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「では、契約条件の確認です」
廃屋敷の薄暗い応接間で、ポタージュは真剣な眼差しでシルヴィスを見据えた。
テーブル代わりの木箱を挟み、二人はまるで国家間の平和条約を結ぶかのような緊張感を漂わせている。
「第一条。貴方様は私の『試食係』となり、提供されたスープは一滴残らず完食すること」
「異存はない。むしろ皿まで舐めたいくらいだ」
シルヴィスは即答した。
先ほどのスープで完全に胃袋を掴まれた彼は、もはやポタージュの信者と言っても過言ではない。
「第二条。食後には必ず『具体的な』感想を述べること。『美味い』だけでは不十分です。どの素材の味が立ったか、塩加減はどうか、粘度は適切か。今後の改善データとして提出していただきます」
「……善処しよう。語彙力を総動員する」
「第三条。これが最も重要です。食材費、光熱費、および屋敷の維持管理費は全てグラッセ公爵家の負担とすること。特に食材に関しては、私の指定したものを、どんなに希少でも入手すること」
ポタージュが提示した条件は、一般的に見ればかなり図々しい。
住む場所と食事を提供してもらう側が、逆に金を出せと言っているのだから。
しかし、シルヴィスは涼しい顔で頷いた。
「安いものだ。私の命と健康を買えるなら、国家予算並みの金額でも惜しくはない」
「太っ腹ですね。では、交渉成立です」
ポタージュはニッコリと笑い、シルヴィスに向かって右手を差し出した。
シルヴィスはその手を取り、恭しく口付ける……かと思いきや、ガッチリと握手をした。
色気よりも食い気が勝る二人らしい契約成立だった。
「さて。契約も済んだことですし、夜も遅いです。閣下はお帰りになりますか? それとも、客室(掃除済み)を使われますか?」
「帰るつもりだったが……気が変わった。今ここで帰れば、明日の朝食にありつけない可能性がある」
シルヴィスは真顔で言った。
彼は一度知ってしまった至福の味から離れるのが怖いのだ。
「それに、この屋敷の警備状況も不安だ。君一人を置いていくわけにはいかない」
「あら、熊が出てもお玉一つで撃退する自信はありますけれど」
「熊よりも、君の作る匂いに釣られた人間の方が危険だ。……私のように」
シルヴィスは自虐的に笑うと、そのまま客室へと消えていった。
ポタージュはその後ろ姿を見送りながら、「意外と寂しがり屋なのかしら」と首を傾げた。
◇
翌朝。
ポタージュは夜明けと共に起床した。
新しい厨房での初めての朝だ。
ワクワクして二度寝などしていられない。
「さて、最初のお客様への朝食(モーニング)メニューは何にしようかしら」
彼女は厨房に立ち、腕まくりをした。
昨日の残りのチャウダーもあるが、朝一番の空っぽの胃には、もっと優しく、かつエネルギーになるものが良い。
シルヴィスの体はまだ回復途上だ。消化が良く、体を芯から温める一品。
「決まりね」
ポタージュはトランクから大量のタマネギを取り出した。
メニューは『朝露のオニオングラタンスープ』。
シンプルだが、それゆえに料理人の腕が試されるスープの王道である。
調理は、ひたすらタマネギを刻むことから始まる。
繊維を断つように薄くスライスし、山盛りのタマネギをバターを熱した鍋へ投入する。
「ここからが勝負よ」
弱火でじっくりと炒める。
焦がせば苦味が出るし、炒めが足りなければ甘みが出ない。
木べらを絶えず動かし、タマネギの水分を飛ばしながら、黄金色(あめいろ)になるまで根気強く炒め続ける。
三十分、一時間。
タマネギのカサが十分の一ほどになり、ねっとりとしたペースト状になるまで。
「よし、いい色」
そこへ、昨日仕込んでおいた鶏ガラのブイヨンを注ぐ。
ジュワッという音と共に、芳ばしい香りが立ち上る。
ローリエを一枚浮かべ、コトコトと煮込むこと二十分。
最後に塩と黒胡椒で味を調える。
だが、これで終わりではない。
ここからが「グラタン」たる所以だ。
耐熱容器にスープを注ぎ、その上に薄く切ってカリカリに焼いたバゲットを浮かべる。
そして、すりおろしたグリュイエールチーズをたっぷりと、山のように乗せる。
「あとはオーブンにお任せ」
石窯の余熱を利用したオーブンに皿を滑り込ませる。
数分後。
チーズが溶けて焦げる、あのたまらない香りが厨房に漂い始めた。
「……良い匂いだ」
背後から声がした。
振り向くと、シャツ一枚のシルヴィスが入り口に立っていた。
髪は寝癖で少し跳ねているが、顔色は昨日より明らかに良い。
「おはようございます、閣下。鼻が利きますね」
「この香りで目覚めない方が無理だ。夢の中で天使に呼ばれたかと思った」
「天使ではなくタマネギです。さあ、焼き上がりましたよ」
ポタージュはオーブンから皿を取り出した。
グツグツと音を立てるスープ。
表面のチーズは狐色に焦げ目をつけ、とろりと溶けてバゲットに絡みついている。
ダイニングへ運び、テーブルに置く。
「熱いので気をつけてくださいね。中のスープは溶岩並みですから」
「忠告感謝する」
シルヴィスは椅子に座り、スプーンを入れた。
サクッ、というバゲットの音。
持ち上げると、チーズが糸を引き、その下から琥珀色のスープが顔を出す。
彼はふぅふぅと息を吹きかけ、慎重に口へ運んだ。
ハフッ、ハフッ。
「……ッ」
シルヴィスが天を仰いだ。
「甘い……!」
砂糖の甘さではない。
タマネギが持つ、大地の甘みだ。
凝縮された旨味が、溶けたチーズの塩気と混ざり合い、バゲットに染み込んでいる。
噛めばジュワッと溢れ出すスープ。
「昨日のチャウダーが濃厚な森の恵みなら、これは……太陽の恵みだ。炒めたタマネギの香ばしさが、鼻から抜けていく」
「合格点のようですね」
「合格どころではない。ポタージュ嬢、君は魔法使いか? ただのタマネギが、なぜこれほど深い味わいになる?」
「手間(あめいろ)と時間(あいじょう)ですわ。タマネギは正直ですから、手をかければかけるほど甘くなるんです。人間関係よりよほど単純で信頼できます」
ポタージュも向かいに座り、自分の分を食べ始めた。
熱々のスープが食道を通り、胃に落ちる感覚。
体温が一度上がった気がする。
「美味い……本当に美味い……」
シルヴィスは夢中でスプーンを動かしながら、ふと真顔になって言った。
「決めた。この屋敷を要塞化しよう」
「はい?」
スープを吹き出しそうになったポタージュが聞き返す。
「君とこのスープを守るためには、今のセキュリティでは不十分だ。カレル殿下や他の貴族に嗅ぎつけられたら面倒なことになる。私の私兵を配備し、結界を張り、厨房設備を最新鋭のものに入れ替える」
「厨房設備、という言葉には惹かれますが……要塞化って、ここはスープ屋ですよ?」
「国益(私の胃袋)を守るための重要拠点だ。今日中に手配する」
シルヴィスは食べ終わるや否や、懐から通信用の魔道具を取り出した。
そして、どこかへ早口で指示を出し始めた。
「あー、もしもし。私だ。至急、北の離宮へ建築班と資材運搬部隊を寄越せ。あと、最高級の冷蔵魔導具と、新鮮な魚介類を一トンほど持ってこい。……ああ、緊急事態だ。『私の命に関わる』と言えば分かる」
(一トン……?)
ポタージュは呆然とした。
この男、仕事が早いどころの話ではない。
権力の私物化が凄まじい。
「これでよし。昼過ぎには到着するだろう」
通信を終えたシルヴィスは、満足げに空になった皿を見つめた。
「ポタージュ嬢。私は一度王城へ戻り、仕事を片付けてくる。夕食までには必ず戻る」
「あ、はい。いってらっしゃいませ」
「夕食のメニューは?」
「……市場の入荷状況次第ですが、魚介が届くなら『ブイヤベース』にしようかと」
「ブイヤベース……!」
シルヴィスの目が輝いた。
彼は立ち上がり、ポタージュの手を(今度こそ紳士的に)握りしめた。
「楽しみにしている。死ぬ気で仕事を終わらせてくる」
そう言い残し、氷の宰相は風のように去っていった。
その背中は、昨日行き倒れていた時とは別人のように活力に満ち溢れていた。
残されたポタージュは、空になった二つの皿を見て呟いた。
「……私、とんでもないものを拾ってしまったのかもしれないわ」
しかし、すぐに思考を切り替える。
「まあいいわ。一トンの魚介類! ああ、なんて素敵な響き! カニ、エビ、貝……これで出汁を取り放題じゃない!」
ポタージュは踊るような足取りで皿を洗い始めた。
彼女にとって、公爵の愛(執着)よりも、これから届く食材の方が遥かに重要だったのだ。
その数時間後。
王都の市民たちは、公爵家の紋章が入った馬車の大部隊が、北の森へ向かって爆走していくのを目撃することになる。
「戦争でも始まるのか?」と噂されたが、まさかそれが「一人の令嬢のスープ作りを支援するため」だとは、誰も夢にも思わなかった。
廃屋敷の薄暗い応接間で、ポタージュは真剣な眼差しでシルヴィスを見据えた。
テーブル代わりの木箱を挟み、二人はまるで国家間の平和条約を結ぶかのような緊張感を漂わせている。
「第一条。貴方様は私の『試食係』となり、提供されたスープは一滴残らず完食すること」
「異存はない。むしろ皿まで舐めたいくらいだ」
シルヴィスは即答した。
先ほどのスープで完全に胃袋を掴まれた彼は、もはやポタージュの信者と言っても過言ではない。
「第二条。食後には必ず『具体的な』感想を述べること。『美味い』だけでは不十分です。どの素材の味が立ったか、塩加減はどうか、粘度は適切か。今後の改善データとして提出していただきます」
「……善処しよう。語彙力を総動員する」
「第三条。これが最も重要です。食材費、光熱費、および屋敷の維持管理費は全てグラッセ公爵家の負担とすること。特に食材に関しては、私の指定したものを、どんなに希少でも入手すること」
ポタージュが提示した条件は、一般的に見ればかなり図々しい。
住む場所と食事を提供してもらう側が、逆に金を出せと言っているのだから。
しかし、シルヴィスは涼しい顔で頷いた。
「安いものだ。私の命と健康を買えるなら、国家予算並みの金額でも惜しくはない」
「太っ腹ですね。では、交渉成立です」
ポタージュはニッコリと笑い、シルヴィスに向かって右手を差し出した。
シルヴィスはその手を取り、恭しく口付ける……かと思いきや、ガッチリと握手をした。
色気よりも食い気が勝る二人らしい契約成立だった。
「さて。契約も済んだことですし、夜も遅いです。閣下はお帰りになりますか? それとも、客室(掃除済み)を使われますか?」
「帰るつもりだったが……気が変わった。今ここで帰れば、明日の朝食にありつけない可能性がある」
シルヴィスは真顔で言った。
彼は一度知ってしまった至福の味から離れるのが怖いのだ。
「それに、この屋敷の警備状況も不安だ。君一人を置いていくわけにはいかない」
「あら、熊が出てもお玉一つで撃退する自信はありますけれど」
「熊よりも、君の作る匂いに釣られた人間の方が危険だ。……私のように」
シルヴィスは自虐的に笑うと、そのまま客室へと消えていった。
ポタージュはその後ろ姿を見送りながら、「意外と寂しがり屋なのかしら」と首を傾げた。
◇
翌朝。
ポタージュは夜明けと共に起床した。
新しい厨房での初めての朝だ。
ワクワクして二度寝などしていられない。
「さて、最初のお客様への朝食(モーニング)メニューは何にしようかしら」
彼女は厨房に立ち、腕まくりをした。
昨日の残りのチャウダーもあるが、朝一番の空っぽの胃には、もっと優しく、かつエネルギーになるものが良い。
シルヴィスの体はまだ回復途上だ。消化が良く、体を芯から温める一品。
「決まりね」
ポタージュはトランクから大量のタマネギを取り出した。
メニューは『朝露のオニオングラタンスープ』。
シンプルだが、それゆえに料理人の腕が試されるスープの王道である。
調理は、ひたすらタマネギを刻むことから始まる。
繊維を断つように薄くスライスし、山盛りのタマネギをバターを熱した鍋へ投入する。
「ここからが勝負よ」
弱火でじっくりと炒める。
焦がせば苦味が出るし、炒めが足りなければ甘みが出ない。
木べらを絶えず動かし、タマネギの水分を飛ばしながら、黄金色(あめいろ)になるまで根気強く炒め続ける。
三十分、一時間。
タマネギのカサが十分の一ほどになり、ねっとりとしたペースト状になるまで。
「よし、いい色」
そこへ、昨日仕込んでおいた鶏ガラのブイヨンを注ぐ。
ジュワッという音と共に、芳ばしい香りが立ち上る。
ローリエを一枚浮かべ、コトコトと煮込むこと二十分。
最後に塩と黒胡椒で味を調える。
だが、これで終わりではない。
ここからが「グラタン」たる所以だ。
耐熱容器にスープを注ぎ、その上に薄く切ってカリカリに焼いたバゲットを浮かべる。
そして、すりおろしたグリュイエールチーズをたっぷりと、山のように乗せる。
「あとはオーブンにお任せ」
石窯の余熱を利用したオーブンに皿を滑り込ませる。
数分後。
チーズが溶けて焦げる、あのたまらない香りが厨房に漂い始めた。
「……良い匂いだ」
背後から声がした。
振り向くと、シャツ一枚のシルヴィスが入り口に立っていた。
髪は寝癖で少し跳ねているが、顔色は昨日より明らかに良い。
「おはようございます、閣下。鼻が利きますね」
「この香りで目覚めない方が無理だ。夢の中で天使に呼ばれたかと思った」
「天使ではなくタマネギです。さあ、焼き上がりましたよ」
ポタージュはオーブンから皿を取り出した。
グツグツと音を立てるスープ。
表面のチーズは狐色に焦げ目をつけ、とろりと溶けてバゲットに絡みついている。
ダイニングへ運び、テーブルに置く。
「熱いので気をつけてくださいね。中のスープは溶岩並みですから」
「忠告感謝する」
シルヴィスは椅子に座り、スプーンを入れた。
サクッ、というバゲットの音。
持ち上げると、チーズが糸を引き、その下から琥珀色のスープが顔を出す。
彼はふぅふぅと息を吹きかけ、慎重に口へ運んだ。
ハフッ、ハフッ。
「……ッ」
シルヴィスが天を仰いだ。
「甘い……!」
砂糖の甘さではない。
タマネギが持つ、大地の甘みだ。
凝縮された旨味が、溶けたチーズの塩気と混ざり合い、バゲットに染み込んでいる。
噛めばジュワッと溢れ出すスープ。
「昨日のチャウダーが濃厚な森の恵みなら、これは……太陽の恵みだ。炒めたタマネギの香ばしさが、鼻から抜けていく」
「合格点のようですね」
「合格どころではない。ポタージュ嬢、君は魔法使いか? ただのタマネギが、なぜこれほど深い味わいになる?」
「手間(あめいろ)と時間(あいじょう)ですわ。タマネギは正直ですから、手をかければかけるほど甘くなるんです。人間関係よりよほど単純で信頼できます」
ポタージュも向かいに座り、自分の分を食べ始めた。
熱々のスープが食道を通り、胃に落ちる感覚。
体温が一度上がった気がする。
「美味い……本当に美味い……」
シルヴィスは夢中でスプーンを動かしながら、ふと真顔になって言った。
「決めた。この屋敷を要塞化しよう」
「はい?」
スープを吹き出しそうになったポタージュが聞き返す。
「君とこのスープを守るためには、今のセキュリティでは不十分だ。カレル殿下や他の貴族に嗅ぎつけられたら面倒なことになる。私の私兵を配備し、結界を張り、厨房設備を最新鋭のものに入れ替える」
「厨房設備、という言葉には惹かれますが……要塞化って、ここはスープ屋ですよ?」
「国益(私の胃袋)を守るための重要拠点だ。今日中に手配する」
シルヴィスは食べ終わるや否や、懐から通信用の魔道具を取り出した。
そして、どこかへ早口で指示を出し始めた。
「あー、もしもし。私だ。至急、北の離宮へ建築班と資材運搬部隊を寄越せ。あと、最高級の冷蔵魔導具と、新鮮な魚介類を一トンほど持ってこい。……ああ、緊急事態だ。『私の命に関わる』と言えば分かる」
(一トン……?)
ポタージュは呆然とした。
この男、仕事が早いどころの話ではない。
権力の私物化が凄まじい。
「これでよし。昼過ぎには到着するだろう」
通信を終えたシルヴィスは、満足げに空になった皿を見つめた。
「ポタージュ嬢。私は一度王城へ戻り、仕事を片付けてくる。夕食までには必ず戻る」
「あ、はい。いってらっしゃいませ」
「夕食のメニューは?」
「……市場の入荷状況次第ですが、魚介が届くなら『ブイヤベース』にしようかと」
「ブイヤベース……!」
シルヴィスの目が輝いた。
彼は立ち上がり、ポタージュの手を(今度こそ紳士的に)握りしめた。
「楽しみにしている。死ぬ気で仕事を終わらせてくる」
そう言い残し、氷の宰相は風のように去っていった。
その背中は、昨日行き倒れていた時とは別人のように活力に満ち溢れていた。
残されたポタージュは、空になった二つの皿を見て呟いた。
「……私、とんでもないものを拾ってしまったのかもしれないわ」
しかし、すぐに思考を切り替える。
「まあいいわ。一トンの魚介類! ああ、なんて素敵な響き! カニ、エビ、貝……これで出汁を取り放題じゃない!」
ポタージュは踊るような足取りで皿を洗い始めた。
彼女にとって、公爵の愛(執着)よりも、これから届く食材の方が遥かに重要だったのだ。
その数時間後。
王都の市民たちは、公爵家の紋章が入った馬車の大部隊が、北の森へ向かって爆走していくのを目撃することになる。
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