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錬金術を少し
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火を見つめながら長い夜の暇つぶしに何かないかなと目を泳がせるとマチアの剣が揺れる火の光に反射している
光に照らされると随分と刃こぼれがあるのが分かる。
「暇つぶしには丁度いいか」
イチの能力にはマリーから譲り受けた物がたくさんある。それは俗物英雄か少年勇者かイチのこの世界の父のものか分からない。
ーーー錬金術の一部を使うか
イチはマチアの剣を近くにあった平らな岩の上に置く
「本阿彌(ほんあみ)のようには出来ないだろうけど、魔法と錬金術を合わせたら研ぐぐらいならできるだろう」
イチは前世では刀の製法を知りたく、よく刀鍛冶の元に見学に訪れていた。
この世界では魔法があるので叩き伸ばしや玉鋼の低温での作成も叶うのではないか?いずれ刀を作ろうと思考の中で鍛錬を続けていた。
岩に手を当てて錬金術で石の硬度を変えマチアの剣を置いた土台部分の岩だけ残し周囲の岩を粗め、細かめ、パウダーと三種類の粉末にする。
風魔法で三種類の岩の粉末を分けて空中に留める
「さて、刀を作る練習にもなるなか?」
イチはニヤリと笑いながら粗めの岩の粉末ー砥石ーを空中で高速回転させながらマチアの剣に当てる。ディスクグラインダーのようなイメージだ。
カリカリカリカリと音を立ててマチアの剣を両面両刃とも削っていく。
あまり削り過ぎると剣が脆くなるのでイチは真剣になり汗ばみ汗は風魔法の砥石に混ざり合う。
汗は粘土を砥石に加える
両刃を荒め細かめと削り度々に水魔法で冷やして初めての事なので指を軽く切りながら加工を続ける。
よしと月明かりと焚き木の火に照らし刃こぼれと腹の部分の研ぎが完成し、パウダー状の砥石を剣にかけていくと少しだけ金色かかった光を湛える美しい剣になった。
なぜに金色に?とイチが不思議に思い剣を振るうが良く分からない。
「元々はこういう色だったんだろうな」
と納得させて端切布を水で濡らしさらに磨いていると人が起きる気配を感じる。
研ぎが面白過ぎて回りが明るくなってきているのに気がつかなかったようだ。
「おはようございますマチアさん、アーテさん」
イチは笑顔で起きてきた2人を確認して挨拶をする。
昨夜に魔法で眠らされたのを気付いたのかムスーっと近付いて来る。ユリはまだ寝ているようだ。
「何をしているの?」
マチアは顔をしかめてイチに問いかける。
自分の命を預ける剣をイチが持っているのだ。流石にイチを可愛く思っても心に苛立ちを感じる。
「すみません、あまりに刃こぼれがあったので研いでいました。」とマチアに剣を渡す。
「研いでって… 本当に綺麗に仕上がっている… わ… ?なんで金色になっているの?」
「えっ?元は金色じゃなかったんですか?」
マチアは違うと首を振りアーテに目を向け自分の剣を指差す。アーテが分かったという風に鑑定の魔法を使う。
ーーーああ、そうか鑑定の能力か。自分もあったの忘れてたな
とイチが思っていると。アーテが目を開き汗を流しながら何度か信じられない風に鑑定の魔法を使い唖然と剣を凝視する。
「アーテどうしたの?」
「賢者の石の付与… オリハルコン?」
「え?」
「け… 賢者の石のコーティングされた剣になっている… わ?」
そんなバカなとイチとマチアが苦笑して返すがアーテは茶化している場合ではないと憤る。
ならばとマチアは近くにある1メートル程の岩を見据え剣を上段からゆっくり振り落とすと岩はサクッと豆腐のように三分の一を切り止まる。
三人は剣と岩を交互に見てまた唖然とする
「イチちゃん… 何をしたのかな?」
「伝説の剣を作る少年。結婚して」
二人の美人に詰め寄られ、ああ早くカーリースターの荷物持ち終わらないかなとイチは汗をかいていた。
イチの母であるマリーはアキヤと出会う前の暇つぶしの旅で彼方の者に会いに行ったのだが、永遠と思える時間をオームス…賢者の石の中を漂っていた。
自分の輪郭さえ分からなくなる時間を賢者の石で満たしたマリーの産んだイチの血や肉には純粋なる賢者の石の源流となっていた。
剣を研いでいた時の汗や慣れずに薄皮を少し切った血が付着し剣に賢者の石の加護を与え魔剣にしてしまったのだがイチはまだ知らない。
「ま… まぐれデスよ本当に分からないので… 早くユリさん起こしてセレファイスの町に帰りましょう」
そう言うのが精一杯だった。
光に照らされると随分と刃こぼれがあるのが分かる。
「暇つぶしには丁度いいか」
イチの能力にはマリーから譲り受けた物がたくさんある。それは俗物英雄か少年勇者かイチのこの世界の父のものか分からない。
ーーー錬金術の一部を使うか
イチはマチアの剣を近くにあった平らな岩の上に置く
「本阿彌(ほんあみ)のようには出来ないだろうけど、魔法と錬金術を合わせたら研ぐぐらいならできるだろう」
イチは前世では刀の製法を知りたく、よく刀鍛冶の元に見学に訪れていた。
この世界では魔法があるので叩き伸ばしや玉鋼の低温での作成も叶うのではないか?いずれ刀を作ろうと思考の中で鍛錬を続けていた。
岩に手を当てて錬金術で石の硬度を変えマチアの剣を置いた土台部分の岩だけ残し周囲の岩を粗め、細かめ、パウダーと三種類の粉末にする。
風魔法で三種類の岩の粉末を分けて空中に留める
「さて、刀を作る練習にもなるなか?」
イチはニヤリと笑いながら粗めの岩の粉末ー砥石ーを空中で高速回転させながらマチアの剣に当てる。ディスクグラインダーのようなイメージだ。
カリカリカリカリと音を立ててマチアの剣を両面両刃とも削っていく。
あまり削り過ぎると剣が脆くなるのでイチは真剣になり汗ばみ汗は風魔法の砥石に混ざり合う。
汗は粘土を砥石に加える
両刃を荒め細かめと削り度々に水魔法で冷やして初めての事なので指を軽く切りながら加工を続ける。
よしと月明かりと焚き木の火に照らし刃こぼれと腹の部分の研ぎが完成し、パウダー状の砥石を剣にかけていくと少しだけ金色かかった光を湛える美しい剣になった。
なぜに金色に?とイチが不思議に思い剣を振るうが良く分からない。
「元々はこういう色だったんだろうな」
と納得させて端切布を水で濡らしさらに磨いていると人が起きる気配を感じる。
研ぎが面白過ぎて回りが明るくなってきているのに気がつかなかったようだ。
「おはようございますマチアさん、アーテさん」
イチは笑顔で起きてきた2人を確認して挨拶をする。
昨夜に魔法で眠らされたのを気付いたのかムスーっと近付いて来る。ユリはまだ寝ているようだ。
「何をしているの?」
マチアは顔をしかめてイチに問いかける。
自分の命を預ける剣をイチが持っているのだ。流石にイチを可愛く思っても心に苛立ちを感じる。
「すみません、あまりに刃こぼれがあったので研いでいました。」とマチアに剣を渡す。
「研いでって… 本当に綺麗に仕上がっている… わ… ?なんで金色になっているの?」
「えっ?元は金色じゃなかったんですか?」
マチアは違うと首を振りアーテに目を向け自分の剣を指差す。アーテが分かったという風に鑑定の魔法を使う。
ーーーああ、そうか鑑定の能力か。自分もあったの忘れてたな
とイチが思っていると。アーテが目を開き汗を流しながら何度か信じられない風に鑑定の魔法を使い唖然と剣を凝視する。
「アーテどうしたの?」
「賢者の石の付与… オリハルコン?」
「え?」
「け… 賢者の石のコーティングされた剣になっている… わ?」
そんなバカなとイチとマチアが苦笑して返すがアーテは茶化している場合ではないと憤る。
ならばとマチアは近くにある1メートル程の岩を見据え剣を上段からゆっくり振り落とすと岩はサクッと豆腐のように三分の一を切り止まる。
三人は剣と岩を交互に見てまた唖然とする
「イチちゃん… 何をしたのかな?」
「伝説の剣を作る少年。結婚して」
二人の美人に詰め寄られ、ああ早くカーリースターの荷物持ち終わらないかなとイチは汗をかいていた。
イチの母であるマリーはアキヤと出会う前の暇つぶしの旅で彼方の者に会いに行ったのだが、永遠と思える時間をオームス…賢者の石の中を漂っていた。
自分の輪郭さえ分からなくなる時間を賢者の石で満たしたマリーの産んだイチの血や肉には純粋なる賢者の石の源流となっていた。
剣を研いでいた時の汗や慣れずに薄皮を少し切った血が付着し剣に賢者の石の加護を与え魔剣にしてしまったのだがイチはまだ知らない。
「ま… まぐれデスよ本当に分からないので… 早くユリさん起こしてセレファイスの町に帰りましょう」
そう言うのが精一杯だった。
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