桜花創生学園虚実戦争

にゃら

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その2

趣味なんかじゃないんだからね

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「あれ書いたの大輔でしょ?」
「まぁな」
 クックと笑いながら答える大輔に呆れたように
「何のため?」
 と私、千原唯は言う。
「まぁ、こう上手くいくとは思ってなかったが…今回の戦争の目的は?」
「没収品を取り返すこと?」
「そうだ。向こうの目的は?」
「光を殺すこと?」
「それが何か関係あるの?」
 さっぱり分からないんだけど。
「つまりだ。俺たちは何も勝たなくていい。没収品さえ取り戻せたら。向こうも同じだ」
「光さえ殺せたら負けても良いってこと?」
「あぁ。だからそれを条件にして向こうに負けを認めさせる」
 確かにそうなるかも知れないけど。
「光をわざわざ女装させた意味は?」
「別に…強いて言うなら弱みを握る必要があった…くらいか」
「何の為?」
「さぁな」
 ほんとこいつの頭ん中どうなってるのか。学園始まって以来の秀才と謳われているだけはあるんだろうけど。
「でも朝はびっくりしたよ」
「確かにね」
 朝大輔からメールが来ていて内容は『制服を貸して欲しい。メイク道具もあれば持って来てくれ。』だった。そのメールが私と理恵に。流石に不思議に思った私達は『何に使うの』と返事をした。そして大輔の返事は『戦争に使う』だった。実際に今光が女装して戦争に使用している。
「僕もウィッグが必要になるとは思わなかったよ」
「あ、あのウィッグ徹のなんだ」
「うん。コスプレに使うやつだよ」
 そういや徹は有名なレイヤーさんだったっけ。通りでメイクのさせ方が私より上手い訳だ。
「徹は今年の夏も参加するの?」
「勿論。今年は皆で行くとかどう?」
「ウチは写真撮るだけで良いかな」
「私も。コスプレは少し恥ずかしいな。大輔とカップルコスするとかどう?」
「あ、それは良い考えだね」
 そんな会話をしながら光の帰りを待っている。こんなのほほんとしているけど今、戦争中なんだよね。


「っと!」
 上手く教室から出たのはいいけど思った以上に混戦している。クラスが隣同士ってのもあるんだろうけど。少し遠回りだけど2階から行こう。
 2階には誰もいない。上手くすればここから回り込んでDクラスに突入出来るかもしれないな。だけど教室まで辿り着けないか。
「ん?見ない顔だな」
 階段を降りようとすると上ってきた女の人…最悪なタイミングで…侑希会長と会ってしまった。
「え…っと」
「転入生か?」
「そ、そうです」
 ビコン!
「死ぬか」
 マシンガンを向けられる。や、やばい!今死んだら負けてしまう。
「ごめんなさい!侑希会長!後から罰を受けるから殺さないで!!」
「その言い方…まさか福山光か?」
「そ…そうです」
 恥ずかしい…恥ずかしさで死にそうだ。
「これは驚いた。そんな趣味があったとは」
「違いますから!!」
「戦争中にわざわざ…作戦か?」
 そうだったらどれだけ嬉しいか。
「罰ゲームです…」
「ほう。面白い事をいているんだな」
「全く面白くないですけどね…」
「まぁいい。気を付けろよ」
 助かった…。
「君の処罰は先延ばしにしてやる」
 助かってなかった…でも会長にしては優しい選択かもしれないな。



 階段を降りるとさすがにDクラスの人たちが沢山いる。
「誰だ!」
 ヤバい!気付かれた。
「見ない顔だな」
 確かDクラスの林くんだったっけ。
「…付き合って下さい」
「はぁああ!!??」
 思わず声に出してしまう。なに!?なんなの林くん!!
「一目惚れです!!」
「お、お断りします!」
「ならせめて名前だけでも!」
 首を横に振りそのまま逃げだす。
「待ってくれ!俺のエンジェル!!」
 怖い…怖いよDクラス




「ただいま…」
 やっとの思いで教室に辿り着く。途中クラスメイトに見つかったがどうにか教室に帰って来れた。
「どうだった?」
「告白された」
「何があったの!?」
 もう…お婿にいけない…。
「とりあえず隠れて着替えろ」
「分かった」
「なるべく見つからない場所でな」
「りょーかい」
 なんでか分からないけど隠れて着替えよう。
「おい!今可愛い少女が入ってこなかったか!」
「すっげー可愛い女の子だ!」
 あぁ…こういうことか。
「いや。それよりちゃんと守ってくれ」
「そうか…見間違えか」
「結婚式まで考えたのに」
 ウチのクラスもそんなに変わらないか。
「お待たせ」
「よし。どんな状況だった?」
「2階はがら空き。教室回りは人がいっぱいだったけど」
「なるほどな…この勝負勝ちだ」
「「「「え?」」」」
 今のだけで勝てる要素あったのかさっぱり分からない。
「今から俺と光で2階から攻める。お前たちは護衛を頼む」
 なんだか分からないけどこいつの頭の中では計画が出来上がったみたいだ。
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