異世界転生 内気な青年に与えられた能力は死に戻り

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二章

14話 ナックル、クレイン、セラ

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(あれ?死んだのか??また?あぁ、リセットか、もうわけわからんな、どうすればいいんだろう、、、、って、なかなか目が覚めないぞ??)
 暗闇の中で静かな時間が流れる
 堺はまぶたに力が入ることを確認した為、まぶたをスッと開ける
「!!??」
 目の前にいたのは金髪に輝く長い髪をしたシュベルツの後ろ姿であった
「シュ、シュベルツさん!!?」
 堺の言葉にコクンと頭を下げて反応する、しかしこちらを見るそぶりはせず、老人の右足をグッグゥゥと持っていた
 老人の足は堺の顔を標的にしていることがわかる
 シュベルツはシュッと、片腕で持っている彼の足を離した
 老人はスァン!と元の体制に戻る
 お互いに気を張っている為、その緊迫感が地面を伝わり、堺の肌をビリビリと刺激する
「前田 明、、、またワシの邪魔をするのか?」
 (前田 明!?ってことはシュベルツさんは転生者なのか!?)
 堺は老人に向けていた目線を勢いよくシュベルツに向ける
「邪魔とは失礼ですねナックル校長、貴方がやっているのは単なる殺人にすぎないですよ」
 シュベルツは苦笑いを浮かべている、親に反抗する子供のようだ
「彼女を助けてどうなった?君の行動でどれだけの人が死んだ??また同じ過ちを犯すのか?」
 ナックルはハァ~とため息をつく
 シュベルツはシュンと黙り込んだ
 なんのことやらさっぱりな堺だったが、シュベルツが来てくれた安心感によって体の震えがおさまる
「これ以上抵抗するのであれば君も処刑の対象になるがよろしいのかね?」
 ナックルは表情を変えずに話し続ける、しかし声には覇気があった
「えぇ、最初からその覚悟できましたので」
 現在から1日前...
 メルディア学園から近い街の中、シュベルツは宿を探していた
「おぃ、聞いたか?新しい転生者が現れたんだってよ」
 銀色の鎧に包まれた兵士がもう1人の兵士に話しかける
 (転生者!??堺さん!?)
 シュベルツは光魔法を使い、音もなく兵士達の背後の物陰に隠れる
「あぁ、聞いたぜ、中にいる生徒を殺したんだろ?やべーやつだよな転生者って」
 兵士達は笑いながら転生者を馬鹿にする発言をしていた
 そして、現在に戻る...
 (私が学園など勧めなければ、、堺さんは!!)
 シュベルツは苦い表情を浮かべ、両足に力を入れてグッと拳を構える
「転生者と殺り合うのは久しぶりだな、」
 ナックルはニヤリと笑い、闘争心が高ぶっていく
 両者グッと構える
 ビィィーーン!!
「うぇぁ!!??」
 堺の頭に白色のレーザーが飛んでくる、そのレーザーは頭を直撃したかと思うと、方向を変えて壁に激突した
 ゴァァン!
 壁にバスのタイヤくらいの穴が空き、ボロボロと砕けた破片が落ちていく
「はぁ!?えぇ!!?なに!?なに!?」
 堺は訳もわからず喘いでいた
「え!?どういうこと??、当たったよね?今当たったよね!?」
 少女のような声が上から聞こえる
「ちっ!セラ!!声出したらバレんじゃねーか!!」
 力強いおっさんのような声が聞こえる
「はぁ~、余計な真似を、、今すぐ降りてきなさい」
 ナックルはシュベルツを見たまま、どこにいるかわからない人に話しかける
 数秒後、ナックルの後ろから男女2人が現れる
「そんな魔法で気配を隠せると思ったのか?ワシを馬鹿にするのも大概にしろ」
 ナックルは振り返らずに後ろの2人に向けて怒りの感情をぶつける
 2人はビビっと姿勢を正して、「申し訳ありません!!」「申し訳ない!!」と全力で謝っていた
 その声はドームをぐるりと回るほどに大きい
 そして、数秒間の長い沈黙が続いた
 (なんなんだよ!なんだよこれ?増えた?敵?やばいよやばい!!)
 堺は拳を構えているシュベルツを困っている顔で見つめた
「ナックル校長、申し訳ありません、転生者に1人で挑むのは危険だと思い、この場にたちました!俺、絶対役に立つので、どうか1人で戦わないでいただきたい!!」
 上半身の服を脱いでいるムキムキの男性が頭を下げる、彼は両手首に金色の分厚いブレスレットをしていた
「私も未熟者ではありますが、ナックル校長のサポートができると思って来ました!どうか、どうか協力させてください!!」
 紫色のローブに白いシャツを着ている彼女も頭を下げる、彼女の両手の人差し指には薄水色に輝く銀色の指輪が身に付けられていた
「、、、そうか、、2人とも立派になったな、よかろう、ならば死ぬ覚悟で奴らに挑め!」
 2人はホワァ~と笑顔になる、途端に真面目な顔でシュベルツと堺をにらみつけた
 (やばいやばいやばいやばい!!!あの2人ってあれじゃない?強いやつよね??)
 堺は動けない体を無理に動かそうとした
「話は終わったようですね、、」
 たらりと汗をかくシュベルツ、敵が増えて焦っているようだ
 (先手で大柄の彼を落とす、すぐさま横にいる彼女を落として、ナックル校長との一騎打ちだな、)
 スゥ~と呼吸をするシュベルツ
 ナックルはボクシングのような構えを取り、顔を守る
 それに続くように大柄な男性は両手を少し開き、柔道のような構えをとった
 大柄な男性の横にいる彼女は、左手をパーにしており、右手の人差し指でシュベルツを指さしている
 唾を飲み込む音が響くほどの静寂の中、大柄な男の目の前にシュベルツが現れた
 バィィィン!!
 シュベルツの拳は彼の頭を完全に捉えていたが、バリアのようなもので阻止される
 (やはり、貼られていたか、となれば横にいる彼女を、)
 ビィィン!
 一瞬の出来事であった
 皆は音を感じるまもなく、事が進んでいく
 シュベルツは標的を彼女に変えた
 一直線に進み、彼女のアゴを目掛けて手のひらで叩き気絶させる作戦だ
 バィィィン!!
 (こっちにも!?回り込むか?いや、流石に魔力を消費しすぎる、ナックル校長を叩くか?いや、流石に危険だ、)
 シュベルツはビィィン!と堺の前に立つ
 スワァ、、と空間に風が行き渡る
 (!!??何が起きた??急に2人の体が光った?バフ?にしては2人とも動揺している??)
 堺は何が起こったのか全く理解できていなかった
「ま、まじかよ、これが噂に聞く光魔法のスピードか、早すぎて何も見えなかったぜ、」
 大柄な男、クレインは苦笑いを浮かべながら、戦意が喪失しかけていた
「わ、私はギリギリ捉えることができたけど、本当ギリギリ、これじゃ反撃することは無理に等しいわ」
 セラは引きつった顔で冷や汗をかく
 (戦力になると思ったが、流石にレベルが違いすぎるか、となれば頼れるのは己自身、奴の行動を捉えることはできた、しかし、ワシの攻撃が当たるかは別の話だな)
 ナックルの両目には模様が出ていた
 この模様は魔法で、動体視力を格段に上げることができる✨
 セラも同様にナックルと同じ動体視力を強化する魔法を使い、シュベルツを捉えていた
 (バリア系の魔法だとしたら、どこかに穴があるはず、もし全身にかけているとしても、集中的に誰かを攻撃し続ければ魔力消費でバリアが解ける、となれば反応が遅れた彼を先に叩く!!)
 シュベルツは目をかっぴらきながら作戦を考える
「なぁ、セラ、俺にかけてあるバリア解いてくれねぇか?」
 クレインは覚悟を決めたのか、何かを悟ったのか、大柄な体からは想像もつかない穏やかな表情でセラに話しかける
「はぁ?何言ってんの?あんたも見たでしょ、アイツのスピードと攻撃、バリアを解いたら死ぬかもしれないのよ!?」
 セラは3人分のバリアを維持している為、体力と気力、魔力がジワジワと消費していく
 汗がポタポタと流れ、吐息の音が大きくなっていく
「俺は大丈夫だ、今優先すべきはナックル校長のサポートだろ?、正直、俺は奴の攻撃を捉えることすらできなかった、、だから頼む、バリアを解いとくれ、」
 セラの目からはクレインの大柄な体が小さく見えた
「ほんっと、昔っから単細胞なんだから!!死んだらゆるさないんだからね!?」
 セラはウルウルとしながら、クレインに右手の人差し指を向けてシュッシュッと指先でバツを描く
「ありがとうな、」
 クレインはシュベルツをグッとにらみつけながら、セラに柔らかい言葉を投げかける
 途端、セラの横目からクレインが消えた
 
 
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