上 下
6 / 6

第六話

しおりを挟む
 グルーガー視点


「俺はただの観光客だ!この先のボーネス共和国に用があるからここを通せ!」


「身分証を出してください」


「持ってないと言っているだろう!」


「なら入国出来ません」


「だから何度も言わせるな、俺はこの先のボーネス共和国に用があるんだよ!!」


 この一連の流れを初めて30分が経過していた。グルーガー王子はファルナがボーネス共和国の聖獣育成士になったという噂を聞き真相を確かめるべく国境を越えようとしていたのだが世間知らずのグルーガー王子は国境を超えるのに身分証が必要なことを知らず現在砦で足止めを食らっていた。


「もうお前らでは話にならない。ここの偉い奴を呼んで来い」


 砦の兵士たちはあきれたように責任者を呼びに行く。数分後、来たのは強面のおじさんだった。


「小僧、なにやら駄々をこねているそうじゃないか」


「こ、小僧だと!俺はドロゴン王国の王子なんだぞ、そんな無礼を働いていいのか!?」


「はぁ~たまに来るのだこういう自分はどこかの国の貴族やら王族だからここを通せと。そういうやつには毎回同じ様な対応をするようにしている」


 そうすると強面のおじさんは部下から槍を取り上げ刃の無い方を地面にたたきつけ大きな音を立てる。


「我々にはこの国を守る使命がある!!どこの誰だかわからない奴を入国は禁ずる!!!」


 強面のおじさんから放たれる怒気に縮こまってしまったグルーガーは入国できないままその場を立ち去る。


「クソ!あのジジイめ」


 兵士たちが見えなくなったところですぐに悪態をつくグルーガー。しかし彼もこのまま引き下がるような男ではなかった。翌日国境の連なる壁に誰かが上り国に侵入した形跡が見つかった。兵士たちはすぐに犯人の捜索に出たが見つけることは出来なかった。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(10件)

penpen
2022.09.01 penpen

|д゚)チラッ

解除
来夢♪
2020.06.11 来夢♪

はじめまして、いつも楽しく読ませてもらっています💕国の代表🤴の人が、他の国に勝手に入国したらマズイとちょっとでも考えないのかなΣ(T▽T;)次回の更新も楽しみにお待ちしています。

解除
Emu:N
2020.06.11 Emu:N

誤字?報告です。
第五話の次が第になっていますが第六話ではないでしょうか。

解除
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

転生した魔術師令嬢、第二王子の婚約者になる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:9,286pt お気に入り:2,412

さようなら竜生 外伝

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:56pt お気に入り:595

実力主義に拾われた鑑定士 奴隷扱いだった母国を捨てて、敵国の英雄はじめました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:4,524pt お気に入り:16,498

婚約破棄を告げた瞬間に主神を祀る大聖堂が倒壊しました〜神様はお怒りのようです〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:177pt お気に入り:7,112

旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,018pt お気に入り:182

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。