾かれて通じなかったじゃねぇか!」
今にも拳が出そうな険悪な雰囲気。
それを止めたのはリーダーのクッタだ。
「やめろ。いま仲たがいすると本気で終わる」
言いながら見せたのはギルド長のサインが入った指名依頼。
その場に居合わせた商人が依頼したとしか聞いていなかったが、内容はメタルリザードの討伐である。
「成功すれば相場の一〇倍。だが、失敗すれば……」
本来ならば金貨一〇枚程度になる魔物だが、成功報酬は素材抜きで白貨一枚。
その代わりに違約金も白貨一枚という法外な金額だった。
「違約金は報酬よりずっと低いのが普通だろうが! なんだこのバカみたいな金額は!」
「仕方ねぇよ。ギルド長は俺たちがメタルリザードを狩れるって信じてんだから」
自分たちが考えた戦法は、既に通じないことが証明されている。
「……奴隷落ち」
「い、嫌だ! せっかくCランクが見えてきたんだぞ!?」
「じゃあどうすんだよ!」
「逃げよう……名前を変えて別の街で再登録するんだ」
「でも、ギルド長が保証人になってんだぞ?」
「知るかよ! 俺たちが頼んだわけじゃねぇ!」
「でも、メタルリザードの支払いはどうする?」
横取りした個体のことだ。
「……とりあえず褒章を受け取って装備を整えるか」
「おい、やるのか?」
「メタルリザードだぞ!? 歯が立たなかったじゃないか!」
完全に腰が引けているゾンとヴィレを睨みつけるクッタ。
「メタルリザードを狩に出て、そのままトンズラする」
クッタが方針を示すも、残る二人の表情は硬い。ギルド長自らが『見届ける』などと言い出して監視につくことを宣言していたからだ。
「どうやってギルド長を撒くんだよ」
「罠にでもハメるか? 腐っても元B級冒険者だぞ。返り討ちにされるか、運良く逃げおおせても指名手配されるだろう」
二人の言葉を受けて取り出したのは、ハーブの粉末が詰め込まれた細いガラス瓶。
ただし、冒険者ギルドはおろか商人ギルドですら取り扱いに許可がいる代物だった。
「おまっ、それ、魔物寄せの!?」
「ばか、騒ぐな」
「おいクッタ。それどうするんだよ」
燃やすと魔物を刺激する匂いを放つハーブ粉末。
取り扱い注意を示す赤と黄色のコルクが猛毒のように見えた。
「メタルリザードを見つけたところでこれを使えばギルド長は事故死するかもしれねぇぞ」
「さすがにまずいだろ……それに元B級だぞ? 討伐されたらどうする?」
「道中、少しずつこれを撒く。火に入れて使うもんだが、そのままでも多少は効果があるはずだからな」
言いながら手のひらでガラス瓶をもてあそぶ。
もし割れたら、と他二人は顔を青くしていたが、クッタはははは、と笑いながら遊んでいた。
余裕があるわけではない。
むしろ逆——クッタは覚悟を決めていた。
「このまま行けば借金まみれで奴隷落ちだろ。ギルド長にメタルリザードを討伐させた後、他の魔物たちに気を取られてる隙に殺す。うまくいけば討伐実績を手に入れられるし、最悪でもうやむやにして逃げられる」
ギルド長を殺す。
横取りなど比較にならないレベルの、能動的な重犯罪を持ち掛けられて完全に引いている二人。
「ば、バレたら縛り首だぞ!?」
「さ、流石にまずいだろ!」
「いい加減にしろ! 俺達にはもう後がねぇんだよ……縛り首になるのも、鉱山で死ぬまで働かされるのも対して変わらねぇだろ」
ガラス瓶をしまい込み、二人を睨みつける。
「もうやるしかねぇんだ。やらねぇなら……俺がお前らを殺す」
「どうするって、受けるしかねぇだろ」
「どうかしてる! ありえねぇ!」
冒険者ギルドの近くで冒険者パーティが頭をつき合わせていた。
メタルリザードを横取りした三人組である。
「俺は最初から反対だった!」
斥候のゾンがそう漏らすと弓士のヴィレが鋭い視線を向ける。
「ガキみたいな女二人だから何とでもなるって言った時お前も同意してたろ!」
「そもそもメタルリザードを追い込んだ罠がぶっ壊れたのはお前のせいだろうが!」
「それを言うならヴィレも用意した毒矢は弾かれて通じなかったじゃねぇか!」
今にも拳が出そうな険悪な雰囲気。
それを止めたのはリーダーのクッタだ。
「やめろ。いま仲たがいすると本気で終わる」
言いながら見せたのはギルド長のサインが入った指名依頼。
その場に居合わせた商人が依頼したとしか聞いていなかったが、内容はメタルリザードの討伐である。
「成功すれば相場の一〇倍。だが、失敗すれば……」
本来ならば金貨一〇枚程度になる魔物だが、成功報酬は素材抜きで白貨一枚。
その代わりに違約金も白貨一枚という法外な金額だった。
「違約金は報酬よりずっと低いのが普通だろうが! なんだこのバカみたいな金額は!」
「仕方ねぇよ。ギルド長は俺たちがメタルリザードを狩れるって信じてんだから」
自分たちが考えた戦法は、既に通じないことが証明されている。
「……奴隷落ち」
「い、嫌だ! せっかくCランクが見えてきたんだぞ!?」
「じゃあどうすんだよ!」
「逃げよう……名前を変えて別の街で再登録するんだ」
「でも、ギルド長が保証人になってんだぞ?」
「知るかよ! 俺たちが頼んだわけじゃねぇ!」
「でも、メタルリザードの支払いはどうする?」
横取りした個体のことだ。
「……とりあえず褒章を受け取って装備を整えるか」
「おい、やるのか?」
「メタルリザードだぞ!? 歯が立たなかったじゃないか!」
完全に腰が引けているゾンとヴィレを睨みつけるクッタ。
「メタルリザードを狩に出て、そのままトンズラする」
クッタが方針を示すも、残る二人の表情は硬い。ギルド長自らが『見届ける』などと言い出して監視につくことを宣言していたからだ。
「どうやってギルド長を撒くんだよ」
「罠にでもハメるか? 腐っても元B級冒険者だぞ。返り討ちにされるか、運良く逃げおおせても指名手配されるだろう」
二人の言葉を受けて取り出したのは、ハーブの粉末が詰め込まれた細いガラス瓶。
ただし、冒険者ギルドはおろか商人ギルドですら取り扱いに許可がいる代物だった。
「おまっ、それ、魔物寄せの!?」
「ばか、騒ぐな」
「おいクッタ。それどうするんだよ」
燃やすと魔物を刺激する匂いを放つハーブ粉末。
取り扱い注意を示す赤と黄色のコルクが猛毒のように見えた。
「メタルリザードを見つけたところでこれを使えばギルド長は事故死するかもしれねぇぞ」
「さすがにまずいだろ……それに元B級だぞ? 討伐されたらどうする?」
「道中、少しずつこれを撒く。火に入れて使うもんだが、そのままでも多少は効果があるはずだからな」
言いながら手のひらでガラス瓶をもてあそぶ。
もし割れたら、と他二人は顔を青くしていたが、クッタはははは、と笑いながら遊んでいた。
余裕があるわけではない。
むしろ逆——クッタは覚悟を決めていた。
「このまま行けば借金まみれで奴隷落ちだろ。ギルド長にメタルリザードを討伐させた後、他の魔物たちに気を取られてる隙に殺す。うまくいけば討伐実績を手に入れられるし、最悪でもうやむやにして逃げられる」
ギルド長を殺す。
横取りなど比較にならないレベルの、能動的な重犯罪を持ち掛けられて完全に引いている二人。
「ば、バレたら縛り首だぞ!?」
「さ、流石にまずいだろ!」
「いい加減にしろ! 俺達にはもう後がねぇんだよ……縛り首になるのも、鉱山で死ぬまで働かされるのも対して変わらねぇだろ」
ガラス瓶をしまい込み、二人を睨みつける。
「もうやるしかねぇんだ。やらねぇなら……俺がお前らを殺す」
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