36 / 44
36 お話し合いですわ①
しおりを挟む
先日のアシェリーと小娘のイベントもどき、皆様覚えていらっしゃるかしら?
この「世界」の元となった乙女ゲームのチートアイテム、「笑う門には福来たる」のプレゼントイベント。
この現実世界では、小娘の大失敗で終了しました「アノ」イベントですわ。
私は、あの時アシェの力を借りて、小娘の溜まりに溜まった魔力を拡散し消滅させました。
おかげで、当分は問題ないはずですわ。
とは言え、当分……と言う、期限付き。
小娘のギフトを使う魔力が通常通りに戻ってしまうと、結局は被害者がまだ増えていくと言う事ですわね。
「………はぁ」
アシェリーから渡された「魔道具」をマジマジと見ながら、思わず深い溜息が出てしまいました。
「アシェ?、あの小ム……ゴホン、ラファエロさんは、何故神殿に報告が行っていませんの?貴族のギフトは全て神殿にて記録されるはずですが?」
神殿での六歳の祝福時、ギフトを賜った者は、その詳細を神殿が全て記録します。
ギフトによっては、所持者を神殿が管理する必要があるからです。
これは、我が国に限った事ではなく、世界共通認識。一般常識ですわ。
国や民に害があるギフトを、野放しなんてあり得ませんでしょ?
小娘の持つ「魅了せし者」なんて、管理ギフトの代表格のようなものですわ。
魅了系ギフトは、そこまで種類はありません。
王家の固有ギフト「統治者」をはじめ、好意を抱く者を操る「魅了せし者」、動物の声を聞く「真実を聞く者」、植物の声を聞く「大地を魅せし者」……これくらいです。
その中でも、力の強い弱いが分かれておりますの。
神殿預かりになるのは、中でも強い能力を持つ者達。
ですが、「魅了せし者」だけは、別格ですわ。
力が弱かろうが、強かろうが、この厄介な能力は、発覚と同時に神殿預かり決定です。
なのに。
「あの方、神殿で祝福を受けていないのかしら?」
まぁ、それしか結論はありませんわよね。
コロコロと、手の平の上で魔道具を転がしながら、アシェリーに視線を向けると、疲れた表情が返ってきました。
「それ以外、ないだろうな。全く……貴族は血筋故、必ずギフトを調べなくてはならないと言うのに。あの家は何を考えているんだか」
あら、そんなの簡単ですわ。
「母親を隠すため……でございましょ?」
私の一言に、一同が物凄い表情になりました。
もう、ここまできて出し惜しみをしている場合ではありませんわ。
「アシェ、貴方ご存知のはずよね?貴方のご両親に起きた事件。ラファエロ家が絡んでいた、面倒な過去について。まぁ、この国の人間でしたら有名な話……とは言え、アシェリーは込み入った内情までご存じなのではなくて?」
とは言え、私も「伯母様」からアシェリーにはキチンと教えてある…と聞いていたから、このような質問が出来るのですが。
「フィオ、何故君が知って……って、母上か。まったく、何故君は母上とそこまで話が繋がっているんだ……息子の私より詳しいんじゃないか?」
まぁ、伯母姪ですし、同じ転生者仲間ですしね。
ゲーム内での情報もかなりあります……って言うか、私運営でしたから、個人的に知識だけは誰にも負けませんわ。
「あら、ヤキモチですの?まぁ、女には秘密が多いものですわ」
「秘密……ね………恐ろしいな」
あら、失礼な。
「ところで、アシェ?、一つお聞きしますが、この件、陛下はご存じですの?」
ついでに、この事案で、私が一番厄介に思って事を口にしてみました。
だって、あの腹黒陛下ですわよ?
「まぁ、四十八九……知らないわけがないな」
「デスワヨネー」
この「世界」の元となった乙女ゲームのチートアイテム、「笑う門には福来たる」のプレゼントイベント。
この現実世界では、小娘の大失敗で終了しました「アノ」イベントですわ。
私は、あの時アシェの力を借りて、小娘の溜まりに溜まった魔力を拡散し消滅させました。
おかげで、当分は問題ないはずですわ。
とは言え、当分……と言う、期限付き。
小娘のギフトを使う魔力が通常通りに戻ってしまうと、結局は被害者がまだ増えていくと言う事ですわね。
「………はぁ」
アシェリーから渡された「魔道具」をマジマジと見ながら、思わず深い溜息が出てしまいました。
「アシェ?、あの小ム……ゴホン、ラファエロさんは、何故神殿に報告が行っていませんの?貴族のギフトは全て神殿にて記録されるはずですが?」
神殿での六歳の祝福時、ギフトを賜った者は、その詳細を神殿が全て記録します。
ギフトによっては、所持者を神殿が管理する必要があるからです。
これは、我が国に限った事ではなく、世界共通認識。一般常識ですわ。
国や民に害があるギフトを、野放しなんてあり得ませんでしょ?
小娘の持つ「魅了せし者」なんて、管理ギフトの代表格のようなものですわ。
魅了系ギフトは、そこまで種類はありません。
王家の固有ギフト「統治者」をはじめ、好意を抱く者を操る「魅了せし者」、動物の声を聞く「真実を聞く者」、植物の声を聞く「大地を魅せし者」……これくらいです。
その中でも、力の強い弱いが分かれておりますの。
神殿預かりになるのは、中でも強い能力を持つ者達。
ですが、「魅了せし者」だけは、別格ですわ。
力が弱かろうが、強かろうが、この厄介な能力は、発覚と同時に神殿預かり決定です。
なのに。
「あの方、神殿で祝福を受けていないのかしら?」
まぁ、それしか結論はありませんわよね。
コロコロと、手の平の上で魔道具を転がしながら、アシェリーに視線を向けると、疲れた表情が返ってきました。
「それ以外、ないだろうな。全く……貴族は血筋故、必ずギフトを調べなくてはならないと言うのに。あの家は何を考えているんだか」
あら、そんなの簡単ですわ。
「母親を隠すため……でございましょ?」
私の一言に、一同が物凄い表情になりました。
もう、ここまできて出し惜しみをしている場合ではありませんわ。
「アシェ、貴方ご存知のはずよね?貴方のご両親に起きた事件。ラファエロ家が絡んでいた、面倒な過去について。まぁ、この国の人間でしたら有名な話……とは言え、アシェリーは込み入った内情までご存じなのではなくて?」
とは言え、私も「伯母様」からアシェリーにはキチンと教えてある…と聞いていたから、このような質問が出来るのですが。
「フィオ、何故君が知って……って、母上か。まったく、何故君は母上とそこまで話が繋がっているんだ……息子の私より詳しいんじゃないか?」
まぁ、伯母姪ですし、同じ転生者仲間ですしね。
ゲーム内での情報もかなりあります……って言うか、私運営でしたから、個人的に知識だけは誰にも負けませんわ。
「あら、ヤキモチですの?まぁ、女には秘密が多いものですわ」
「秘密……ね………恐ろしいな」
あら、失礼な。
「ところで、アシェ?、一つお聞きしますが、この件、陛下はご存じですの?」
ついでに、この事案で、私が一番厄介に思って事を口にしてみました。
だって、あの腹黒陛下ですわよ?
「まぁ、四十八九……知らないわけがないな」
「デスワヨネー」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
126
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる