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七章
74話 黒い影
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地の津波は一度では終わらなかった。
第二波、第三波と続く。
死体となった赤火の個体が、衝撃によってあちらこちらに散らばっていく。
ファイアベアは斎藤を近づけないよう、距離をとっていた。
バチン!!
電撃の鉤爪が、飛ぶ斬撃のように地面を抉る。
「もうめちゃくちゃだ!!」
堺は召喚したファイアベアの毛を必死に掴み、轟音と激震に耐える。
スッ…
ふと、揺れがおさまった。
目を開くと、斎藤がファイアベアの顎を膝蹴りしていた。
天を仰ぐファイアベアの頭。
体がひっくり返りそうになったが、かろうじて堪える。
「グォォォォ!!!!」
怒り狂い、全身の毛が逆立つファイアベア。
天に青雷がほとばしり、地には青炎が広がっていく。
「こんなの、、無理だろ…」
そう堺がつぶやいた時、
一つの影がファイアベアに向かっていく。
目の錯覚かと思う程に速い。
「って……人だ!」
人と認識したと同時、その人は勢いに任せて何かを投擲した。
黒い槍のようなものが弾丸の如く真っ直ぐ突き進んでいく。
「投げっ……えぇ!!!」
投げられた槍が膨張した。
ファイアベアの数倍の大きさ、それが地面を抉っていく。
まるで巨大な隕石が滑走したように大地は崩壊していく。
「スケールが違いすぎる……て!、斎藤さん!」
先ほどの攻撃に巻き込まれていないかと、周りを見渡す。
「あ、よかった…」
スッと立ち尽くしており、その顔はファイアベアの方向をじっと見つめていた。
「あっ さっきの…」
先ほどの攻撃をした人物が斎藤のもとに向かう。
何かを話しており、二人ともファイアベアの行方が気になっていそうだ。
「よかった、これで安心」
ふぅ、と一息つく堺。
遠くにいる斎藤たちは、話が終わったのかこちらに向かってくる。
遠目で姿がわからなかったが、斎藤の隣にいる人物がだんだんとわかってきた。
「ま、、魔人……」
喉が詰まり、無意識に体が震える。
岡本たちが死んだ記憶が鮮明に蘇る。
呼吸が荒くなり目眩がしてきた。
覆いかぶさっているファイアベアの毛に顔を埋める。
「気にするな、気にするな、気にするな」
モゴモゴと繰り返していると、
「サッカイくん、大丈夫かい?」
声が聞こえ、ゆっくりと顔を上げる。
斎藤の隣、澄ました顔の魔人、真希の姿。
お腹が痛くなりつつも、笑顔で「だ、大丈夫ですよ…」と答える堺。
「それならよかった」
斎藤は優しく微笑んだ。
堺は不意にチラッと真希を見る。
感情の読み取れない瞳と目が合い、すぐに目線を背けた。
「うん、無事も確認したし、証拠部位を集めて帰ろうか、……それにしても大惨事だね」
怪獣が大乱闘したかのような状況に、斎藤は苦笑いを浮かべた。
その後、三人は散り散りになった赤火の爪を回収していく。
堺はビビって召喚したファイアベアに任せていた。
青火の個体はペシャンコに潰れており、その姿を見た堺は思わず吐いてしまった。
――――
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
汽車で汗をかきながら爆睡する堺。
そんな中、斎藤が真希に話しかける。
「あの個体、心大陸のファイアベアだよね?」
声を出さずうなずく真希。
斎藤は窓の外から夕暮れの空を眺めた。
「上陸後の予定は?」
真希に目線を戻す斎藤。
「風の都に向かう」
真希は顎に手をつけ、斎藤とは目を合わせないようにしていた。
「魔族と人が住む国だよね、噂には聞いていたけど本当に存在するなんて…」
斎藤の顔色が明るくなる。
真希はそんな斎藤を無視していた。
選抜戦まで残り三日。
第二波、第三波と続く。
死体となった赤火の個体が、衝撃によってあちらこちらに散らばっていく。
ファイアベアは斎藤を近づけないよう、距離をとっていた。
バチン!!
電撃の鉤爪が、飛ぶ斬撃のように地面を抉る。
「もうめちゃくちゃだ!!」
堺は召喚したファイアベアの毛を必死に掴み、轟音と激震に耐える。
スッ…
ふと、揺れがおさまった。
目を開くと、斎藤がファイアベアの顎を膝蹴りしていた。
天を仰ぐファイアベアの頭。
体がひっくり返りそうになったが、かろうじて堪える。
「グォォォォ!!!!」
怒り狂い、全身の毛が逆立つファイアベア。
天に青雷がほとばしり、地には青炎が広がっていく。
「こんなの、、無理だろ…」
そう堺がつぶやいた時、
一つの影がファイアベアに向かっていく。
目の錯覚かと思う程に速い。
「って……人だ!」
人と認識したと同時、その人は勢いに任せて何かを投擲した。
黒い槍のようなものが弾丸の如く真っ直ぐ突き進んでいく。
「投げっ……えぇ!!!」
投げられた槍が膨張した。
ファイアベアの数倍の大きさ、それが地面を抉っていく。
まるで巨大な隕石が滑走したように大地は崩壊していく。
「スケールが違いすぎる……て!、斎藤さん!」
先ほどの攻撃に巻き込まれていないかと、周りを見渡す。
「あ、よかった…」
スッと立ち尽くしており、その顔はファイアベアの方向をじっと見つめていた。
「あっ さっきの…」
先ほどの攻撃をした人物が斎藤のもとに向かう。
何かを話しており、二人ともファイアベアの行方が気になっていそうだ。
「よかった、これで安心」
ふぅ、と一息つく堺。
遠くにいる斎藤たちは、話が終わったのかこちらに向かってくる。
遠目で姿がわからなかったが、斎藤の隣にいる人物がだんだんとわかってきた。
「ま、、魔人……」
喉が詰まり、無意識に体が震える。
岡本たちが死んだ記憶が鮮明に蘇る。
呼吸が荒くなり目眩がしてきた。
覆いかぶさっているファイアベアの毛に顔を埋める。
「気にするな、気にするな、気にするな」
モゴモゴと繰り返していると、
「サッカイくん、大丈夫かい?」
声が聞こえ、ゆっくりと顔を上げる。
斎藤の隣、澄ました顔の魔人、真希の姿。
お腹が痛くなりつつも、笑顔で「だ、大丈夫ですよ…」と答える堺。
「それならよかった」
斎藤は優しく微笑んだ。
堺は不意にチラッと真希を見る。
感情の読み取れない瞳と目が合い、すぐに目線を背けた。
「うん、無事も確認したし、証拠部位を集めて帰ろうか、……それにしても大惨事だね」
怪獣が大乱闘したかのような状況に、斎藤は苦笑いを浮かべた。
その後、三人は散り散りになった赤火の爪を回収していく。
堺はビビって召喚したファイアベアに任せていた。
青火の個体はペシャンコに潰れており、その姿を見た堺は思わず吐いてしまった。
――――
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
汽車で汗をかきながら爆睡する堺。
そんな中、斎藤が真希に話しかける。
「あの個体、心大陸のファイアベアだよね?」
声を出さずうなずく真希。
斎藤は窓の外から夕暮れの空を眺めた。
「上陸後の予定は?」
真希に目線を戻す斎藤。
「風の都に向かう」
真希は顎に手をつけ、斎藤とは目を合わせないようにしていた。
「魔族と人が住む国だよね、噂には聞いていたけど本当に存在するなんて…」
斎藤の顔色が明るくなる。
真希はそんな斎藤を無視していた。
選抜戦まで残り三日。
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