24 / 42
24. 待機
イェゼロがツヴェーテ王に啖呵を切って以来、ソルダートは深淵の森の入口がいつ開いても大丈夫なように待機を続けていた。第六階層の屋敷の外で天幕を張り、望遠レンズをただひたすらに覗きこむ。
昼夜問わず、監視は行われている。さすがに一人で一日中監視は体力がもたず、交代制だ。友人のティオを救いたいという強い気持ちがあり、ソルダートにとっては長時間の監視は苦痛ではない。だが、他の兵士に限ってはそうではない。探索隊の他メンバーとはぐれた薬師見習いの自業自得だろう、との見方をする連中は事実多かった。監視するより訓練をしたほうが数百倍自分の為になる。それも事実。だが、同じ階層で働く者同士、少しの情くらいないのだろうかと悲しくなってしまう。
たかが見習い薬師一人のために監視に人員を裂くことに不満を持つ者は少なくないが、表立ってそれを口にする者はいなかった。何しろ、第六階層を統べるイェゼロも自ら監視要員として動いているからだ。なんなら、屋敷にいるよりも望遠レンズを覗いている時間の方が長い。
その日、ソルダートは食堂で昼食を取っていた。昼時の時間帯で利用する者で混雑していた。
「イェゼロ様は一体いつまでティオを待つつもりなんだ!?」
「全くだ!あの罪人がはぐれたせいでイェゼロ様の面目は丸潰れだと言うのに!」
これ見よがしに食堂で両手を広げる男は、ティオと同じく薬師見習いのドゥレンだ。すかさず彼の取り巻きが力強く同意する。
「俺は分かっていたのさ!奴の身に余る任務だと。腕力もない、あるのは植物の知識だけ。はっきり言って足手まといさ。奴と同行せざるを得なかった他のメンバーに同情するね、全く」
誰もが食事を続けている。誰一人として止めようとしないところを見ると、皆思うところは同じのようだ。
ただ一人、背中越しにドゥレンの話を聞いていたソルダートだけは違った。腹の底から怒りがこみ上げ、握りしめた銀製のスプーンがぐにゃりと針金のように簡単にひしゃげてしまっている。
「どうせ死んでるさ。死体でも出れば、イェゼロ様も諦めるだ——」
「取り消せッ!!」
ソルダートはテーブルを軽い身のこなしで乗り越え、ドゥレンに掴みかかった。彼を床に引きずり倒し、馬乗りになる。その勢いでテーブルは倒れ、食器や食べ物が床に散乱した。
「お、おいおい、落ち着きたまえよ…私的な暴力は許されてな」
「黙れッ!」
「ヒッ…」
ソルダートの剣幕に、ドゥレンは引き攣った顔を浮かべる。
「あんた、ドゥレンだよな?あんたがティオのことを嫌っているのは知ってる。だけど、同じ薬師見習いだろ?どうしてそんな残酷なことが言えるんだ!?」
「そ、そう熱くなるなよ…。俺だけじゃない。皆、内心思っているさ。調獣師と第七階層の兵士までもが恐怖する程の場所だぞ?穢れた罪人の奴が生き残れるわけないじゃないか」
「ティオをそんな風に呼ぶな!彼は確かに、生前罪を犯した。でも十分に罪をあがなった!彼はもう人間ではなく、地獄の住人の一員なんだ!地獄生まれの何がそんなに偉いんだッ!」
「…わ、わかったわかった。改めよう」
ソルダートに力いっぱい胸倉をつかまれ、ドゥレンの首が絞まる。額に汗を浮かべた彼は、青ざめながらも兵士見習いの腕を叩いた。
「…皆が不満に思うのはわかる。でも、自分がティオの立場だったらどうする?森に閉じ込められたのが、自分の大切な人だったら?家族だったら?簡単に諦め切れるのか?周りの人がどうせ死んでる、はやく死体が出ればいいのに、と言っていたらどんな気持ちがする?」
兵士見習いは手を離し、ゆらりと立ち上がる。ドゥレンを見下ろす顔は、嫌悪と侮蔑に満ちていた。
「イェゼロ様は弟子の帰りを信じてる。もちろん、俺も。毎日自ら監視に出てるイェゼロ様を見ていながら、どうしてそんな言葉が出てくるんだよ…。あんたの方が、よっぽど穢れてる…ッ!」
ソルダートは咆哮した。彼の悲痛な叫びが食堂に響き渡る。
兵士見習いは拳をぐっと握り締めた。悔しくてたまらない。こいつが森に閉じ込められていればよかったのに、とどす黒い感情が全身に広がる。
ソルダートはもう一度ドゥレンの胸倉を掴んだ。もう片方の手で拳を振りかぶる。それを見たドゥレンが短く悲鳴を上げながら、目を閉じた。
振りかぶった拳は、確かに当たった。だが、ドゥレンの顔にではない。ソルダートの怒りの拳は、先輩兵士の手のひらによって包み込まれていた。
「止めろ。屑を殴ろうと、処罰を受けるのはお前だ」
「く、屑だと…っ」
「友人の帰りを信じてお前もイェゼロ様と一緒に監視に出ているんだろう。手を出したら、それも出来なくなるぞ」
諭され、ソルダートは手を離した。ドゥレンの体はなすすべもなく落下し、床に頭を強く打ち付けた。痛みに呻く彼を、取り巻き達が担いで食堂を後にしていく。
「友人を失いそうになっているお前の気持ちは計り知れない。が、協力はできる。俺は今まで蚊帳の外だったが、監視要員として参加するよ」
騒ぎを遠巻きに見ていた人々が、次々に声をあげる。ここ最近で初めて優しい言葉をかけられ、ソルダートは泣きそうになった。鼻の奥がツンとする。
震える声で感謝の言葉を紡げば、励ますように肩を叩かれた。
夜。ソルダートは再び監視の任についていた。変化がないか、ただただレンズをのぞきこむのは簡単なことではなかった。行為自体は単純だが、精神的にくるものがある。特に夜は。
だだっ広い草原の中、騎獣二匹とイェゼロと自分。イェゼロと騎獣の寝息が聞こえる以外は、静寂が辺りを包む。時たま、風か魔獣の咆哮か判別のつかない音が轟く。夜になると気温はぐっと下がり、焚き火を起こしていても芯から冷える。濃い闇に包まれ、思考が蝕まれていくような孤独感に苛まれる。
「…変化なしか?」
突然話しかけられ、ソルダートの肩が大きくびくつく。振り返れば、イェゼロがのそりと体を起こしていた。あくびをしながら両腕を伸ばす彼に頷いてみせる。
「そうか…」
イェゼロはぽつりと呟いた。その声には落胆がにじんでいる。ソルダートも同じ気持ちだった。
ティオは生きている。そう変わらず信じている。だが、彼がいなくなってもう数ヶ月は経つ。来る日も来る日も閉じたままの森の入り口が、希望を少しずつ砕いていく。
「…ティオは、生きてますよね」
「当たり前だ。この俺が選んだ愛弟子だぞ」
イェゼロは間髪入れずにきっぱりと答えた。ソルダートの隣に腰かけた彼は真っ直ぐ森の入り口を見ている。その瞳は力強く、ティオは無事だと微塵の疑いも持っていない。
「ですよね。ティオは誰がなんと言おうと、強い男だ」
「ああ。あの馬鹿弟子、心配かけやがって…一発殴らなきゃ気が済まねえ」
ソルダートは微笑む。彼がいるからこそ、自分も折れずにいられる。
「そういや、昼間食堂で暴れたらしいな」
「…耳、早いですね」
のどをくつくつと鳴らして笑うイェゼロに、ソルダートは大きく息を吐きながら頭を抱えた。その頭を、イェゼロが優しく撫でる。
「屋敷全体に耳の良い植物を張り巡らせてんだよ。…ティオの為に怒ってくれてありがとうな。お前みたいな良い友人を持って、あいつは幸せ者だ」
照れくささを誤魔化そうと、短く刈り込んだ頭を掻く。すると、強い力で手首を握られた。何事かと視線を上げれば、望遠レンズを覗きこむイェゼロが口をぱくぱくと動かしていた。
「おい、開いてる!」
一瞬、ソルダートは彼の言葉の意味を理解できなかった。だが、遠くに向かって真っ直ぐに伸ばされた指の先に視線を移して、はっとする。
森の入口が開いていた。呆然とするソルダートをよそに、イェゼロは起きたばかりとは思えないほど俊敏に騎獣にまたがり、手綱を握った。
「お、応援を待たないんですか!?」
「ンな暇があるかっ!応援を待って、入口が閉じたらどうする!…ソルダート、お前は応援を呼びに行け!俺は先行して突入するッ」
そう言い残したイェゼロの姿はあっという間に小さくなっていく。ソルダートは逡巡したが、一瞬だった。自分も騎獣を走らせ、上官の後に続く。
待ちわびた瞬間がようやく訪れたのだ。自分だけおめおめと屋敷に戻ったら後悔すると、彼の本能が告げていた。
昼夜問わず、監視は行われている。さすがに一人で一日中監視は体力がもたず、交代制だ。友人のティオを救いたいという強い気持ちがあり、ソルダートにとっては長時間の監視は苦痛ではない。だが、他の兵士に限ってはそうではない。探索隊の他メンバーとはぐれた薬師見習いの自業自得だろう、との見方をする連中は事実多かった。監視するより訓練をしたほうが数百倍自分の為になる。それも事実。だが、同じ階層で働く者同士、少しの情くらいないのだろうかと悲しくなってしまう。
たかが見習い薬師一人のために監視に人員を裂くことに不満を持つ者は少なくないが、表立ってそれを口にする者はいなかった。何しろ、第六階層を統べるイェゼロも自ら監視要員として動いているからだ。なんなら、屋敷にいるよりも望遠レンズを覗いている時間の方が長い。
その日、ソルダートは食堂で昼食を取っていた。昼時の時間帯で利用する者で混雑していた。
「イェゼロ様は一体いつまでティオを待つつもりなんだ!?」
「全くだ!あの罪人がはぐれたせいでイェゼロ様の面目は丸潰れだと言うのに!」
これ見よがしに食堂で両手を広げる男は、ティオと同じく薬師見習いのドゥレンだ。すかさず彼の取り巻きが力強く同意する。
「俺は分かっていたのさ!奴の身に余る任務だと。腕力もない、あるのは植物の知識だけ。はっきり言って足手まといさ。奴と同行せざるを得なかった他のメンバーに同情するね、全く」
誰もが食事を続けている。誰一人として止めようとしないところを見ると、皆思うところは同じのようだ。
ただ一人、背中越しにドゥレンの話を聞いていたソルダートだけは違った。腹の底から怒りがこみ上げ、握りしめた銀製のスプーンがぐにゃりと針金のように簡単にひしゃげてしまっている。
「どうせ死んでるさ。死体でも出れば、イェゼロ様も諦めるだ——」
「取り消せッ!!」
ソルダートはテーブルを軽い身のこなしで乗り越え、ドゥレンに掴みかかった。彼を床に引きずり倒し、馬乗りになる。その勢いでテーブルは倒れ、食器や食べ物が床に散乱した。
「お、おいおい、落ち着きたまえよ…私的な暴力は許されてな」
「黙れッ!」
「ヒッ…」
ソルダートの剣幕に、ドゥレンは引き攣った顔を浮かべる。
「あんた、ドゥレンだよな?あんたがティオのことを嫌っているのは知ってる。だけど、同じ薬師見習いだろ?どうしてそんな残酷なことが言えるんだ!?」
「そ、そう熱くなるなよ…。俺だけじゃない。皆、内心思っているさ。調獣師と第七階層の兵士までもが恐怖する程の場所だぞ?穢れた罪人の奴が生き残れるわけないじゃないか」
「ティオをそんな風に呼ぶな!彼は確かに、生前罪を犯した。でも十分に罪をあがなった!彼はもう人間ではなく、地獄の住人の一員なんだ!地獄生まれの何がそんなに偉いんだッ!」
「…わ、わかったわかった。改めよう」
ソルダートに力いっぱい胸倉をつかまれ、ドゥレンの首が絞まる。額に汗を浮かべた彼は、青ざめながらも兵士見習いの腕を叩いた。
「…皆が不満に思うのはわかる。でも、自分がティオの立場だったらどうする?森に閉じ込められたのが、自分の大切な人だったら?家族だったら?簡単に諦め切れるのか?周りの人がどうせ死んでる、はやく死体が出ればいいのに、と言っていたらどんな気持ちがする?」
兵士見習いは手を離し、ゆらりと立ち上がる。ドゥレンを見下ろす顔は、嫌悪と侮蔑に満ちていた。
「イェゼロ様は弟子の帰りを信じてる。もちろん、俺も。毎日自ら監視に出てるイェゼロ様を見ていながら、どうしてそんな言葉が出てくるんだよ…。あんたの方が、よっぽど穢れてる…ッ!」
ソルダートは咆哮した。彼の悲痛な叫びが食堂に響き渡る。
兵士見習いは拳をぐっと握り締めた。悔しくてたまらない。こいつが森に閉じ込められていればよかったのに、とどす黒い感情が全身に広がる。
ソルダートはもう一度ドゥレンの胸倉を掴んだ。もう片方の手で拳を振りかぶる。それを見たドゥレンが短く悲鳴を上げながら、目を閉じた。
振りかぶった拳は、確かに当たった。だが、ドゥレンの顔にではない。ソルダートの怒りの拳は、先輩兵士の手のひらによって包み込まれていた。
「止めろ。屑を殴ろうと、処罰を受けるのはお前だ」
「く、屑だと…っ」
「友人の帰りを信じてお前もイェゼロ様と一緒に監視に出ているんだろう。手を出したら、それも出来なくなるぞ」
諭され、ソルダートは手を離した。ドゥレンの体はなすすべもなく落下し、床に頭を強く打ち付けた。痛みに呻く彼を、取り巻き達が担いで食堂を後にしていく。
「友人を失いそうになっているお前の気持ちは計り知れない。が、協力はできる。俺は今まで蚊帳の外だったが、監視要員として参加するよ」
騒ぎを遠巻きに見ていた人々が、次々に声をあげる。ここ最近で初めて優しい言葉をかけられ、ソルダートは泣きそうになった。鼻の奥がツンとする。
震える声で感謝の言葉を紡げば、励ますように肩を叩かれた。
夜。ソルダートは再び監視の任についていた。変化がないか、ただただレンズをのぞきこむのは簡単なことではなかった。行為自体は単純だが、精神的にくるものがある。特に夜は。
だだっ広い草原の中、騎獣二匹とイェゼロと自分。イェゼロと騎獣の寝息が聞こえる以外は、静寂が辺りを包む。時たま、風か魔獣の咆哮か判別のつかない音が轟く。夜になると気温はぐっと下がり、焚き火を起こしていても芯から冷える。濃い闇に包まれ、思考が蝕まれていくような孤独感に苛まれる。
「…変化なしか?」
突然話しかけられ、ソルダートの肩が大きくびくつく。振り返れば、イェゼロがのそりと体を起こしていた。あくびをしながら両腕を伸ばす彼に頷いてみせる。
「そうか…」
イェゼロはぽつりと呟いた。その声には落胆がにじんでいる。ソルダートも同じ気持ちだった。
ティオは生きている。そう変わらず信じている。だが、彼がいなくなってもう数ヶ月は経つ。来る日も来る日も閉じたままの森の入り口が、希望を少しずつ砕いていく。
「…ティオは、生きてますよね」
「当たり前だ。この俺が選んだ愛弟子だぞ」
イェゼロは間髪入れずにきっぱりと答えた。ソルダートの隣に腰かけた彼は真っ直ぐ森の入り口を見ている。その瞳は力強く、ティオは無事だと微塵の疑いも持っていない。
「ですよね。ティオは誰がなんと言おうと、強い男だ」
「ああ。あの馬鹿弟子、心配かけやがって…一発殴らなきゃ気が済まねえ」
ソルダートは微笑む。彼がいるからこそ、自分も折れずにいられる。
「そういや、昼間食堂で暴れたらしいな」
「…耳、早いですね」
のどをくつくつと鳴らして笑うイェゼロに、ソルダートは大きく息を吐きながら頭を抱えた。その頭を、イェゼロが優しく撫でる。
「屋敷全体に耳の良い植物を張り巡らせてんだよ。…ティオの為に怒ってくれてありがとうな。お前みたいな良い友人を持って、あいつは幸せ者だ」
照れくささを誤魔化そうと、短く刈り込んだ頭を掻く。すると、強い力で手首を握られた。何事かと視線を上げれば、望遠レンズを覗きこむイェゼロが口をぱくぱくと動かしていた。
「おい、開いてる!」
一瞬、ソルダートは彼の言葉の意味を理解できなかった。だが、遠くに向かって真っ直ぐに伸ばされた指の先に視線を移して、はっとする。
森の入口が開いていた。呆然とするソルダートをよそに、イェゼロは起きたばかりとは思えないほど俊敏に騎獣にまたがり、手綱を握った。
「お、応援を待たないんですか!?」
「ンな暇があるかっ!応援を待って、入口が閉じたらどうする!…ソルダート、お前は応援を呼びに行け!俺は先行して突入するッ」
そう言い残したイェゼロの姿はあっという間に小さくなっていく。ソルダートは逡巡したが、一瞬だった。自分も騎獣を走らせ、上官の後に続く。
待ちわびた瞬間がようやく訪れたのだ。自分だけおめおめと屋敷に戻ったら後悔すると、彼の本能が告げていた。
あなたにおすすめの小説
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。
めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。
その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。
⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる
⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない
※全四話、予約投稿済み。
本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。
※後日談を3/25に投稿予定←しました。Rを書くかはまだ悩み中
生まれ変わったら知ってるモブだった
マロン
BL
僕はとある田舎に小さな領地を持つ貧乏男爵の3男として生まれた。
貧乏だけど一応貴族で本来なら王都の学園へ進学するんだけど、とある理由で進学していない。
毎日領民のお仕事のお手伝いをして平民の困り事を聞いて回るのが僕のしごとだ。
この日も牧場のお手伝いに向かっていたんだ。
その時そばに立っていた大きな樹に雷が落ちた。ビックリして転んで頭を打った。
その瞬間に思い出したんだ。
僕の前世のことを・・・この世界は僕の奥さんが描いてたBL漫画の世界でモーブル・テスカはその中に出てきたモブだったということを。
路頭に迷う超絶美形を拾ったら無自覚な懐かれ方が凄すぎて義賊の頭領の心臓が持ちません! ~初恋の難易度がカンストしてる件について~
たら昆布
BL
義賊のツンデレ頭領が気まぐれで生き倒れた美青年を拾う話