10 / 55
異世界の能力とは
しおりを挟む
森の広場の中央に俗物用の大きい三角テントが張っている。周囲には警護団や従者の休む小さなテントが複数あるが端に寄せられて俗物の褥の邪魔をしないよう配慮をしている。
ここ数日は干ばつするほど雨もなく夜も月明かりが強くなるぐらい月が大きく見えた。
警護団はマリーとマリーをニヤニヤ見ながら歩く俗物英雄がテントに入ったのを確認するとギュッと強く目をつぶり、まるで深く懺悔するような気持ちで指定された小さなテントに潜る者と森の周辺をぐるり警護する者に分かれた。
マリーを知る者が多い警護団はマリーがまだ男を知らないのを知っている。
それだけに罪が胸を締めつけ見たくない聞きたくないと自分の殻にこもり夜を過ごすと誓うのだった。
その時、フッとマリーが入ったテントの明かりが消えた。
月明かりで照らされた麻布の薄暗いテントの中では鼻息を荒くした俗物がマリーの匂いを嗅いでいた2メートル程の距離があるのだが漂うマリーの色香を体内に取り込みながら興奮する。
マリーも先程、近くに自生していた良い香りがする花の蜜を自分に塗り俗物が乙女と勘違いするように努力をしていた。
性欲による興奮は思考を鈍らせる
女を屈服させたいゲスな男ほど手に入れれる状況になると思考は浅く一つに絞られてしまう。
「脱げわかるか?脱げ楽しませろ」
俗物はニヤニヤとゆっくりとマリー見下しながら話す右手は自分のズボンに入れて男性器を弄っていた。
「すみません… 初めてなので恥ずかしく、少しばかり服を脱ぐ間は後ろを向いていて頂けませんか?」
わざとらしく頬を赤らめ俯くマリーにホホォと感嘆の声を上げて俗物は後ろを向く
「別に後ろを向かずとも今晩はたっぷり隅から隅まで見るんだから恥ずかしく…」
それが俗物の最後の言葉であった。
簡易のベッドに掛けられていたシーツを俗物に投げかけるや、後ろ首の第一頸椎に隠し持ったスティンガーナイフを突き立てる。
血しぶきが軽く飛ぶがシーツによって阻まれテントかからず外への情報は無く第一頸椎を切断した事で話す叫ぶ動くがなく俗物へ倒れ落ちた。
マリーの笑顔が溢れて止まらない。
久しぶりの知識、しかも腐っても異世界英雄のものだ。どのように自分がなれるか考えたら大笑いしたい衝動に駆られるが静かに唇を噛んで抑える警護団にまだ知られて阻まれるわけにはいかない。
噛んだ唇に血が滲むが目は笑いながら俗物英雄を処理する。
*****
それから四時間ほどが経過した。
ぐるり周りは静かで時折に夜警の薪が火に揺れてパチリパチリと鳴るだけ。
夜警は居眠りでもしているのだろうか足音も聞こえない。
血濡れのマリーは息を飲んでいた。
俗物を処理する時間を省いても3時間は自分に入った知識というか経験や異世界英雄のもつ何かを判断出来ず混乱と恐怖をした。
魔法・宗教・異世界の知識それと神により与えられたステータスと言う己を可視化するものなどなどだ。
「ダメねゆっくり考える時間が必要だわ」
マリーはそう呟くと俗物英雄から得た知識と魔力で魔法を練り上げだした。
マリーに光が集まり1メートル程の光る玉に体が覆われる。
「エクスプロージョン」
そう言うと一帯はマリーを残し消し飛んだ。
警護団の皆も全て死んでしまっただろうは確認せずとも分かるほどの火力にマリーも笑顔になる。
警護団の事などもう過去なのだ。
満天の星、月を見上げて呟く。
「宇宙か、行ってみたいな…」
血濡れのマリーは夢を思うような乙女の顔でしばらく明けだした夜空を眺め爆心地から離れ森に溶け込んでいった。
英雄や警護団が一瞬にして魔法により消し飛んだのだから王都でも問題になり詮索も始まるだろう。
自分の事を知らない時まで待たなければならないな… と森を走りながら思惑する。
それから森でハーミットのように生活し
50年の歳月が経過した。
ここ数日は干ばつするほど雨もなく夜も月明かりが強くなるぐらい月が大きく見えた。
警護団はマリーとマリーをニヤニヤ見ながら歩く俗物英雄がテントに入ったのを確認するとギュッと強く目をつぶり、まるで深く懺悔するような気持ちで指定された小さなテントに潜る者と森の周辺をぐるり警護する者に分かれた。
マリーを知る者が多い警護団はマリーがまだ男を知らないのを知っている。
それだけに罪が胸を締めつけ見たくない聞きたくないと自分の殻にこもり夜を過ごすと誓うのだった。
その時、フッとマリーが入ったテントの明かりが消えた。
月明かりで照らされた麻布の薄暗いテントの中では鼻息を荒くした俗物がマリーの匂いを嗅いでいた2メートル程の距離があるのだが漂うマリーの色香を体内に取り込みながら興奮する。
マリーも先程、近くに自生していた良い香りがする花の蜜を自分に塗り俗物が乙女と勘違いするように努力をしていた。
性欲による興奮は思考を鈍らせる
女を屈服させたいゲスな男ほど手に入れれる状況になると思考は浅く一つに絞られてしまう。
「脱げわかるか?脱げ楽しませろ」
俗物はニヤニヤとゆっくりとマリー見下しながら話す右手は自分のズボンに入れて男性器を弄っていた。
「すみません… 初めてなので恥ずかしく、少しばかり服を脱ぐ間は後ろを向いていて頂けませんか?」
わざとらしく頬を赤らめ俯くマリーにホホォと感嘆の声を上げて俗物は後ろを向く
「別に後ろを向かずとも今晩はたっぷり隅から隅まで見るんだから恥ずかしく…」
それが俗物の最後の言葉であった。
簡易のベッドに掛けられていたシーツを俗物に投げかけるや、後ろ首の第一頸椎に隠し持ったスティンガーナイフを突き立てる。
血しぶきが軽く飛ぶがシーツによって阻まれテントかからず外への情報は無く第一頸椎を切断した事で話す叫ぶ動くがなく俗物へ倒れ落ちた。
マリーの笑顔が溢れて止まらない。
久しぶりの知識、しかも腐っても異世界英雄のものだ。どのように自分がなれるか考えたら大笑いしたい衝動に駆られるが静かに唇を噛んで抑える警護団にまだ知られて阻まれるわけにはいかない。
噛んだ唇に血が滲むが目は笑いながら俗物英雄を処理する。
*****
それから四時間ほどが経過した。
ぐるり周りは静かで時折に夜警の薪が火に揺れてパチリパチリと鳴るだけ。
夜警は居眠りでもしているのだろうか足音も聞こえない。
血濡れのマリーは息を飲んでいた。
俗物を処理する時間を省いても3時間は自分に入った知識というか経験や異世界英雄のもつ何かを判断出来ず混乱と恐怖をした。
魔法・宗教・異世界の知識それと神により与えられたステータスと言う己を可視化するものなどなどだ。
「ダメねゆっくり考える時間が必要だわ」
マリーはそう呟くと俗物英雄から得た知識と魔力で魔法を練り上げだした。
マリーに光が集まり1メートル程の光る玉に体が覆われる。
「エクスプロージョン」
そう言うと一帯はマリーを残し消し飛んだ。
警護団の皆も全て死んでしまっただろうは確認せずとも分かるほどの火力にマリーも笑顔になる。
警護団の事などもう過去なのだ。
満天の星、月を見上げて呟く。
「宇宙か、行ってみたいな…」
血濡れのマリーは夢を思うような乙女の顔でしばらく明けだした夜空を眺め爆心地から離れ森に溶け込んでいった。
英雄や警護団が一瞬にして魔法により消し飛んだのだから王都でも問題になり詮索も始まるだろう。
自分の事を知らない時まで待たなければならないな… と森を走りながら思惑する。
それから森でハーミットのように生活し
50年の歳月が経過した。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる