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第一話

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「あぁっ…はぁ…はぁ…あっああぁ」


「んっ…んっ…気持ちいいか、かなみ」


「うん」


「俺もだ」


 俺こと青木裕は隣に住んでる霧島かなみと関係を持っている

 別に恋人ではない

 霧島かなみには桜井春樹という彼氏がいる

 俺はセフレだ


「裕、私そろそろ限界かも」


「俺もイキそうだっ」


「んっ!そんな急に激しぃ…!あっ…あっ…あっああああああ!」


「出るぞかなみ!うっ…!はぁ…はぁ…はぁ…」


 事を終えた後二人はベットに横たわりながら余韻にひったっている

 霧島かなみとこんな関係になったのは高校二年の春

 親友の桜井春樹と霧島かなみが付き合い始めたのがきっかけだ


「かなみ、春樹と付き合うんだってなおめでとう」


「ありがとう、それだけ?」


 何故かその言葉に腹が立った


「他に言うことなんてないだろ」


「そうなんだ、私裕のこと好きだったよ」


 何故かその言葉で腹立たしい気持ちが収まり冷静になれた


「俺も好きだったよ」


「知ってた」


「なんで春樹と付き合ったの」


「告白してきたから」


「俺が告白したら付き合ってたか」


「うん」


「…春樹とはもうヤったの?]


「まだ」


「なら俺とセフレになろう」


「…いいよ」


 霧島かなみとは長い付き合いだが正直何を考えているのかよくわからない

 あの時に流れでしてしまったあんな告白も普通なら了承なんてしないはずだ

 本当によくわからない

 
『かなみ、今日家に親いないから来いよ』


『分かった。今から行く』


 ラインでかなみにメッセージを送り返信を見て少し部屋の片づけをする

 かなみとセフレになってから二週間が過ぎた

 俺はまだ一度もかなみに手を出していない

 
『家の前、玄関開けて』


『ちょい待ち』


 二階の自分の部屋から足早に階段を下りて玄関のドアを開ける


「お邪魔します」


「俺しかいないよ」


「一応」


「俺の部屋に行ってて、飲み物持ってくる」


 飲み物を準備して部屋に向かう


「お茶でいい?」


「うん、ありがとう」


「「……」」


 沈黙が続く

 この沈黙を破ったのはかなみだった

 
「じゃあ、しようか」


「あっ、そ、そうだなしようか」


「なに緊張してんの」


「当たり前だろ、初めてなんだから。なんでお前は緊張しないんだよ」


「初めてじゃないから、かな」


「…春樹ともうヤったのか」


「うん、この前デート行ってそのままホテルで」


 心のどこかでかすみを思って遠慮していた気持ちが無くなっていくのが分かる

 
「そうか、付き合ってるんだし当然か」


「そうだね」


「服脱げよ、ヤるぞ」


「なんか怒ってない?」


「怒ってない」


「…そう」


 お互いに服を脱ぎ始める

 かなみの裸は綺麗だった


「かなみ、キス」


「ん」


 差し出された唇をむさぼる


「んっ…んっ…ぷはぁ…意外とうまいね」


「春樹とどっちが上手い?」


「今それ聞くのはデリカシーない」


「答えろ」


「春樹君」


 そこからは何も言わずにかなみをベットに押し倒しかなみの体を味わう


「あっ…あっ…あぁ…!裕…そこはダメ…」

 
 かなみは足を閉じて隠そうとするが力づくで足を開かせる


「あぁっ!そんなとこ…なめちゃ…んっ…んっ…あっあああ!」


 顔が濡れてしまったが悪い気分ではなかった


「気持ちよかっただろ」


「…うん」


 恥ずかしそうにうなづくかなみに我慢が出来なくる


「そろそろ、な」


「いいよ、来て…あっああああああ!」


 あまりの気持ちよさにすぐに出そうになってしまうがなんとか我慢する


「あぁっ…はぁ…はぁ…あっ…あっ…!」


「くっ気持ちいい…かなみ…気持ちいいぞ!!」


 目の前の女が誰かの物であることを認識するとさらに扇情的な感情が湧いてきて我慢ができなくなる


「かなみ…!もう我慢できないっ!うっっっ!!」


「あぁっっっっっ!!!」


 事が終わり二人で同じベットに横たわりながら会話をする


「どう私気持ちよかった?」


「ああ」


「そう、ならよかった」


 この言葉の後のかなみの笑顔を見て少しドキッとする

 初めての体験だったが最高だった

 プルルルルプルルルル

 電話の音がする

 この音は俺の携帯ではない

 
「私の携帯だ。ちょっと出ていい?」


「ああ」


「もしもし、あ!春樹君どうしたの?うん…うん…分かった、じゃあ今度の日曜日に…うんまたね」


「春樹はなんて」


「今度の日曜日にデート行こうって。場所は隣町の遊園地」


 隣町の遊園地の近くにはラブホテル街がある

 たぶんそこでまたかなみは春樹に抱かれるのだろう

 最悪の気分だ


「ちょっと…!裕…!」


 彼氏でもない俺が何故が嫉妬を覚え、その感情を上書きするためにまたかなみを抱くのだった
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