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ミント嬢による爆発事件の後、審査員たちは混乱を収拾し、大会は仕切り直された。
予選のテーマが発表される。
「テーマは、『旅路の果てに求める、究極のシンプル料理』とします!」
このテーマは、まさに放浪の旅を続けたグランシェフに有利なものだった。
「究極のシンプルさか。それは、誤魔化しが効かないということだ」
グランシェフは、真剣な目つきで調理台に立った。
サンドイッチは、観客席の隅に座り、まるで我が事のように彼の調理を見守っている。
「貴方の人生を、その一皿に凝縮してちょうだい。そして、私に捧げる最高の愛を、料理で表現するのよ」
「ああ。俺の全てを賭ける」
グランシェフは、力強く頷いた。
彼は、予選のテーマを聞いた瞬間、すでに作る料理を決めていた。
それは、彼女の名前を冠した、**究極のサンドイッチ**である。
調理が始まった。
グランシェフは、パンから作り始めた。
その場で配合した生地に、砂漠の国で得た知識を活かし、少量のドライフルーツの天然酵母を混ぜ込む。
「パンは、サンドイッチを支える土台だ。最高のパンは、舌の上で溶けるように軽く、しかし具材の旨味を全て受け止める強さが必要だ」
生地は精密に計量され、オーブンの温度は秒単位で管理された。
焼き上がったパンは、外側は黄金色に薄くパリッとし、中はシルクのように繊細だ。
続いて具材の準備。
彼は、港で獲れた幻のヒラメの肝を低温調理したものと、フルーツ王国で得たマンゴーを、薄くスライスした。
「ヒラメの肝は、サンドイッチの持つ高貴さ。マンゴーは、旅で得た甘い喜び」
そして、サンドイッチの複雑な舌を満足させるためのソース。
彼は、禁断のスパイスを極少量、バターとヨーグルト、そしてハーブと混ぜ合わせ、乳化させた。
「これが、俺の誓いの味だ」
グランシェフは、丁寧に焼き上げたパンに、ソースを塗っていく。
その上に、マンゴーとヒラメの肝、そして、隠し味にタロイモ畑で発見した、生き残りの小さな根菜を蒸したものを並べた。
「生命力と、洗練、そして禁断の刺激。これこそが、サンドイッチの求める味覚の全てだ」
最後に、彼はパンを閉じ、丁寧に三等分にカットした。
グランシェフが作り上げたのは、シンプルながらも、その中に宇宙のような複雑な調和を宿した、極上のサンドイッチだった。
審査員たちが、彼の料理を一目見て、息を呑んだ。
「な、なんという美しさだ……! これほど完璧な構造のサンドイッチを、かつて見たことがない!」
「パンの焼き色、具材の層……芸術品だ!」
審査員たちは、グランシェフのサンドイッチを、畏敬の念をもって見つめた。
しかし、グランシェフは審査員を無視し、自ら審査員席の隅へ歩み寄った。
そこには、紫色の生地のシミをまだ少し残したまま、密かに潜んでいるカイル王子がいた。
そして、そのカイル王子の後ろに、一人の審査員のように座っている、サンドイッチの姿があった。
「サンドイッチ」
グランシェフは、そのサンドイッチを、審査員ではなく、ただ一人の美食家として扱った。
「俺の渾身の一皿だ。まず、君に、この毒見を頼む」
「ええ、待っていたわ」
サンドイッチは、グランシェフの真剣な眼差しを受け止め、サンドイッチの**一片**を手に取った。
それを、ゆっくりと口へ運ぶ。
会場の静寂が、彼女の咀嚼音を吸い込んでいく。
カイル王子は、サンドイッチの反応を、恐怖と期待が入り混じった表情で見つめていた。
もし、このサンドイッチが、ミントの爆発パンよりも美味しかったら……。
サンドイッチは、ゆっくりと目を開けた。
彼女の顔に、いつもの高慢な笑みはない。
あるのは、純粋な感動、そして、涙だった。
ツー、と彼女の瞳から、大粒の涙が頬を伝った。
「…………これよ」
サンドイッチは、絞り出すような声で言った。
「この味よ、グランシェフ……私が求めていたのは……」
彼女は、サンドイッチを咀嚼しながら、嗚咽した。
「パンの、この絶妙な食感! 口の中で溶けるのに、ヒラメの肝とマンゴーの異なる食感を受け止めている! そして、このソース……!」
「禁断のスパイスを使った。君の舌が、その力を認めてくれたか?」
「力だけじゃないわ! このソースは、私よ!」
サンドイッチは、グランシェフの調理着を掴んだ。
「私の、複雑で、わがままで、飽くなき食欲。そのすべてが、このソースの中に調和している! 甘さ、辛さ、酸味、そして……貴方の愛情!」
彼女は、もう一口サンドイッチを平らげた。
「完璧だわ、グランシェフ。満点よ。貴方は、私の舌の究極を、表現してくれた!」
観客席と審査員席は、騒然となった。
審査を待つまでもなく、一人の美食家の涙と絶賛が、この料理の勝利を決定づけたのだ。
審査員の一人が、恐る恐る残りのサンドイッチに手を伸ばした。
そして、口にした瞬間、彼もまた、涙を流した。
「ま、まさか……! これは、料理ではない! **哲学**だ!」
「このサンドイッチ一つで、人生の全てが表現されている!」
審査員たちが、次々とサンドイッチを口にし、その場で崩れ落ちていく。
その様子を、カイル王子は砂を吐くような顔で見ていた。
(嘘だ……! 私が捨てた女が、世界最高の料理に涙しているだと……!?)
カイル王子は、敗北を悟った。
自分の選択した道には、ミントの毒々しいパンしかない。
一方、サンドイッチが選んだ道には、世界を感動させる究極の美食があった。
グランシェフは、サンドイッチの涙を見て、心の中で確信した。
「これで、契約は成立だな、サンドイッチ」
「ええ、もちろんよ!」
サンドイッチは、再び彼の腕を掴み、その勝利を祝福した。
「貴方は、私の専属料理人として、一生、最高の料理を作り続けなさい!」
こうして、美食の戦いは、グランシェフの圧倒的な勝利に終わった。
しかし、この勝利は、彼らが「黒い皿の会」の首領と対決する、最終決戦の幕開けに過ぎなかった。
予選のテーマが発表される。
「テーマは、『旅路の果てに求める、究極のシンプル料理』とします!」
このテーマは、まさに放浪の旅を続けたグランシェフに有利なものだった。
「究極のシンプルさか。それは、誤魔化しが効かないということだ」
グランシェフは、真剣な目つきで調理台に立った。
サンドイッチは、観客席の隅に座り、まるで我が事のように彼の調理を見守っている。
「貴方の人生を、その一皿に凝縮してちょうだい。そして、私に捧げる最高の愛を、料理で表現するのよ」
「ああ。俺の全てを賭ける」
グランシェフは、力強く頷いた。
彼は、予選のテーマを聞いた瞬間、すでに作る料理を決めていた。
それは、彼女の名前を冠した、**究極のサンドイッチ**である。
調理が始まった。
グランシェフは、パンから作り始めた。
その場で配合した生地に、砂漠の国で得た知識を活かし、少量のドライフルーツの天然酵母を混ぜ込む。
「パンは、サンドイッチを支える土台だ。最高のパンは、舌の上で溶けるように軽く、しかし具材の旨味を全て受け止める強さが必要だ」
生地は精密に計量され、オーブンの温度は秒単位で管理された。
焼き上がったパンは、外側は黄金色に薄くパリッとし、中はシルクのように繊細だ。
続いて具材の準備。
彼は、港で獲れた幻のヒラメの肝を低温調理したものと、フルーツ王国で得たマンゴーを、薄くスライスした。
「ヒラメの肝は、サンドイッチの持つ高貴さ。マンゴーは、旅で得た甘い喜び」
そして、サンドイッチの複雑な舌を満足させるためのソース。
彼は、禁断のスパイスを極少量、バターとヨーグルト、そしてハーブと混ぜ合わせ、乳化させた。
「これが、俺の誓いの味だ」
グランシェフは、丁寧に焼き上げたパンに、ソースを塗っていく。
その上に、マンゴーとヒラメの肝、そして、隠し味にタロイモ畑で発見した、生き残りの小さな根菜を蒸したものを並べた。
「生命力と、洗練、そして禁断の刺激。これこそが、サンドイッチの求める味覚の全てだ」
最後に、彼はパンを閉じ、丁寧に三等分にカットした。
グランシェフが作り上げたのは、シンプルながらも、その中に宇宙のような複雑な調和を宿した、極上のサンドイッチだった。
審査員たちが、彼の料理を一目見て、息を呑んだ。
「な、なんという美しさだ……! これほど完璧な構造のサンドイッチを、かつて見たことがない!」
「パンの焼き色、具材の層……芸術品だ!」
審査員たちは、グランシェフのサンドイッチを、畏敬の念をもって見つめた。
しかし、グランシェフは審査員を無視し、自ら審査員席の隅へ歩み寄った。
そこには、紫色の生地のシミをまだ少し残したまま、密かに潜んでいるカイル王子がいた。
そして、そのカイル王子の後ろに、一人の審査員のように座っている、サンドイッチの姿があった。
「サンドイッチ」
グランシェフは、そのサンドイッチを、審査員ではなく、ただ一人の美食家として扱った。
「俺の渾身の一皿だ。まず、君に、この毒見を頼む」
「ええ、待っていたわ」
サンドイッチは、グランシェフの真剣な眼差しを受け止め、サンドイッチの**一片**を手に取った。
それを、ゆっくりと口へ運ぶ。
会場の静寂が、彼女の咀嚼音を吸い込んでいく。
カイル王子は、サンドイッチの反応を、恐怖と期待が入り混じった表情で見つめていた。
もし、このサンドイッチが、ミントの爆発パンよりも美味しかったら……。
サンドイッチは、ゆっくりと目を開けた。
彼女の顔に、いつもの高慢な笑みはない。
あるのは、純粋な感動、そして、涙だった。
ツー、と彼女の瞳から、大粒の涙が頬を伝った。
「…………これよ」
サンドイッチは、絞り出すような声で言った。
「この味よ、グランシェフ……私が求めていたのは……」
彼女は、サンドイッチを咀嚼しながら、嗚咽した。
「パンの、この絶妙な食感! 口の中で溶けるのに、ヒラメの肝とマンゴーの異なる食感を受け止めている! そして、このソース……!」
「禁断のスパイスを使った。君の舌が、その力を認めてくれたか?」
「力だけじゃないわ! このソースは、私よ!」
サンドイッチは、グランシェフの調理着を掴んだ。
「私の、複雑で、わがままで、飽くなき食欲。そのすべてが、このソースの中に調和している! 甘さ、辛さ、酸味、そして……貴方の愛情!」
彼女は、もう一口サンドイッチを平らげた。
「完璧だわ、グランシェフ。満点よ。貴方は、私の舌の究極を、表現してくれた!」
観客席と審査員席は、騒然となった。
審査を待つまでもなく、一人の美食家の涙と絶賛が、この料理の勝利を決定づけたのだ。
審査員の一人が、恐る恐る残りのサンドイッチに手を伸ばした。
そして、口にした瞬間、彼もまた、涙を流した。
「ま、まさか……! これは、料理ではない! **哲学**だ!」
「このサンドイッチ一つで、人生の全てが表現されている!」
審査員たちが、次々とサンドイッチを口にし、その場で崩れ落ちていく。
その様子を、カイル王子は砂を吐くような顔で見ていた。
(嘘だ……! 私が捨てた女が、世界最高の料理に涙しているだと……!?)
カイル王子は、敗北を悟った。
自分の選択した道には、ミントの毒々しいパンしかない。
一方、サンドイッチが選んだ道には、世界を感動させる究極の美食があった。
グランシェフは、サンドイッチの涙を見て、心の中で確信した。
「これで、契約は成立だな、サンドイッチ」
「ええ、もちろんよ!」
サンドイッチは、再び彼の腕を掴み、その勝利を祝福した。
「貴方は、私の専属料理人として、一生、最高の料理を作り続けなさい!」
こうして、美食の戦いは、グランシェフの圧倒的な勝利に終わった。
しかし、この勝利は、彼らが「黒い皿の会」の首領と対決する、最終決戦の幕開けに過ぎなかった。
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