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感謝状をあなたに
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私の名前はローゼ、貴族の生まれで今は旦那の仕事の都合で地方に住んでいる。
旦那の仕事?彼は騎士団長をしている。
誇り高い役職で騎士なら誰でも憧れを持ち、近所の奥さんたちに騎士団長の妻ですと自己紹介すればたちまち称賛の嵐。
父親の決めた縁談だったけど好きな人も特にいなかったし世間体を見て結婚した。
騎士団長を務めるほどの男だ。さぞ誠実で愛国心の強い性格なのだろうと思っていたが…現実は違った。
「ローゼ!酒だ!今日は蛮族どもを根絶やしたからな、血がたぎって仕方がない」
「…最近飲みすぎじゃない?」
「ああ!?ローゼ、てめえ女の分際で俺に口答えするのか!?」
「そうじゃなくて飲みすぎは体に毒だから心配しているのよ」
「いつもうるさいんだよお前は!!」
そういうと旦那は空いた酒瓶を私に投げつけると家を出て歓楽街へ向かう。
旦那はそのまま朝まで帰ってこなかった。
本当に最低な男。
なんでこんな奴と結婚したんだろう…
浮気だけじゃない。これだって…
椅子に座りながら目の前の大量の書類に目を向け頭を抱える私。
でも、それでもまだ旦那との結婚生活を続けていくつもりでいた。
あの日までは…
その日を突然の雷雨で予定より早く家に帰ってきた。
慣れ親しんだ家の中だからわかる異物感。
女の勘というものが働き、急いで寝室に向かうとそこには旦那と知らない女がいた。
そこからはよく覚えていない。
人生で一番の憤怒を覚え感情のままに旦那とその女を家から出して鍵を閉めた。
それから1か月、旦那は家に戻ってきていない
私は旦那がいなくなっても普段と変わらぬ生活を送っていた。
というか元々私の生活に旦那が存在していなかった。
「旦那がいなくなったのはいいけどまだ問題は山積み…どうしよう」
とある問題に頭を悩ませていると一枚の手紙が届いた。
差出人は旦那。手紙の内容は要約すると別の女と結婚するから離婚してくれとわざわざ旦那の署名が入った離婚届まで同封してあった。
「あら?手紙に差出人の住所が」
差出人の住所?
それって今の旦那の家よね?
てことはもしかして……フフフ。
ローゼは笑顔で離婚届にサインをした。
◇◇◇
ローゼの元旦那は以前家に連れ込んでいた女の家に転がり込んでいた。
離婚届を出したのもその女と結婚するためである。
元旦那はローゼから届いた手紙を読んでいた。
「お、ローゼのやつ素直に離婚届にサインしたのか。ハハハこれで今の女と結婚できる!…?なんだこの書類?借金返済催促の知らせ?」
手紙とともに同封されていたのは大量の借金に関する書類と一枚の感謝状だった。
"旦那へ
これはあなたに対する感謝状です。
あなたは知らないと思いますが騎士団長の収入は雀の涙ほどで歓楽街に毎日のように通えるほど裕福ではありません。
あなたがツケにした夜の店での代金は全く返済できておらず手付かずのままです。
期限が過ぎれば怖い人たちが家に来るところでした。しかしあなたとの離婚が成立したことで私にあなたの借金をン際する義務がなくなり怖い人たちは手紙の書いてあったあなたの居場所にやってくると思いますので対応のほどよろしくお願いします。
追伸 この手紙は返済日の翌日の届くようにしておいたのでよろしくお願いします。
手紙を読んだ元旦那は手紙を引き裂くと腹の底から大声で叫ぶ。
「あの女ああああああああ!」
「ちょっと!大声出してどうしたの?」
トントン
家の扉がノックされ女が扉を開けるとそこには大勢の強面の男たちがいた。
「やあ騎士団長さん。溜めた借金、返してもらいに来たよ」
「い、今は返せねえ。もう少し待ってくれ」
「それは通用しねえよ。起源はもう過ぎたんだ」
「うるせえな!ちょっとくらい耳かせや!」
そういって強面の男を殴ろうとする騎士団長だったが一人の男が腕をつかむとそのまま集団でボコボコにされる。
男たちは家から金目の物をあらかた奪うと帰り、女は激高して姿を消し、全身大けがをした騎士団長は仕事がまともにできないことから辞職を言い渡された。
旦那の仕事?彼は騎士団長をしている。
誇り高い役職で騎士なら誰でも憧れを持ち、近所の奥さんたちに騎士団長の妻ですと自己紹介すればたちまち称賛の嵐。
父親の決めた縁談だったけど好きな人も特にいなかったし世間体を見て結婚した。
騎士団長を務めるほどの男だ。さぞ誠実で愛国心の強い性格なのだろうと思っていたが…現実は違った。
「ローゼ!酒だ!今日は蛮族どもを根絶やしたからな、血がたぎって仕方がない」
「…最近飲みすぎじゃない?」
「ああ!?ローゼ、てめえ女の分際で俺に口答えするのか!?」
「そうじゃなくて飲みすぎは体に毒だから心配しているのよ」
「いつもうるさいんだよお前は!!」
そういうと旦那は空いた酒瓶を私に投げつけると家を出て歓楽街へ向かう。
旦那はそのまま朝まで帰ってこなかった。
本当に最低な男。
なんでこんな奴と結婚したんだろう…
浮気だけじゃない。これだって…
椅子に座りながら目の前の大量の書類に目を向け頭を抱える私。
でも、それでもまだ旦那との結婚生活を続けていくつもりでいた。
あの日までは…
その日を突然の雷雨で予定より早く家に帰ってきた。
慣れ親しんだ家の中だからわかる異物感。
女の勘というものが働き、急いで寝室に向かうとそこには旦那と知らない女がいた。
そこからはよく覚えていない。
人生で一番の憤怒を覚え感情のままに旦那とその女を家から出して鍵を閉めた。
それから1か月、旦那は家に戻ってきていない
私は旦那がいなくなっても普段と変わらぬ生活を送っていた。
というか元々私の生活に旦那が存在していなかった。
「旦那がいなくなったのはいいけどまだ問題は山積み…どうしよう」
とある問題に頭を悩ませていると一枚の手紙が届いた。
差出人は旦那。手紙の内容は要約すると別の女と結婚するから離婚してくれとわざわざ旦那の署名が入った離婚届まで同封してあった。
「あら?手紙に差出人の住所が」
差出人の住所?
それって今の旦那の家よね?
てことはもしかして……フフフ。
ローゼは笑顔で離婚届にサインをした。
◇◇◇
ローゼの元旦那は以前家に連れ込んでいた女の家に転がり込んでいた。
離婚届を出したのもその女と結婚するためである。
元旦那はローゼから届いた手紙を読んでいた。
「お、ローゼのやつ素直に離婚届にサインしたのか。ハハハこれで今の女と結婚できる!…?なんだこの書類?借金返済催促の知らせ?」
手紙とともに同封されていたのは大量の借金に関する書類と一枚の感謝状だった。
"旦那へ
これはあなたに対する感謝状です。
あなたは知らないと思いますが騎士団長の収入は雀の涙ほどで歓楽街に毎日のように通えるほど裕福ではありません。
あなたがツケにした夜の店での代金は全く返済できておらず手付かずのままです。
期限が過ぎれば怖い人たちが家に来るところでした。しかしあなたとの離婚が成立したことで私にあなたの借金をン際する義務がなくなり怖い人たちは手紙の書いてあったあなたの居場所にやってくると思いますので対応のほどよろしくお願いします。
追伸 この手紙は返済日の翌日の届くようにしておいたのでよろしくお願いします。
手紙を読んだ元旦那は手紙を引き裂くと腹の底から大声で叫ぶ。
「あの女ああああああああ!」
「ちょっと!大声出してどうしたの?」
トントン
家の扉がノックされ女が扉を開けるとそこには大勢の強面の男たちがいた。
「やあ騎士団長さん。溜めた借金、返してもらいに来たよ」
「い、今は返せねえ。もう少し待ってくれ」
「それは通用しねえよ。起源はもう過ぎたんだ」
「うるせえな!ちょっとくらい耳かせや!」
そういって強面の男を殴ろうとする騎士団長だったが一人の男が腕をつかむとそのまま集団でボコボコにされる。
男たちは家から金目の物をあらかた奪うと帰り、女は激高して姿を消し、全身大けがをした騎士団長は仕事がまともにできないことから辞職を言い渡された。
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「ン際」ではなく「返済」だと思います。
「起源」ではなくて「期限」だと思います。
流れる様な三段コンボに草生える。
テンポよくてオチに笑いましたわw