エンゼルローズ

RASHE

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第2話 悪魔の操り手

悪魔の操り手 06

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「だが…まだだ」

二本のクリムゾンレッドを前方に構えたゼオンの両手首に赤色の輪が現れ、更に後方に現れた大きな円盤から赤い霊気によって彩られた五頭もの龍が姿を現せる

それを見たセレーラルとマレーシャも呼応する様にゼオンと同じようにそれぞれの色の霊気で各部位に輪と円盤を造り出す


「その力は、まさか…!」


その力を目の当たりにし、ここに来てようやく悪魔が眉をひそめて驚きの声を静かに上げた


「そうか、お前たちは……」


セレーラルはその背後に機械戦車のような形で両手両肩や背後に尻尾があり、それぞれ合わせて合計20もの砲門を持つ水色で髑髏顔の戦車がーーー

マレーシャの背後からは身長以上の巨大な両手が現れて悪魔を見据えて対峙する

対する悪魔は紫色の霊気を自身を中心にした強大な渦を作り出すように広範囲に広げて迎撃の態勢を取る

その力を前にゼオンは自然と構えを深くして、背後の龍が更に強く光らせる


「ようやく本気ってことか…」


今にもこの一帯を包み囲むかのような激しい霊気のうねりを前に、ゼオンはそう口にするが、対する悪魔はその言葉を聞いて薄ら笑いを浮かべるかの様に静かに呟く


「『本気』、か…」


そのまま構えること数秒ーーー
格上であろう相手の出方を伺いつつ、数十倍に近い体感時間を感じていたゼオンは、セレーラルとマレーシャにアイコンタクトを送り、足を前に踏み込んで悪魔へと立ち向かう

残る二人もゼオンに続いて飛びかかるように悪魔へと突進をかけた


「はぁぁぁああああっーー!!!」


雄叫びに近い気合いの声を乗せたゼオンの後ろで龍が更に輝きを強め

対する悪魔は自身の姿を覆い隠すほどの濃い霊気を纏い、ゼオンを迎撃すべく拳を構えて振り下ろす


そしてー
勢い余る凄まじい力が衝突したとき、辺り一帯は強い閃光と轟音に包まれたーー


真っ白な世界が包み込むその中で激しい衝突によって生み出された衝撃は凄まじく、強烈な地響きが起きたと同時に、僅か一瞬にして辺り一帯の砂埃や落ち葉を全て遥か上空へと吹き飛ばし、あたりの木々は衝撃を受けただけで根本から次々とへし折られては倒れていく

その倒れた大木すらも破滅をもたらす閃光に食われまいと逃げるように、平地を跳ねるように地面を蹴りながら転がっていった

全てが吹き飛ばされ何も無くなったと思われたその中心から閃光が消えたとき、力の衝突によって地面が抉られて発生した巨大な穴の中心に悪魔がただ一人、顔を隠していたフードがはだけた状態で泰然と立っていた

肩まである紫色の髪と、頭部の両側面にある黒く捻れた角を持つその悪魔はあれだけの衝撃の中心にいながら傷一つ付くことなく、情を感じさせない冷徹な顔をを崩さない

対してゼオン、セレーラル、マレーシャはそれぞれ悪魔から離れた位置で所々服は破け、全身を強く打ち付けて地に臥せたり、仰向けに倒れる等、それぞれがダメージを受けて悶々としていた

それでも三人とも意識はあり、立ち上がれずとも何とか目線だけは悪魔の方へ向ける


「結局、本気を出すことなく終わったな…自分たちの力のなさが如何程なものか、少しは理解できたか?」

「くっ……」


圧倒的だったーーー
結局悪魔はその場から殆ど移動することなく、ゼオン達の攻撃を見切り、いなして、最後の奥の手すらも力で完封し、三人がかりでも傷一つ負わせる事すらできなかった

ゼオンは結局何も出来ていないその歯痒さを噛みしめながら立ち上がろうとするが、最早力が入らず、それすらもできない

そんな状態の彼女たちを見ながら悪魔は止めを刺す訳でも、束縛することもなくその場でゼオン達に一つ、質問を投げつける


「一つ聞きたい…お前たちは『ジークフリート』の血筋の物か?」

「はい…?」

「だったらどうしたっていうんだ…」


息を切らせて地に這いつくばりながらも、何とか膝を立てるゼオンは吐き捨てる様に答え、それを聞いた悪魔は、小言で「やはりか…」と付け足すと、少し落胆気味に言葉を繋げていく

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