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さらに美味しいご飯
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翌日。
豚汁と厚焼き玉子が大好評過ぎて、ロンドさんのお願いで新しい料理の開発をお願いされることになった。
新しい、というかナノマシンの中に蓄積されてた料理をノノが神がかり的な腕前で再現してくれる感じなんだけれど。
豚汁は魔物のお肉や味噌が貴重過ぎて再現が難しいらしく、簡単に再現できるもので、と注文までつけられてしまった。
「調味料などは如何ですか?」
「汎用性が高いものならばぜひお願いしたいです」
「では、お嬢様がお喜びになるものを」
豚汁も厚焼き玉子もすっごく美味しかったけど、これから食べるのも楽しみだなぁ。
何を作るかわくわくしながら見つめていると、
「さて、それでは始めます」
取り出したのは金属製のボウルと泡だて器だ。
ボウルの中に卵、酢、塩を入れ、オリーブオイルの入った瓶を横に添えてロンドさんに差し出す。
「全体がもったりするまでよく混ぜてください。その後、オリーブオイルを少しずつ加えながらさらに混ぜていってください」
「僕がですが!?」
「? 他に誰が?」
当たり前のように指示を出し、ノノはキッチンで作業を始める。
私もロンドさんのお手伝いを……あれ? ダメ?
なぜかノノに阻止されてしまったので、おとなしくカウンターに座ってノノの雄姿を眺めることにする。
料理をてきぱき作るノノってすごいよねぇ。
「何かできることない?」
「ありがとうございます! お嬢様にはぜひ私の応援をお願いします!」
「分かってましたけど落差すごくないです……?」
ロンドさんはボヤきながらもボウルの中身をかき混ぜ始める。
うーん、手伝いたい気もするけど、止められちゃったしなぁ。それに多分私は五分くらいでへばる気がする。
「後でお嬢様にもお願いすることがございますので、少々お待ち下さい」
「うん!」
ノノは湖畔で獲ったレイククロマグロをザバザバ切り分けていく。
私よりも大きな魚型の魔物から皮を削ぎ、骨を落として綺麗な赤の身だけにしていく姿は圧巻だ。
四角く切り分けた赤身に塩を擦り込み、鍋の中に入れると、大量のオリーブオイルをとぷとぷと注いでフレッシュハーブを放り込んだ。
赤身が見えなくなるくらいにハーブが入ったところで弱火に掛ければ、ふわっと良い香りが漂い始めた。
「このままオイル煮にします」
その間に玉ねぎをスライスしたり、レタスを洗って千切ったりしてザルにいれておく。
「これ、まだ混ぜます?」
「そろそろ良いですね。お嬢様、申し訳ありませんが、けがの汚れを取る魔法をお願いできますか?」
「うん。——浄化!」
別に言葉にする必要はないんだけど、ノノとロンドさんに伝わりやすいように声に出す。
魔力の光がパァッとボウルを包んで、中に入っていた白いドロドロを浄化した。けがだったらこれで化膿したり変な病気になることはなくなる。
「あとは生地ですね」
小麦粉を牛乳と卵で溶いて、熱したフライパンに薄く伸ばしていく。
とろっとした水分多めの感じから、ぺらぺらのパンケーキみたいに固まったところでひっくり返し、まな板の上に広げる。
うすーい生地がホカホカと湯気を立てていた。
オイル煮にしたマグロを取り出してほぐし、白いドロドロと玉ねぎを混ぜ合わせる。
レタスと一緒にそれをくるくる巻いて完成らしい。
「どうぞ。マグロと玉ねぎのマヨネーズ和え——ツナマヨでつくったクレープです」
豚汁と厚焼き玉子が大好評過ぎて、ロンドさんのお願いで新しい料理の開発をお願いされることになった。
新しい、というかナノマシンの中に蓄積されてた料理をノノが神がかり的な腕前で再現してくれる感じなんだけれど。
豚汁は魔物のお肉や味噌が貴重過ぎて再現が難しいらしく、簡単に再現できるもので、と注文までつけられてしまった。
「調味料などは如何ですか?」
「汎用性が高いものならばぜひお願いしたいです」
「では、お嬢様がお喜びになるものを」
豚汁も厚焼き玉子もすっごく美味しかったけど、これから食べるのも楽しみだなぁ。
何を作るかわくわくしながら見つめていると、
「さて、それでは始めます」
取り出したのは金属製のボウルと泡だて器だ。
ボウルの中に卵、酢、塩を入れ、オリーブオイルの入った瓶を横に添えてロンドさんに差し出す。
「全体がもったりするまでよく混ぜてください。その後、オリーブオイルを少しずつ加えながらさらに混ぜていってください」
「僕がですが!?」
「? 他に誰が?」
当たり前のように指示を出し、ノノはキッチンで作業を始める。
私もロンドさんのお手伝いを……あれ? ダメ?
なぜかノノに阻止されてしまったので、おとなしくカウンターに座ってノノの雄姿を眺めることにする。
料理をてきぱき作るノノってすごいよねぇ。
「何かできることない?」
「ありがとうございます! お嬢様にはぜひ私の応援をお願いします!」
「分かってましたけど落差すごくないです……?」
ロンドさんはボヤきながらもボウルの中身をかき混ぜ始める。
うーん、手伝いたい気もするけど、止められちゃったしなぁ。それに多分私は五分くらいでへばる気がする。
「後でお嬢様にもお願いすることがございますので、少々お待ち下さい」
「うん!」
ノノは湖畔で獲ったレイククロマグロをザバザバ切り分けていく。
私よりも大きな魚型の魔物から皮を削ぎ、骨を落として綺麗な赤の身だけにしていく姿は圧巻だ。
四角く切り分けた赤身に塩を擦り込み、鍋の中に入れると、大量のオリーブオイルをとぷとぷと注いでフレッシュハーブを放り込んだ。
赤身が見えなくなるくらいにハーブが入ったところで弱火に掛ければ、ふわっと良い香りが漂い始めた。
「このままオイル煮にします」
その間に玉ねぎをスライスしたり、レタスを洗って千切ったりしてザルにいれておく。
「これ、まだ混ぜます?」
「そろそろ良いですね。お嬢様、申し訳ありませんが、けがの汚れを取る魔法をお願いできますか?」
「うん。——浄化!」
別に言葉にする必要はないんだけど、ノノとロンドさんに伝わりやすいように声に出す。
魔力の光がパァッとボウルを包んで、中に入っていた白いドロドロを浄化した。けがだったらこれで化膿したり変な病気になることはなくなる。
「あとは生地ですね」
小麦粉を牛乳と卵で溶いて、熱したフライパンに薄く伸ばしていく。
とろっとした水分多めの感じから、ぺらぺらのパンケーキみたいに固まったところでひっくり返し、まな板の上に広げる。
うすーい生地がホカホカと湯気を立てていた。
オイル煮にしたマグロを取り出してほぐし、白いドロドロと玉ねぎを混ぜ合わせる。
レタスと一緒にそれをくるくる巻いて完成らしい。
「どうぞ。マグロと玉ねぎのマヨネーズ和え——ツナマヨでつくったクレープです」
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