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どうやら歓迎されていないようです
紘一という先輩
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眉をひそめる凪先輩とわたしの視線を、紘一先輩は臆することもなく受けとめ、悠然と微笑んだ。
「たぶん凪先輩は桂ちゃんに対して、最初にくるであろう実技試験の対策をしていたんでしょ? だからオレも協力したんですってば」
「え? 最初? 試験って、この一週間のあいだに一回だけ受けるんじゃないんですか?」
思わず声をあげる。
困ったような凪先輩の表情を見ながら、紘一先輩は笑顔のままでわたしに告げた。
「残念ながら、桂ちゃん。適性をみるための試験は何回かあるんだ。試験の内容を教えられないけれど、練習とかあれば、オレでも付き合ってあげることはできるよ」
そうだ。
紘一先輩も留城也先輩も去年、試験をクリアしてメンバーになっているんだ。
さっきのことも、全部わたしのためを思ってしてくれているのなら、ここはお願いするべきところだろう。
留城也先輩と違って、紘一先輩はわたしの試験に対して好意的に思ってくれている気がする。
「よろしくお願いします」
そう言って頭をさげると、紘一先輩は、挑むような目で凪先輩を見た。
凪先輩は、仕方がないというように、黙ったままうなずく。
「やったね! それじゃあ、オレは先に留城也のところへ行くよ。彼にも協力するように言っておかなきゃならないもんな」
満足そうに叫んだ紘一先輩は、楽しそうに図書室から駆けだしていく。
「――きみから見て、紘一はどんな人物に映っている?」
そのまま図書室へ残っていても仕方がないため、戸締りをした凪先輩とともに生徒会室へと向かう。
その途中で、凪先輩は前を見据えながら、ささやくように訊いてきた。
「――そうですね。人の心が読める能力だなんて、びっくりです」
正直に、まず最初に思ったことを口にする。
「それから、やることは突拍子もなかったですけど、親切そうで、性格も良さそうですよね。あと女の子に甘い感じがします。話し合いの余地もない留城也先輩よりも、うまくやっていけそうな気がしますけど?」
凪先輩がわたしの言葉をとめる様子もなく黙ったままなので、続けて思いついたことを言葉に出す。
すると、凪先輩が大きくため息をついた。
「紘一は、こちらが思ったことを読める。だから、あまりきみには最初から、彼の情報を教えないほうがいいかもしれない。良い印象も悪い印象も」
「たぶん凪先輩は桂ちゃんに対して、最初にくるであろう実技試験の対策をしていたんでしょ? だからオレも協力したんですってば」
「え? 最初? 試験って、この一週間のあいだに一回だけ受けるんじゃないんですか?」
思わず声をあげる。
困ったような凪先輩の表情を見ながら、紘一先輩は笑顔のままでわたしに告げた。
「残念ながら、桂ちゃん。適性をみるための試験は何回かあるんだ。試験の内容を教えられないけれど、練習とかあれば、オレでも付き合ってあげることはできるよ」
そうだ。
紘一先輩も留城也先輩も去年、試験をクリアしてメンバーになっているんだ。
さっきのことも、全部わたしのためを思ってしてくれているのなら、ここはお願いするべきところだろう。
留城也先輩と違って、紘一先輩はわたしの試験に対して好意的に思ってくれている気がする。
「よろしくお願いします」
そう言って頭をさげると、紘一先輩は、挑むような目で凪先輩を見た。
凪先輩は、仕方がないというように、黙ったままうなずく。
「やったね! それじゃあ、オレは先に留城也のところへ行くよ。彼にも協力するように言っておかなきゃならないもんな」
満足そうに叫んだ紘一先輩は、楽しそうに図書室から駆けだしていく。
「――きみから見て、紘一はどんな人物に映っている?」
そのまま図書室へ残っていても仕方がないため、戸締りをした凪先輩とともに生徒会室へと向かう。
その途中で、凪先輩は前を見据えながら、ささやくように訊いてきた。
「――そうですね。人の心が読める能力だなんて、びっくりです」
正直に、まず最初に思ったことを口にする。
「それから、やることは突拍子もなかったですけど、親切そうで、性格も良さそうですよね。あと女の子に甘い感じがします。話し合いの余地もない留城也先輩よりも、うまくやっていけそうな気がしますけど?」
凪先輩がわたしの言葉をとめる様子もなく黙ったままなので、続けて思いついたことを言葉に出す。
すると、凪先輩が大きくため息をついた。
「紘一は、こちらが思ったことを読める。だから、あまりきみには最初から、彼の情報を教えないほうがいいかもしれない。良い印象も悪い印象も」
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