異世界転生 内気な青年に与えられた能力は死に戻り

KOKE

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二章

20話 トレーニング

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 「う、う~ん、、ま、まぶしぃ、、」
 堺は体をノソっと起こす
 部屋に窓が無いため、今が朝なのか夜なのかわからない
 部屋を改めて見直すと、扉の上に丸い時計がかけられてあった
 (以前の世界と変わりないか、、)
 時計の針は4:30を指している
「そういえば、、お腹すいたな、、」
 !?
 机の上を見ると牛乳パックくらいの長方形の箱が置いてある
 その箱は黄色く、ほんのり甘い香りがする
 開けていいのかな?と迷った堺だったが、気になった為、開けてみる事にした
 中央からペリペリと剥がせれるような縫い目がある
 ペリペリペリ、、
 薄い段ボール素材のぬい目を剥がしていく
 (無限にしたいなぁ、、)
 ゆっくり堪能するように開けて中身を見る
 中には銀色のアルミホイルのようなものに包まれている何かがあった
 甘い匂いが堺の鼻の中をめぐる
 (クッキー?、おいしそう、、)
 包まれているものをシャワシャワと取り除く
「おぉ!!」
 中身は大きなクッキーのような食べ物であった
 ふ~んと甘い香りが部屋に広がる
 ガブッ、ボロボロ
 ゴフ、ゴフ、ゴフ、
「う、うまい!!」
 バタークッキーの甘味が口に広がる
 堺は夢中で食べ続けた
 ゴフ、ゴフ、
 それが半分くらいになったとき、口の中がパサパサになったのと、甘いものが大好きなわけではなかったので食べるのをやめた
「ふぅ~、食った食った!前田さんが置いてくれたのかな?感謝!」
 堺はパン!と手を合わせてベットに寝転ぶ
 しばらく天井を眺めていたが、気づけばまた眠っていた
 コンコンコン
「う、うぇ?」
 パチっと目が開く、しかし脳が目覚めていない為、のっそりと体を動かし、ノックの音がした扉を見つめる
「堺さん、起きていますか?堺さん?堺さーん」
 小声だが前田さんの声だとわかり、スタスタと扉に近づく
 カチャリ
 扉の鍵をゆっくり回して扉をスーッと開けた
「おはようございます、よく眠れましたか?」
 相変わらず小声で話す前田であった
「は、はい!おかげさまでよく眠れました!」
 本当はまだ寝ていたいが、そんなことを言う度胸は持っていなかった
「それならよかったです」
 小声をやめていつも通りの声と笑顔を見せてくれた
「あ、クッキー美味しかったです!ありがとうございます」
「クッキー?、、転送食のことですね!」
 前田はポンと手をつく
 堺はなんのことかと目をパチパチさせていた
「そうでしたね、申し訳ありません、転送食の説明を忘れていました、転送食と言うのはですね、文字どうり食事が転送されることを言います」
 堺はうんうんと首を振っている
「18:00になった瞬間にあちらにある机に栄養バランスが良いクッキーのような食べ物が転送されます、味は日替わりで私が好きな味はチョコレート味です」
堺は「へー、すごー」と声をこぼし、必ず転送される瞬間を見てやると心に誓った
「転送食はオプションで家賃にプラスされていますが、家賃等のお金は私が持ちますので安心してください」
 前田は変わらず笑顔であった
 (何から何まで、、、強くならないと!前田さんの期待に応えたい!!)
 堺はグッと拳を握りしめた
「ま、前田さん、自分、全く戦いの才能も何もないですが、どうか鍛えてほしいです、強く、強くなりたいです!!」
 前田の期待に応えたい力と、生きたいという力で堺の心拍数は上昇していた
「堺さん、、、わかりました!!これから全力でサポートさせていただきます!!」
 前田の心拍数も上がり、部屋に熱気があふれる
「では今すぐトレーニング開始です!私についてきてください」
 そう言って前田はエレベーターまで歩く
 (え、お風呂入りたかった~)
 堺は不満な顔をしていたが、前田さんの熱意に応えるべく「はい!」と元気よく返事をしてついていく
 2人はエレベーターに乗り、地下一階まで降りた
 ガチャ、ウィーン
 扉が開く、正面には受付があり、1人の女性が白いシャツに黒いスーツを身につけて立っていた
 彼女は堺と前田に一例をする
 前田は受付に近づき「トレーニングルームを借りたいです」と言う
「無沙汰しております、かしこまりました、そちらのお連れの方もご利用とのことでよろしいでしょうか?」
「えぇ、そうです」
「かしこまりました、でしたら注意事項をお伝えします、属性魔法の使用は禁止です、身体能力系であれば大丈夫ですが、場内の物を破壊した際には弁償していただきますのでご注意ください」
 明るい表情がヒュッと引き締まる
「わかりました、説明ありがとうございます、では堺さん行きましょう」
 受付から左側の通路を歩く、通路の左側にはシャワールームがあり、右側には鍵付きのロッカーがずらりと並んでいる
 突き当たりまで行くと、右側に両開きの扉が開いていた
 ヒューっと風が出入りしている
 そして扉の奥には大きなグラウンドが広がっていた
「お、おぉー!!」
 広々とした空間だ、サッカーコートを10個ほど合体させた広さで、屋根の高さは5階建てマンションが入りそうなほどであった
 グラウンドには堺と前田以外にも沢山の人がいた
 走っていたり、飛んでいたり、格闘練習をしていたり、みんな張り切っていた
「さぁ、堺さん!今から走りますよ!体力作りが基礎の基礎です!」
 前田は空気をスゥ~っと吸い込み気合いが入る
「わ、わかりました!」
 堺はニカっと笑い、やってやると燃えていた
 数十分後、、
「っっはぁ!っはぁぁ!っはぁっ!」
 堺は空気を無理やり体にかけ込み続ける
「ファイト!ファイト!ファイト~!」
 前田は応援しながら堺の後ろについて行く
 ノロノロと走るその姿はもう無理だと訴えかけていた
「今日は10キロ走りましょう!とにかく体力作りです!遅くても良いですから頑張ってください!」
 しばらく走り続ける堺だったが、その場に倒れ込んでしまう
「はぁっ、はぁっっ、はぁっ!」
 大の字に寝転び、高い天井を見上げる
「端から端までいけましたね!5キロくらいですが十分です!今日は休みましょう!」
 しばらく呼吸を整えてノロッと立ち上がる
 そのままグラウンドを出てシャワーを浴びた
「かぁっっ!!!あ~生き返るぅ!!」
 疲れた体にあったかい水がジュワリと染み込むのがわかった
 新しい服を用意してもらったのでそれを着る
「白のシャツに黒のズボンと、安定安定!」
 さっぱりした気持ちで前田に感謝を伝え、部屋に戻る
「お疲れ様です、明日も体力作りをしますのでよろしくお願いしますね」
「え、はい!何から何までありがとうございます!」
 ビュンと頭を下げる、まだまだ気持ちは高ぶっているようだ
「ふふっ、あと、建物内は自由に行き来して大丈夫です、興味があれば色々見られてください、私は用事がありますのでこれで失礼します」
 前田はすっと体を倒す
「え、は、はい!ありがとうございました!」
 いつもに増して元気が有り余っていた
 前田が扉から出るとぴょん、ギシッ!とベットに飛び込む
「うっしゃぁ!!」
 枕に顔をうずくめて叫ぶ堺
 (強くなる!強くなってやる!!)
 体力、魔力測定まで残り364日
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