17 / 56
第2話 悪魔の操り手
悪魔の操り手 06
しおりを挟む「だが…まだだ」
二本のクリムゾンレッドを前方に構えたゼオンの両手首に赤色の輪が現れ、更に後方に現れた大きな円盤から赤い霊気によって彩られた五頭もの龍が姿を現せる
それを見たセレーラルとマレーシャも呼応する様にゼオンと同じようにそれぞれの色の霊気で各部位に輪と円盤を造り出す
「その力は、まさか…!」
その力を目の当たりにし、ここに来てようやく悪魔が眉をひそめて驚きの声を静かに上げた
「そうか、お前たちは……」
セレーラルはその背後に機械戦車のような形で両手両肩や背後に尻尾があり、それぞれ合わせて合計20もの砲門を持つ水色で髑髏顔の戦車がーーー
マレーシャの背後からは身長以上の巨大な両手が現れて悪魔を見据えて対峙する
対する悪魔は紫色の霊気を自身を中心にした強大な渦を作り出すように広範囲に広げて迎撃の態勢を取る
その力を前にゼオンは自然と構えを深くして、背後の龍が更に強く光らせる
「ようやく本気ってことか…」
今にもこの一帯を包み囲むかのような激しい霊気のうねりを前に、ゼオンはそう口にするが、対する悪魔はその言葉を聞いて薄ら笑いを浮かべるかの様に静かに呟く
「『本気』、か…」
そのまま構えること数秒ーーー
格上であろう相手の出方を伺いつつ、数十倍に近い体感時間を感じていたゼオンは、セレーラルとマレーシャにアイコンタクトを送り、足を前に踏み込んで悪魔へと立ち向かう
残る二人もゼオンに続いて飛びかかるように悪魔へと突進をかけた
「はぁぁぁああああっーー!!!」
雄叫びに近い気合いの声を乗せたゼオンの後ろで龍が更に輝きを強め
対する悪魔は自身の姿を覆い隠すほどの濃い霊気を纏い、ゼオンを迎撃すべく拳を構えて振り下ろす
そしてー
勢い余る凄まじい力が衝突したとき、辺り一帯は強い閃光と轟音に包まれたーー
真っ白な世界が包み込むその中で激しい衝突によって生み出された衝撃は凄まじく、強烈な地響きが起きたと同時に、僅か一瞬にして辺り一帯の砂埃や落ち葉を全て遥か上空へと吹き飛ばし、あたりの木々は衝撃を受けただけで根本から次々とへし折られては倒れていく
その倒れた大木すらも破滅をもたらす閃光に食われまいと逃げるように、平地を跳ねるように地面を蹴りながら転がっていった
全てが吹き飛ばされ何も無くなったと思われたその中心から閃光が消えたとき、力の衝突によって地面が抉られて発生した巨大な穴の中心に悪魔がただ一人、顔を隠していたフードがはだけた状態で泰然と立っていた
肩まである紫色の髪と、頭部の両側面にある黒く捻れた角を持つその悪魔はあれだけの衝撃の中心にいながら傷一つ付くことなく、情を感じさせない冷徹な顔をを崩さない
対してゼオン、セレーラル、マレーシャはそれぞれ悪魔から離れた位置で所々服は破け、全身を強く打ち付けて地に臥せたり、仰向けに倒れる等、それぞれがダメージを受けて悶々としていた
それでも三人とも意識はあり、立ち上がれずとも何とか目線だけは悪魔の方へ向ける
「結局、本気を出すことなく終わったな…自分たちの力のなさが如何程なものか、少しは理解できたか?」
「くっ……」
圧倒的だったーーー
結局悪魔はその場から殆ど移動することなく、ゼオン達の攻撃を見切り、いなして、最後の奥の手すらも力で完封し、三人がかりでも傷一つ負わせる事すらできなかった
ゼオンは結局何も出来ていないその歯痒さを噛みしめながら立ち上がろうとするが、最早力が入らず、それすらもできない
そんな状態の彼女たちを見ながら悪魔は止めを刺す訳でも、束縛することもなくその場でゼオン達に一つ、質問を投げつける
「一つ聞きたい…お前たちは『ジークフリート』の血筋の物か?」
「はい…?」
「だったらどうしたっていうんだ…」
息を切らせて地に這いつくばりながらも、何とか膝を立てるゼオンは吐き捨てる様に答え、それを聞いた悪魔は、小言で「やはりか…」と付け足すと、少し落胆気味に言葉を繋げていく
次へ
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる