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「いただきます」
しおりを挟む「いただきます!」
ロンドさんやジグさん達と一緒に食卓を囲んで食べ始める。
「あむっ」
とろとろに蕩けた卵とチーズの濃厚な甘味が口いっぱいに広がり、すぐさまパンチェッタの塩気と脂が口の中で暴れまわる。
パンチェッタは噛めば噛むほど脂が出てくるので、甘味強めな状態からどんどん塩気が強くなっていくので全然飽きない。
すっごく重たいはずなんだけど、最後にかけた胡椒が良いアクセントになってギュッと全体を引き締めてくれている。
「これは……ロンドが絶賛するだけはあるな……!」
「護衛引き受けてよかったぜ……はふっ!」
「私、もう一生護衛やってたいわ……あむっ!」
私はみんなの半分以下の量でご馳走様だけど、みんなはお皿いっぱいのカルボナーラをペロリと平らげている。
あー!
軽く炙って表面がカリッてしてるパンをちぎってお皿に残ったソース拭ってる!
絶対に美味しいやつだ!
……わ、私も食べたい……でももうお腹いっぱいで入らない……!
こんな美味しそうな食べ方があるならもう少しパスタの量減らせば良かった!
「お嬢様。夜までのつなぎですが、馬車内ではあまり凝ったものがつくれないのでボウルに残ったソースをパンに塗って軽く炙ったものは如何でしょうか?」
「っ! ノノ大好き!」
「はわっ!? こここここれはまさか、両想い……!?」
「ノノ? どうしたの、ノノ!?」
めまいだろうか、ノノがふらりと体を傾けたので頑張って支える。
「ふぬぬぬぬぬ……!」
あんなに細くて華奢なのに支えられないなんて。たくさん歩けるようになったし体力もいっぱいついたと思ったのに、まだ足りないの……!?
地面に倒れる直前でノノに支えられて、そのまま押し付けられるって言うか、ぐっと押し付けられたような形になってしまった。
重くない。
柔らかいし重くないけどまったく動けない……!
「お、お嬢様が私を見ながら顔を赤らめて……!? つまり合意ですか!?」
「え、えっと……回復魔法、要る……?」
「いえ! もう少しこのままでお願いします!」
……えっと?
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