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パルセ劇場、現在大人気作品仮面夫人が公開されているこの劇場は一階にある一般席とは別に二階にVIP専用の席が用意されており少人数で劇を見れるのが売りになっている。
今日の公演が全て終わり劇団関係者も帰宅した誰もいない劇場のVIP席にはあの豚と連れ添いの女性が誰もいない劇場を眺めている。カーテンで仕切られた入り口からドレスアップしたマリーとサナが入ってくる。
「仮面夫人、面白かったですか?」
「ユーデさんから届いた子の招待状は君からだったわけか…もちろん楽しませてもらったよ。こんな招待状を送ってくるなんてどうしても俺のことが忘れられないらしいな」
「フフ。ええずっと探していました」
「そこまで惚れさせてしまうとは俺も罪な男だ」
太った豚男は変なポーズでカッコつけているがマリーとサナはただ笑っているだけだった。それを見た太った豚男は大きなため息をついた後肩を落とす。
「あなた達はどうやら気付いているようですね」
「もちろん。あなたの正体がわかったからユーデさん伝いでここへお招きできたのですよリルベルク」
マリーは太った豚男の前…ではなく付き添いの女性をリルベルクと呼んだ。
「あのパーティー以来ですね、リルベルク」
「意外と早く僕を見つけたね」
付き添いの女性は長髪のカツラを脱くとそこには黒い短髪が現れメイク落としようのタオルで顔を拭くと先ほどの女性が男へ変化した。わかってはいたがこの変わりようは驚きだ。
「まさかリルベルクが女に変装していたとは夢にも思わなかったわ」
「どうしてわかったんだい?」
「ユーデさんが見してくれた写真、そこにはあの豚と女装した痩せ型の男性が映っていたわ。それでもしかしてと思って」
「ああ~なるほど。確かに最後の作品は女性の脇役だったな」
「あなたはあの豚に協力を頼みあの事件を起こした後情報屋に自分の情報を売る様に指示した。私達があの豚が犯人だと勘違いさせるために出す情報を選別して」
「正解。彼は僕の親友さ。今回の計画に参加してくれた心優しい奴、情報屋とはもともと仲が良くてお願いも聞いてくれた」
あの豚は一礼した後VIP席から退席していった。ここに残るのは私とサナ、それとリルベルクだけとなった。
「計画って言ってたけど、あなたは結局何がしたかったの?」
「簡単だよ。君への復讐、それだけが目的さ」
「復讐って私が恥をかくこと?なんでそんなことを?」
それまでへらへらした様子だったリルベルクの表情が一気に冷めた。
「……君が僕を調べるにあったって僕の友人である居酒屋の跡取りに情報を聞いていた時、自殺した平民のことを聞かなかったか?」
「……聞いたわ」
「あの子は学年でトップの成績だったのにいつも次席。それが君の賄賂によるものだと暴いたら君への点数稼ぎを狙った貴族たちから標的にされ自殺に追い込まれた」
「そ、そんな話聞いてないわ!」
「自殺してしまったからね。それを君のためだと伝えても点数稼ぎどころか悪い印象しか与えないと思ったんだろう」
あまりに驚愕に頭が追い付かない。これじゃあまるで私が間接的に…
「間接的に君が殺したんだ。マリー・アーカルテ」
「そんな馬鹿な話があるか!」
これに反論したのがサナだった。
「きっかけはどうであれ実行犯は別だろう!マリーは何も悪くないではないか!」
「……そうかもしれない。僕がしてきたことはただの八つ当たりに過ぎないかもしれない」
「それがわかっているなら」
「だけどそれでは僕の気持ちが収まらなかったんだ。誰かを悪者にしないと彼女の自殺が只の自殺になっていしまうから」
「そんな身勝手なことでマリーの将来を潰したのか!?」
「ああ。身勝手な感情でマリーの人生を台無しにした」
「貴様!!」
サナがリルベルクの首を掴む。
「どうしてマリーなんだ!!いじめを起こしたやつを嵌めればよかっただろう!!」
「…強いて言えば彼女が悪役令嬢だからさ。欲が強すぎたんだ」
サナは本気でリルベルクを殺す気でいる。止めなくちゃ!私が止めに入ろうとすると先ほど退室したはずの豚が私を止める。サナはVIP席から一階席にリルベルクを投げ飛ばす。
まるで時間が止まったかのようなゆっくり動く世界でリルベルクは笑っていた。
ドン!!
今日の公演が全て終わり劇団関係者も帰宅した誰もいない劇場のVIP席にはあの豚と連れ添いの女性が誰もいない劇場を眺めている。カーテンで仕切られた入り口からドレスアップしたマリーとサナが入ってくる。
「仮面夫人、面白かったですか?」
「ユーデさんから届いた子の招待状は君からだったわけか…もちろん楽しませてもらったよ。こんな招待状を送ってくるなんてどうしても俺のことが忘れられないらしいな」
「フフ。ええずっと探していました」
「そこまで惚れさせてしまうとは俺も罪な男だ」
太った豚男は変なポーズでカッコつけているがマリーとサナはただ笑っているだけだった。それを見た太った豚男は大きなため息をついた後肩を落とす。
「あなた達はどうやら気付いているようですね」
「もちろん。あなたの正体がわかったからユーデさん伝いでここへお招きできたのですよリルベルク」
マリーは太った豚男の前…ではなく付き添いの女性をリルベルクと呼んだ。
「あのパーティー以来ですね、リルベルク」
「意外と早く僕を見つけたね」
付き添いの女性は長髪のカツラを脱くとそこには黒い短髪が現れメイク落としようのタオルで顔を拭くと先ほどの女性が男へ変化した。わかってはいたがこの変わりようは驚きだ。
「まさかリルベルクが女に変装していたとは夢にも思わなかったわ」
「どうしてわかったんだい?」
「ユーデさんが見してくれた写真、そこにはあの豚と女装した痩せ型の男性が映っていたわ。それでもしかしてと思って」
「ああ~なるほど。確かに最後の作品は女性の脇役だったな」
「あなたはあの豚に協力を頼みあの事件を起こした後情報屋に自分の情報を売る様に指示した。私達があの豚が犯人だと勘違いさせるために出す情報を選別して」
「正解。彼は僕の親友さ。今回の計画に参加してくれた心優しい奴、情報屋とはもともと仲が良くてお願いも聞いてくれた」
あの豚は一礼した後VIP席から退席していった。ここに残るのは私とサナ、それとリルベルクだけとなった。
「計画って言ってたけど、あなたは結局何がしたかったの?」
「簡単だよ。君への復讐、それだけが目的さ」
「復讐って私が恥をかくこと?なんでそんなことを?」
それまでへらへらした様子だったリルベルクの表情が一気に冷めた。
「……君が僕を調べるにあったって僕の友人である居酒屋の跡取りに情報を聞いていた時、自殺した平民のことを聞かなかったか?」
「……聞いたわ」
「あの子は学年でトップの成績だったのにいつも次席。それが君の賄賂によるものだと暴いたら君への点数稼ぎを狙った貴族たちから標的にされ自殺に追い込まれた」
「そ、そんな話聞いてないわ!」
「自殺してしまったからね。それを君のためだと伝えても点数稼ぎどころか悪い印象しか与えないと思ったんだろう」
あまりに驚愕に頭が追い付かない。これじゃあまるで私が間接的に…
「間接的に君が殺したんだ。マリー・アーカルテ」
「そんな馬鹿な話があるか!」
これに反論したのがサナだった。
「きっかけはどうであれ実行犯は別だろう!マリーは何も悪くないではないか!」
「……そうかもしれない。僕がしてきたことはただの八つ当たりに過ぎないかもしれない」
「それがわかっているなら」
「だけどそれでは僕の気持ちが収まらなかったんだ。誰かを悪者にしないと彼女の自殺が只の自殺になっていしまうから」
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「ああ。身勝手な感情でマリーの人生を台無しにした」
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サナがリルベルクの首を掴む。
「どうしてマリーなんだ!!いじめを起こしたやつを嵌めればよかっただろう!!」
「…強いて言えば彼女が悪役令嬢だからさ。欲が強すぎたんだ」
サナは本気でリルベルクを殺す気でいる。止めなくちゃ!私が止めに入ろうとすると先ほど退室したはずの豚が私を止める。サナはVIP席から一階席にリルベルクを投げ飛ばす。
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