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美味しいご飯2
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ロンドさんが用意してくれたのはすごく小っちゃいスペースで、店内はキッチンだけ。カウンター部分が外にくっついていて、テラス席になっているお店はすっごく良い雰囲気だし、できれば閉店する前に一度寄ってみたかった。
「さて、そろそろ昼食をつくりますか」
「わぁい!」
「今日はパスタにしましょう」
「楽しみ!」
ちなみにたどり着いてからしばらくの間、私がへばっていたこともあってノノの淹れてくれたお茶を飲みながら休んでいた。
大きなパラソル付きのテーブルと、植物の蔓を編んでつくられた椅子のセットは何とも居心地が良い。
ノノはキッチン周りを掃除した後、パスタやパンの仕込みなんかをしていた。発酵させたり寝かせたりする時間があって今日の分にはならないらしいけれど、
「悪いとまでは言いませんが、まだまだ改善の余地はありますからね! お嬢様のお口に入るのならば最高の逸品でないと!」
とのことだった。
えーと、うん……美味しいもの食べられる分には特に反論ないです。
ちなみにパスタはメイン料理で、私のアツいリクエストによって簡単なチーズ料理も出してくれることになっている。
ちなみに私が食べたいのは揚げ物だ。
大樹林のベースキャンプで騎士の人たちが食べてるのをみて、一度でいいから食べてみたかったのだ。
ず~~~っと揚げ物をリクエストしてるんだけど、ノノは頑として頷いてくれない。
胃腸への負担が大きいらしくて、私がもっとたくさん食べられるようになるまでは駄目って言われ続けている。
代わりに油分多めでやや重たいチーズ料理が出てくることになり、これを美味しく完食出来たら揚げ物も考えてくれるらしい。
「今日はたくさん歩いたしお腹もぺこぺこだから絶対食べきる!」
「楽しみにしておりますよ」
最初に出てきたのはスープ。
……スープ!?
「なんで!? スープは予定になかったでしょ!?」
「大丈夫です。こんなこともあろうかと、朝からロンド氏を通じて指示を出しておきましたので」
「お腹いっぱいになっちゃうよ!?」
「スープでお腹いっぱいになるようでしたら揚げ物はまた今度ですね」
「ぐぅっ……いじわる……」
ふーん。
別にスープくらい余裕だもんね。
大きなマグカップを満たしているスープは透明な金色。表面に浮いてる溶けた脂がキラキラに光っていてとても綺麗だ。
「良い香り……これ、何のスープ?」
「鹿のすね肉のスープです。朝から弱火で骨ごと煮込み、丁寧にアクを取ってもらっています。香味野菜やハーブも一緒なので臭みはないと思いますよ」
鹿のスープ。初めての料理に期待がはちきれそうになったので早速一口。
透明なスープからは考えられないくらい濃厚な味が広がっていく。塩気は弱いんだけれど、鹿の出汁っていうんだろうか、旨味がすごかった。
一緒に煮込んだ野菜の香りや甘味もすごく良いバランスで、味わっていたいのにコクンと喉が動いてしまった。
「爽やかなのにあまい! 美味しい!」
「甘味は玉ねぎと人参ですかね。爽やかなのは色々と香味野菜を使っているからです」
「さて、そろそろ昼食をつくりますか」
「わぁい!」
「今日はパスタにしましょう」
「楽しみ!」
ちなみにたどり着いてからしばらくの間、私がへばっていたこともあってノノの淹れてくれたお茶を飲みながら休んでいた。
大きなパラソル付きのテーブルと、植物の蔓を編んでつくられた椅子のセットは何とも居心地が良い。
ノノはキッチン周りを掃除した後、パスタやパンの仕込みなんかをしていた。発酵させたり寝かせたりする時間があって今日の分にはならないらしいけれど、
「悪いとまでは言いませんが、まだまだ改善の余地はありますからね! お嬢様のお口に入るのならば最高の逸品でないと!」
とのことだった。
えーと、うん……美味しいもの食べられる分には特に反論ないです。
ちなみにパスタはメイン料理で、私のアツいリクエストによって簡単なチーズ料理も出してくれることになっている。
ちなみに私が食べたいのは揚げ物だ。
大樹林のベースキャンプで騎士の人たちが食べてるのをみて、一度でいいから食べてみたかったのだ。
ず~~~っと揚げ物をリクエストしてるんだけど、ノノは頑として頷いてくれない。
胃腸への負担が大きいらしくて、私がもっとたくさん食べられるようになるまでは駄目って言われ続けている。
代わりに油分多めでやや重たいチーズ料理が出てくることになり、これを美味しく完食出来たら揚げ物も考えてくれるらしい。
「今日はたくさん歩いたしお腹もぺこぺこだから絶対食べきる!」
「楽しみにしておりますよ」
最初に出てきたのはスープ。
……スープ!?
「なんで!? スープは予定になかったでしょ!?」
「大丈夫です。こんなこともあろうかと、朝からロンド氏を通じて指示を出しておきましたので」
「お腹いっぱいになっちゃうよ!?」
「スープでお腹いっぱいになるようでしたら揚げ物はまた今度ですね」
「ぐぅっ……いじわる……」
ふーん。
別にスープくらい余裕だもんね。
大きなマグカップを満たしているスープは透明な金色。表面に浮いてる溶けた脂がキラキラに光っていてとても綺麗だ。
「良い香り……これ、何のスープ?」
「鹿のすね肉のスープです。朝から弱火で骨ごと煮込み、丁寧にアクを取ってもらっています。香味野菜やハーブも一緒なので臭みはないと思いますよ」
鹿のスープ。初めての料理に期待がはちきれそうになったので早速一口。
透明なスープからは考えられないくらい濃厚な味が広がっていく。塩気は弱いんだけれど、鹿の出汁っていうんだろうか、旨味がすごかった。
一緒に煮込んだ野菜の香りや甘味もすごく良いバランスで、味わっていたいのにコクンと喉が動いてしまった。
「爽やかなのにあまい! 美味しい!」
「甘味は玉ねぎと人参ですかね。爽やかなのは色々と香味野菜を使っているからです」
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