知らない男に婚約破棄を言い渡された私~マジで誰だよ!?~

京月

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 パルセ劇団の団長に連絡を入れると二つ返事で了承してくれた。場所は会員しか入ることが出来ない信頼のおけるレストランにしてある。私は自慢のドレスを着て馬車に乗りレストランへと向かった。


「お久しぶりですマリーさん。調子はどうですか?」

「とても元気ですよ。それとマリーさんはやめてください。私はまだまだ子供、呼び捨てで十分です」


 レストランについた私を出迎えてくれたのは150センチ程度の身長に丸々としたゆで卵のような体系が特徴的な男性、この方がパルセ劇団の団長をやられているユーデさんだ。


「またまたご謙遜を!あなたのおかげで私どもは何度も助けられております。むしろ私に対する敬語をやめていただきたいほどですよ。はっはっはっ」

 
 外で他愛無い挨拶を交わしたのちレストランの中に入り出てくる高級料理のコースに舌鼓しながら本題を切り出す。


「今回お呼びしたのは他でもありません。リルベルクについて知っていることを教えてください」

「ふー。また懐かしい名前が出ましたね。私も最後に会ったのは彼がこの劇団を辞めた数年前ですが今でもよく覚えています」


 昔を懐かしむユーデさんにマリーは質問を続ける。


「リルベルクはパルセ劇団の裏方だったのですか?」

「いいえ。彼はキャストでした。飛び切り優秀で私どもも将来を楽しみにしていたほどでございます」

「優秀ということは主役…ですか?パルセ劇団は美人を主役に配役することで有名なはずです。失礼ですがリルベルクの容姿はお世辞にも…」


 もしあの豚が痩せていたとしても主役を張れるほど顔の造りは良くなかった。ユーデさんの思い違いか?


「確かに彼は主役を張れる顔ではありませんでした。ですが私どもは脇役の彼に魅力を感じていたのです。リルベルクは何でもそつなくこなし男でも女でも本当にそんな人物がいるような演技を見せていた。劇において大切なのは撃全体が調和していること、その点において彼は天才だったのです」

「でしたら何故ここを辞めたのですか?」

「確か両親の離婚が原因だったと記憶しております。元々は平民だったのですが連れ添った母親が貴族と結婚したため貴族の仲間入りをしたと噂で聞いたことが。うらやましい限りです」


 元々は平民…ならば平民と仲良くなれるのも納得だ。モヤがかかっていたリルベルクの正体が段々とつかめてきた。でもどうしても納得いかないのが体型だ。その謎さえわかれば突き止めれるはずなんだけど…う~ん…


「そういえばリルベルクが劇団を辞める日皆で写真を撮ったのです。これが当時の写真なのです」


 私はユーデさんから渡された写真を見て驚愕する。


「これは!」

「どうかしましたか?」

「やっと見つけたわ。リルベルク」


 私はリルベルクの正体を見破ったことで歓喜し周りの目など気にせず笑っていた。
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