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本編
39(侍女:今世2)
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いつ頃何が起こるのかは、ある程度操られる前のお嬢様から聞いていた。おそらく今日起きるゲームでのイベントは、お嬢様と取り巻き二人がシュゼット様に水をかけるのだが、濡れた彼女を見かけた殿下が本当にそんなことをしたのか。と彼女たちに問いかける。三人はそれを認め渋々謝り退散しようとするのだが、それをシュゼット様は引き止め、シェーヌ様が仰られたことは正しい。私もごめんなさい。と謝るのだ。だがそれはシェーヌの怒りを増長させるものとなった。というもののはずだ。
決行するなら今日しかない。と、私は学園へ足を運んだ。
場所はお嬢様の教室だ。私は早歩きでそちらへ向かうと、教室に近づくにつれて話し声が大きくなり会話が聞こえてきた。すぐ側まで近づくと、私はタイミングを見計らって教室に入り、お嬢様を呼び止めようとしたシュゼット様に手早く近づいて、手刀で気絶させる。父がこういったことに詳しい人で良かったと今更ながら思った。
すぐにお嬢様へ近づき、強制力は解けたか確認をする。予想が正しいならば、主人公であるシュゼット様が動けなくなった今ならそれは解けるはずなのだ。
「貴方は、貴方の前世は、愛由美……?」
私はその台詞を聞いて、心の中で指をパチンと鳴らした。成功したのだ。
彼女が解けたならば、同じく強制力に操られているはずのこの場の全員も、解けたはずだ。だとすれば思考が整い次第、いや、思考が整わずとも本能的に動かされ、殿下はすぐにお嬢様へ近づこうとするだろう。と予想した私は、無礼を承知で適当に説明し、お嬢様を連れてその場を離れた。
私は正常に戻ったお嬢様と話をした。私たちはもう互いに、"愛由美と咲良"という友人関係ではない。"ネオラとシェーヌ"という主従関係であるということを自覚していた。この世界で生きている人間。前世の自分の記憶を持っているだけの、前世ともその前とも違う、全くの別人だと。
それならばもう話は早いではないか、と私はお嬢様に恋心を認めさせるように話した。彼女は否定していた。認めたくないのだと首を横に振る。それを認めさせるのは、少し残酷なことかもしれない。だがそれを認めれば、未来は変えられるはずだと思った。私は、目を通して見えた感情や普段の話で予測したものを話した。そうして最期は完全に認めたわけではなかったが、お嬢様は本音を話した。
その話は強制力のことに繋がり、お嬢様に説明し彼女は混乱しつつも、少しずつ理解をしていった。だいたいの説明が終わったところでタイミング良く殿下が訪れる。
殿下が座って少し落ち着いたタイミングで、私は確認するように前世たちの記憶があるのか問いかけ、その返事は予想通りのものだった。話していく中で、強制力があるということは確証に変わる。二人に若干の違いがありつつも、大抵のことは同じ現象が起きているようだった。二人の違いの一つに、前世で強制力が働いたか働いていなかったかの違いがあった。咲良には何もなかったというのに、嶋田は強制力が強く働いていたようだった。
それは本当に強制力だったのだろうか。と考える。強制力はあくまでもゲーム通りに進ませるための力だ。愛由美たちの生きていた世界はゲームではなく現実のはずだから強制力が働いていたとは考えられない。もし愛由美たちの世界がゲームではなくとも、何かの物語の世界であったのならば話は別かもしれないが。考えたところで答えは出ないだろうと私はまたすぐに殿下の話を聞いた。
中西茜という名前が出てきた。愛由美が出かけた先で少し話した子だ。彼女との会話で、ゲームをしていたときに咲良が話していた違和感と同じような違和感を感じたと話していたことを思い出す。ならばシュゼット様の前世は彼女であり、すでにそれを思い出している可能性があると考えた。先程教室の外から中を覗き見たとき、彼女の目には明らかな負の感情が浮かんでいた。執念に近いようなものだ。
私はこれは面倒くさそうな話だな、と思いながら、彼女たちに私の考えを話していった。そこそこ理解を出来ているような反応を見せたお嬢様にあまり心配はなかったが、説明を途中から受けた殿下はあまり理解しきれていない様子だった。少し先が心配になったがなぜか根拠もなく、きっと二人なら大丈夫だろう。と思った。
私はシュゼット様が目覚めるまでの残りの時間は若い二人に任せよう。と部屋を出る。私が出ると言えばお嬢様はかなり慌てておられたが、大丈夫ですと宥めて部屋を出た。
今の殿下なら悪いことはしないはずだ。私は話していた間に見た彼の目でそう判断した。
ようやく訪れたお嬢様の関係する最期のイベントの日、私は学園へまた訪れていた。彼らは未来を変えようとしているけど、それは彼らだけの力では無理なのだ。彼らが対抗しているのは、この世界の法則だ。それに大きく関係している彼らだけでは、変えることなどできないほど大きな力。
でも私は、物語とは全く関係のないモブ。言うなれば私はこの物語において完全なる異物となる。それがこの世界を成り立たせている者たちに関われば、私が最後のひと押しをすれば、変えられるはずだ。
予想通り、彼はそこに立っていた。本校舎から見るとき、一番あの旧校舎の階段が見えるのはここだからいると思っていたのだ。
「王太子殿下」
私は彼の自我がどこまであるのかを確かめるように話しかけた。目は見えていなかったけど、全部わかっている。と返事をしていたことが伝わった。
「王太子殿下。今から大変無礼なことをいたしますが、どうぞ広い心でお許しください」
私はそう言って右腕を大きく振り上げると、力強く殿下の背中に振り下ろした。バシーン!と大きな音が鳴り、彼は走り始めた。きっと指でちょんとするだけでも今の彼なら動けただろうが、よくも私のお嬢様を傷つけてくれたな。という憂さ晴らしのために少し強めに叩かせてもらった。
「どうかお嬢様を、お助けて下さい」
これは私の役割ではないからと、私は物凄い速さで走る彼の背中に向かって呟き、すぐに生徒会室へ向かった。あの負の感情を持った少女なら、強制力が解けたとしても自ら階段から落ち、後日お嬢様に落とされたと騒ぎかねない。だが今強制力に抗おうとしているお嬢様なら彼女を絶対落とさない。落としかけたとしても、駆けつけた殿下が助けるはずだ。だから私はお嬢様は落としていないということを証明できる証人をつくらねばならない。お嬢様の侍女である私は証人にはなれないのだから。
ノックをして入ると、愛由美の記憶でのみ見たことのある、顔の整った貴族令息たちがそこにいた。私は要件は何かと聞かれ、王太子殿下より見て欲しいものがあると案内を任されました。と言った。彼らは不思議そうな顔をしながらも生徒会室を出て、私のあとをついて歩く。私は階段まで向かう時間がないため、先程まで殿下が立っていたところに案内すると、あちらの正面にある旧校舎の階段当たりをご覧下さいとのことです。と伝えた。
私は令息たちの後ろに立っていたが、隙間からチラリと向こう側の様子をうかがった。予想もしていなかったそれは、中庭を挟んでいる距離があるけれど、はっきり見えた。
シュゼット様がお嬢様の腕を引っ張り階段から落としたのだ。殿下はまだなのか、と焦ったと同時に彼の姿は見えた。彼はお嬢様の腕を掴むと庇うように下に周り込み、そのまま落ちた。
「「殿下!!」」
彼らが叫ぶより先に、私は彼らのいる場所に向かって走り出した。殿下はきっと死んでいないだろう。というか、死なせるわけにはいかないのだ。
私はスカート姿で走りにくかったが、シュゼット様がややこしい事態を起こす前に早く駆けつけたかった。近くに行けば、ゲームの主人公らしからぬシュゼット様の喚き声がきこえた。やっぱりな、とそこまで辿り着けば、お嬢様は誰かを呼びに行こうとしていたようなので声をかけた。私はすぐに、後ろにいるであろう令息たちを呼んだ。
スカートで走りも遅いはずの私に、なぜ足が早いはずの彼らが追いつかなかったのだろうという疑問はすぐに解消された。彼らはあの叫んだあと、殿下を運ぶための大きめのタオルを取りに行ってくれていたようだった。そこまで頭のまわっていなかった私は流石だと関心した。
二人で運ぼうとする彼らを手伝おうと、お嬢様が右側に立たれたので私は左側に立った。私たちは誰一人として後ろで突っ立っている少女を気にすることなく保健室へ向かった。やはりこの反応からして、殿下以外の攻略対象も含む全員の強制力が解けたのだろうと察した。
決行するなら今日しかない。と、私は学園へ足を運んだ。
場所はお嬢様の教室だ。私は早歩きでそちらへ向かうと、教室に近づくにつれて話し声が大きくなり会話が聞こえてきた。すぐ側まで近づくと、私はタイミングを見計らって教室に入り、お嬢様を呼び止めようとしたシュゼット様に手早く近づいて、手刀で気絶させる。父がこういったことに詳しい人で良かったと今更ながら思った。
すぐにお嬢様へ近づき、強制力は解けたか確認をする。予想が正しいならば、主人公であるシュゼット様が動けなくなった今ならそれは解けるはずなのだ。
「貴方は、貴方の前世は、愛由美……?」
私はその台詞を聞いて、心の中で指をパチンと鳴らした。成功したのだ。
彼女が解けたならば、同じく強制力に操られているはずのこの場の全員も、解けたはずだ。だとすれば思考が整い次第、いや、思考が整わずとも本能的に動かされ、殿下はすぐにお嬢様へ近づこうとするだろう。と予想した私は、無礼を承知で適当に説明し、お嬢様を連れてその場を離れた。
私は正常に戻ったお嬢様と話をした。私たちはもう互いに、"愛由美と咲良"という友人関係ではない。"ネオラとシェーヌ"という主従関係であるということを自覚していた。この世界で生きている人間。前世の自分の記憶を持っているだけの、前世ともその前とも違う、全くの別人だと。
それならばもう話は早いではないか、と私はお嬢様に恋心を認めさせるように話した。彼女は否定していた。認めたくないのだと首を横に振る。それを認めさせるのは、少し残酷なことかもしれない。だがそれを認めれば、未来は変えられるはずだと思った。私は、目を通して見えた感情や普段の話で予測したものを話した。そうして最期は完全に認めたわけではなかったが、お嬢様は本音を話した。
その話は強制力のことに繋がり、お嬢様に説明し彼女は混乱しつつも、少しずつ理解をしていった。だいたいの説明が終わったところでタイミング良く殿下が訪れる。
殿下が座って少し落ち着いたタイミングで、私は確認するように前世たちの記憶があるのか問いかけ、その返事は予想通りのものだった。話していく中で、強制力があるということは確証に変わる。二人に若干の違いがありつつも、大抵のことは同じ現象が起きているようだった。二人の違いの一つに、前世で強制力が働いたか働いていなかったかの違いがあった。咲良には何もなかったというのに、嶋田は強制力が強く働いていたようだった。
それは本当に強制力だったのだろうか。と考える。強制力はあくまでもゲーム通りに進ませるための力だ。愛由美たちの生きていた世界はゲームではなく現実のはずだから強制力が働いていたとは考えられない。もし愛由美たちの世界がゲームではなくとも、何かの物語の世界であったのならば話は別かもしれないが。考えたところで答えは出ないだろうと私はまたすぐに殿下の話を聞いた。
中西茜という名前が出てきた。愛由美が出かけた先で少し話した子だ。彼女との会話で、ゲームをしていたときに咲良が話していた違和感と同じような違和感を感じたと話していたことを思い出す。ならばシュゼット様の前世は彼女であり、すでにそれを思い出している可能性があると考えた。先程教室の外から中を覗き見たとき、彼女の目には明らかな負の感情が浮かんでいた。執念に近いようなものだ。
私はこれは面倒くさそうな話だな、と思いながら、彼女たちに私の考えを話していった。そこそこ理解を出来ているような反応を見せたお嬢様にあまり心配はなかったが、説明を途中から受けた殿下はあまり理解しきれていない様子だった。少し先が心配になったがなぜか根拠もなく、きっと二人なら大丈夫だろう。と思った。
私はシュゼット様が目覚めるまでの残りの時間は若い二人に任せよう。と部屋を出る。私が出ると言えばお嬢様はかなり慌てておられたが、大丈夫ですと宥めて部屋を出た。
今の殿下なら悪いことはしないはずだ。私は話していた間に見た彼の目でそう判断した。
ようやく訪れたお嬢様の関係する最期のイベントの日、私は学園へまた訪れていた。彼らは未来を変えようとしているけど、それは彼らだけの力では無理なのだ。彼らが対抗しているのは、この世界の法則だ。それに大きく関係している彼らだけでは、変えることなどできないほど大きな力。
でも私は、物語とは全く関係のないモブ。言うなれば私はこの物語において完全なる異物となる。それがこの世界を成り立たせている者たちに関われば、私が最後のひと押しをすれば、変えられるはずだ。
予想通り、彼はそこに立っていた。本校舎から見るとき、一番あの旧校舎の階段が見えるのはここだからいると思っていたのだ。
「王太子殿下」
私は彼の自我がどこまであるのかを確かめるように話しかけた。目は見えていなかったけど、全部わかっている。と返事をしていたことが伝わった。
「王太子殿下。今から大変無礼なことをいたしますが、どうぞ広い心でお許しください」
私はそう言って右腕を大きく振り上げると、力強く殿下の背中に振り下ろした。バシーン!と大きな音が鳴り、彼は走り始めた。きっと指でちょんとするだけでも今の彼なら動けただろうが、よくも私のお嬢様を傷つけてくれたな。という憂さ晴らしのために少し強めに叩かせてもらった。
「どうかお嬢様を、お助けて下さい」
これは私の役割ではないからと、私は物凄い速さで走る彼の背中に向かって呟き、すぐに生徒会室へ向かった。あの負の感情を持った少女なら、強制力が解けたとしても自ら階段から落ち、後日お嬢様に落とされたと騒ぎかねない。だが今強制力に抗おうとしているお嬢様なら彼女を絶対落とさない。落としかけたとしても、駆けつけた殿下が助けるはずだ。だから私はお嬢様は落としていないということを証明できる証人をつくらねばならない。お嬢様の侍女である私は証人にはなれないのだから。
ノックをして入ると、愛由美の記憶でのみ見たことのある、顔の整った貴族令息たちがそこにいた。私は要件は何かと聞かれ、王太子殿下より見て欲しいものがあると案内を任されました。と言った。彼らは不思議そうな顔をしながらも生徒会室を出て、私のあとをついて歩く。私は階段まで向かう時間がないため、先程まで殿下が立っていたところに案内すると、あちらの正面にある旧校舎の階段当たりをご覧下さいとのことです。と伝えた。
私は令息たちの後ろに立っていたが、隙間からチラリと向こう側の様子をうかがった。予想もしていなかったそれは、中庭を挟んでいる距離があるけれど、はっきり見えた。
シュゼット様がお嬢様の腕を引っ張り階段から落としたのだ。殿下はまだなのか、と焦ったと同時に彼の姿は見えた。彼はお嬢様の腕を掴むと庇うように下に周り込み、そのまま落ちた。
「「殿下!!」」
彼らが叫ぶより先に、私は彼らのいる場所に向かって走り出した。殿下はきっと死んでいないだろう。というか、死なせるわけにはいかないのだ。
私はスカート姿で走りにくかったが、シュゼット様がややこしい事態を起こす前に早く駆けつけたかった。近くに行けば、ゲームの主人公らしからぬシュゼット様の喚き声がきこえた。やっぱりな、とそこまで辿り着けば、お嬢様は誰かを呼びに行こうとしていたようなので声をかけた。私はすぐに、後ろにいるであろう令息たちを呼んだ。
スカートで走りも遅いはずの私に、なぜ足が早いはずの彼らが追いつかなかったのだろうという疑問はすぐに解消された。彼らはあの叫んだあと、殿下を運ぶための大きめのタオルを取りに行ってくれていたようだった。そこまで頭のまわっていなかった私は流石だと関心した。
二人で運ぼうとする彼らを手伝おうと、お嬢様が右側に立たれたので私は左側に立った。私たちは誰一人として後ろで突っ立っている少女を気にすることなく保健室へ向かった。やはりこの反応からして、殿下以外の攻略対象も含む全員の強制力が解けたのだろうと察した。
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