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決意(ランズベルト視点)
公爵領の本邸に着いて早々、家令のノイマンたちによる盛大な勘違いのおかげで、ロベリア嬢の可愛い顔が見られた。
けれど、勘違いだと気付いた後のノイマンの台詞に一抹の不安を覚える。
――『私どもにお任せください』
耳元でこっそり告げられたその言葉に不安しかない。
基本的に我が公爵家の家人たちは、母上の好みによっているところが大きい。
つまりは――揃いも揃って皆、お節介がすぎるのだ。
(ロベリア嬢に変なことをしなければ良いのですが……)
そう思いつつ、ロベリア嬢の案内をノイマンに任せ、私はヘルマンとともに書斎へと向かった。
父上は隠居を決め込んでいて、領地には居るものの、本邸にはほとんど寄りつかず、領地の端にある別荘にこもっている。
元々早めの引退の条件は、領地の仕事だけはするということだったにもかかわらず、おかげで何かあると、自分か母上が動く状態だ。
王都から半日の距離なことが不幸中の幸いとしか言いようがない。
溜まっているであろう領地の仕事を片付けられる時に片付けておこうと、書斎に残された書類と向き合う。
「とりあえず、晩餐までに急ぎのものだけでも目を通しておきましょう」
一番上の書類を手に取る。
……いつもと何かが違う。
「ランス様……」
「どうしました?」
「珍しく全て終わっているようです」
ヘルマンが机の端に置かれた書類をめくりながら驚いた顔でこちらを見る。
「父上でしょうか?」
「どうやらそのようです。旦那様のサインがあります」
さらに書類をめくり、サインを確認したヘルマンが頷く。
「珍しいこともありますね。もしかしたら、これもノイマンのおかげだったりするのでしょうか……」
ヘルマンと首を傾げていると、扉がノックされ、ロベリア嬢の案内を終えたノイマンが入ってきた。
書類を手にする私たちを見て、慌てた様子で説明をはじめる。
「ああ、お伝えし忘れておりました。昨日旦那様をお呼びして、仕事は全て片付けていただいております」
やはり……と思いつつも、どういった経緯であの父上が仕事をしたのかが気になった。
「あの父上が呼ばれて仕事を……? しかも、仕事だけして別荘に戻ったのですか!?」
「はい。今日のお昼過ぎには別荘に戻られました」
お昼過ぎということは、私たちが到着する数時間前まで父上はここに居たということだ。
あの父上の性格を考えると、ロベリア嬢に会わずに帰ったことが不思議に思える。
「奥様よりお二人の邪魔をさせないようにと厳命を受けておりましたので……」
「なるほど。やはり、母上ですか……」
思わずため息が出てしまう。
「左様にございます。奥様よりランス様の時間を可能な限り仕事に割かないよう言われておりましたので、事情をお話しして旦那様をお呼びしました。連れてくるのもお帰りいただくのも多少骨が折れましたが、なんとか……」
少しげんなりした表情でそう言うノイマンに、有り難いような、この先父上に会ったら怖いような、複雑な心境になってしまう。
(後々、ロベリア嬢の迷惑にならないと良いのですが……)
「有り難いは有り難いですが、そこまでされるのはどうにも……先が思いやられます……」
「何をおっしゃいますか! ロベリアお嬢様に向けられるあのランス様の眼差し!! あのような眼差しは今まで見たことのないものでございましたよ?」
「まあ、それは……」
「お嬢様のご様子も拝見いたしましたが、まさに今、関係を詰める時期だとわたくしは確信いたしました!!」
ノイマンの勢いが母上と似ている。
とはいえ、自分自身でもそろそろ一歩踏み出す時期ではないかと思ってはいる。
だが、いざとなると、昔のトラウマが頭をもたげてしまい、なかなか勇気が出ないのだ。
「ほら、ランス様、今が頑張りどきですって」
傍で聞いていたヘルマンまでもが私の背中を押す。
「ちょうど晩餐の準備も整いましたし、エスコートに行かれてはどうでしょう?」
そう提案するノイマンの表情には、子供の頃から私を見守ってきたからか、慈愛に満ちた、親のような優しくも力強い笑みが浮かんでいた。
◇
ヘルマンに言われ、着替えてから彼女のいる部屋へと向かう。
客室ではなく、公爵夫人用の、昔母上が使っていた部屋に案内され、「やはり……」と思わずこめかみを押さえる。
項垂れる私にヘルマンが苦笑する。
「まあ、玄関の歓迎がアレでしたしね……」
「あの歓迎から嫌な予感はしていましたが、まさか本当に若奥様扱いをしているとは……ロベリア嬢はどう思ったのか……」
「部屋を変えていないところを見ると、大丈夫な気もしますけどね?」
ヘルマンは軽く励ますようにそう言って、隣の扉をじっと見る。
隣は主寝室になっていて、そのさらに奥にある主人の部屋とこの夫人の部屋、双方に繋がる扉がある。
つまりは、公爵夫婦のために作られた寝室だ。
「ランス様も今夜はあちらを使われますか?」
冗談めかしてそう告げるヘルマンを一瞥して、ひとまず私はロベリア嬢の部屋をノックした。
けれど、返事は返ってこない。
もう一度ノックする。
すると、中からジョアンナが姿を見せた。
「ロベリア様はよほどお疲れだったのか先ほどから、ソファでうとうとされておられまして……」
小声でそう言って、少し扉を開いて、私とヘルマンを静かに中へと招き入れる。
そして、ソファで眠る彼女を、いや、彼女たちの姿に思わず口元と声を必死に抑えた。
(ええ!? 何!? 何なの!? もうほんと、可愛いがすぎるのよ~~~!!!)
目の前には穏やかな表情でスヤスヤ眠るロベリア嬢と、その傍に寄り添って身を丸めるリアとルドの姿があった。
「これはまた……ランス様大丈夫ですか?」
小声で心配するヘルマンに、体を震わせながらブンブンと首を横に振る。
大丈夫なわけがない。
気を抜けば今にも大声で叫び出してしまいそうだ。
「ああ~~やっぱりそうですよね……ですが、我慢してくださいね。ロベリア嬢が起きてしまいますよ」
それはわかっている。
私はコクコクと頷くので精一杯だ。
「さすがにご令嬢にこの長旅はキツかったのでしょう。ベッドにお運びしたほうが良さそうですね」
そう言って、ヘルマンは使用人たちを呼びに向かおうとする。
けれど、ふと使用人たちが彼女を抱えるのを想像したら、急に胸の辺りがモヤっとして、先ほどまでの興奮がおさまった。
どうやら私は自分が思っていたよりも狭量らしい……。
「いえ、ヘルマン、彼女は私が運びます」
ヘルマンは私の言葉に一瞬目を見開くと、嬉しそうに微笑んだ。
「他の者に触れさせたくない、と。やはり春ですね~」
「! ……認めますから、その緩み切った顔はやめてください」
「承知しました」
ヘルマンは笑いを堪えながら頷いた。
そして、いざ気を取り直して、再びロベリア嬢へと近づく。
ロベリア嬢の傍では、先ほどと変わらず「くま吉」二匹がピッタリくっついて、気持ちよさそうにスリスリしている。
私に気づいた二匹がふとこちらを見る。
サファイアの目をしたリアがこちらに向かってふよふよと飛んできた。
(え!? ええ!? なになになになに!? 私にもスリスリしてくれるの!?)
声を出さないことに必死なのに、そんなサービスをされてしまった日には我慢ができそうにない。
焦りと喜び、相反する気持ちと闘っていた私の目の前まで来たリアは、口元に手を添えて「シーッ」と言うと、ルドの元へと戻っていく。
「かわ、かわっ、可愛い~~~(小声)」
結局我慢ができず、うっかり声にならない声で叫びを上げる。
その声に今度は二匹揃ってこちらを向いて「シーッ」と言ってくる。
(可愛すぎでしょ!! こんなの……新手の拷問だわ……!)
とはいえ、よほど疲れているのか、ロベリア嬢が起きる気配は全くない。
今のうちに運んでしまおうと、小声で「失礼」とだけ声を掛け、彼女を担ぎ上げた。
その瞬間、ふわっと甘い香りが広がる。
それと同時に彼女のまぶたがゆっくりと持ち上がる。
「ん……あ、れ? う~ん……」
起こしてしまったことと、彼女の普段は見せない気だるい様子に、私の心臓がはねる。
動揺をさとられないよう、必死に平静を装い、声をかける。
「お目覚めですか? お姫様」
「……わたし、まだ夢を見ているのかしら……」
自分で思っている以上に甘い声が出て驚きつつも、うっとりとこちらを見つめるロベリア嬢の反応に、満更でもない気持ちになり、彼女を支える腕に力を込める。
すると、ロベリア嬢はクスッと笑うと、急に腕に顔を近づけ頬を擦り寄せた。
「ろ、ロベリア嬢っ……」
先ほどよりも甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「ふふ。なんだかあたたかくって、気持ちが良い……」
笑顔でそう言った彼女は、再び夢の世界へと落ちていった。
「この不意打ちはあんまりです、ロベリア嬢……ああもう、ほんとにこのまま抱きしめてどこかへ攫ってしまいたい。どうしてくれようか……」
そんな不埒な衝動と戦う私をよそに、彼女はスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。
その寝顔を見ているだけで、たまらない気持ちが湧き上がってきてしまう。
「どうやら私は、あなたを侯爵邸に帰したくないようだ」
私の呟きに、寝室の扉を開けて待機していたヘルマンはニヤニヤしている。
ああもう、認めよう。
私はロベリア嬢を手放したくはないのだと。
私はそっと彼女を寝室のベッドへ運び、あとはジョアンナに任せて部屋を出た。
けれど、勘違いだと気付いた後のノイマンの台詞に一抹の不安を覚える。
――『私どもにお任せください』
耳元でこっそり告げられたその言葉に不安しかない。
基本的に我が公爵家の家人たちは、母上の好みによっているところが大きい。
つまりは――揃いも揃って皆、お節介がすぎるのだ。
(ロベリア嬢に変なことをしなければ良いのですが……)
そう思いつつ、ロベリア嬢の案内をノイマンに任せ、私はヘルマンとともに書斎へと向かった。
父上は隠居を決め込んでいて、領地には居るものの、本邸にはほとんど寄りつかず、領地の端にある別荘にこもっている。
元々早めの引退の条件は、領地の仕事だけはするということだったにもかかわらず、おかげで何かあると、自分か母上が動く状態だ。
王都から半日の距離なことが不幸中の幸いとしか言いようがない。
溜まっているであろう領地の仕事を片付けられる時に片付けておこうと、書斎に残された書類と向き合う。
「とりあえず、晩餐までに急ぎのものだけでも目を通しておきましょう」
一番上の書類を手に取る。
……いつもと何かが違う。
「ランス様……」
「どうしました?」
「珍しく全て終わっているようです」
ヘルマンが机の端に置かれた書類をめくりながら驚いた顔でこちらを見る。
「父上でしょうか?」
「どうやらそのようです。旦那様のサインがあります」
さらに書類をめくり、サインを確認したヘルマンが頷く。
「珍しいこともありますね。もしかしたら、これもノイマンのおかげだったりするのでしょうか……」
ヘルマンと首を傾げていると、扉がノックされ、ロベリア嬢の案内を終えたノイマンが入ってきた。
書類を手にする私たちを見て、慌てた様子で説明をはじめる。
「ああ、お伝えし忘れておりました。昨日旦那様をお呼びして、仕事は全て片付けていただいております」
やはり……と思いつつも、どういった経緯であの父上が仕事をしたのかが気になった。
「あの父上が呼ばれて仕事を……? しかも、仕事だけして別荘に戻ったのですか!?」
「はい。今日のお昼過ぎには別荘に戻られました」
お昼過ぎということは、私たちが到着する数時間前まで父上はここに居たということだ。
あの父上の性格を考えると、ロベリア嬢に会わずに帰ったことが不思議に思える。
「奥様よりお二人の邪魔をさせないようにと厳命を受けておりましたので……」
「なるほど。やはり、母上ですか……」
思わずため息が出てしまう。
「左様にございます。奥様よりランス様の時間を可能な限り仕事に割かないよう言われておりましたので、事情をお話しして旦那様をお呼びしました。連れてくるのもお帰りいただくのも多少骨が折れましたが、なんとか……」
少しげんなりした表情でそう言うノイマンに、有り難いような、この先父上に会ったら怖いような、複雑な心境になってしまう。
(後々、ロベリア嬢の迷惑にならないと良いのですが……)
「有り難いは有り難いですが、そこまでされるのはどうにも……先が思いやられます……」
「何をおっしゃいますか! ロベリアお嬢様に向けられるあのランス様の眼差し!! あのような眼差しは今まで見たことのないものでございましたよ?」
「まあ、それは……」
「お嬢様のご様子も拝見いたしましたが、まさに今、関係を詰める時期だとわたくしは確信いたしました!!」
ノイマンの勢いが母上と似ている。
とはいえ、自分自身でもそろそろ一歩踏み出す時期ではないかと思ってはいる。
だが、いざとなると、昔のトラウマが頭をもたげてしまい、なかなか勇気が出ないのだ。
「ほら、ランス様、今が頑張りどきですって」
傍で聞いていたヘルマンまでもが私の背中を押す。
「ちょうど晩餐の準備も整いましたし、エスコートに行かれてはどうでしょう?」
そう提案するノイマンの表情には、子供の頃から私を見守ってきたからか、慈愛に満ちた、親のような優しくも力強い笑みが浮かんでいた。
◇
ヘルマンに言われ、着替えてから彼女のいる部屋へと向かう。
客室ではなく、公爵夫人用の、昔母上が使っていた部屋に案内され、「やはり……」と思わずこめかみを押さえる。
項垂れる私にヘルマンが苦笑する。
「まあ、玄関の歓迎がアレでしたしね……」
「あの歓迎から嫌な予感はしていましたが、まさか本当に若奥様扱いをしているとは……ロベリア嬢はどう思ったのか……」
「部屋を変えていないところを見ると、大丈夫な気もしますけどね?」
ヘルマンは軽く励ますようにそう言って、隣の扉をじっと見る。
隣は主寝室になっていて、そのさらに奥にある主人の部屋とこの夫人の部屋、双方に繋がる扉がある。
つまりは、公爵夫婦のために作られた寝室だ。
「ランス様も今夜はあちらを使われますか?」
冗談めかしてそう告げるヘルマンを一瞥して、ひとまず私はロベリア嬢の部屋をノックした。
けれど、返事は返ってこない。
もう一度ノックする。
すると、中からジョアンナが姿を見せた。
「ロベリア様はよほどお疲れだったのか先ほどから、ソファでうとうとされておられまして……」
小声でそう言って、少し扉を開いて、私とヘルマンを静かに中へと招き入れる。
そして、ソファで眠る彼女を、いや、彼女たちの姿に思わず口元と声を必死に抑えた。
(ええ!? 何!? 何なの!? もうほんと、可愛いがすぎるのよ~~~!!!)
目の前には穏やかな表情でスヤスヤ眠るロベリア嬢と、その傍に寄り添って身を丸めるリアとルドの姿があった。
「これはまた……ランス様大丈夫ですか?」
小声で心配するヘルマンに、体を震わせながらブンブンと首を横に振る。
大丈夫なわけがない。
気を抜けば今にも大声で叫び出してしまいそうだ。
「ああ~~やっぱりそうですよね……ですが、我慢してくださいね。ロベリア嬢が起きてしまいますよ」
それはわかっている。
私はコクコクと頷くので精一杯だ。
「さすがにご令嬢にこの長旅はキツかったのでしょう。ベッドにお運びしたほうが良さそうですね」
そう言って、ヘルマンは使用人たちを呼びに向かおうとする。
けれど、ふと使用人たちが彼女を抱えるのを想像したら、急に胸の辺りがモヤっとして、先ほどまでの興奮がおさまった。
どうやら私は自分が思っていたよりも狭量らしい……。
「いえ、ヘルマン、彼女は私が運びます」
ヘルマンは私の言葉に一瞬目を見開くと、嬉しそうに微笑んだ。
「他の者に触れさせたくない、と。やはり春ですね~」
「! ……認めますから、その緩み切った顔はやめてください」
「承知しました」
ヘルマンは笑いを堪えながら頷いた。
そして、いざ気を取り直して、再びロベリア嬢へと近づく。
ロベリア嬢の傍では、先ほどと変わらず「くま吉」二匹がピッタリくっついて、気持ちよさそうにスリスリしている。
私に気づいた二匹がふとこちらを見る。
サファイアの目をしたリアがこちらに向かってふよふよと飛んできた。
(え!? ええ!? なになになになに!? 私にもスリスリしてくれるの!?)
声を出さないことに必死なのに、そんなサービスをされてしまった日には我慢ができそうにない。
焦りと喜び、相反する気持ちと闘っていた私の目の前まで来たリアは、口元に手を添えて「シーッ」と言うと、ルドの元へと戻っていく。
「かわ、かわっ、可愛い~~~(小声)」
結局我慢ができず、うっかり声にならない声で叫びを上げる。
その声に今度は二匹揃ってこちらを向いて「シーッ」と言ってくる。
(可愛すぎでしょ!! こんなの……新手の拷問だわ……!)
とはいえ、よほど疲れているのか、ロベリア嬢が起きる気配は全くない。
今のうちに運んでしまおうと、小声で「失礼」とだけ声を掛け、彼女を担ぎ上げた。
その瞬間、ふわっと甘い香りが広がる。
それと同時に彼女のまぶたがゆっくりと持ち上がる。
「ん……あ、れ? う~ん……」
起こしてしまったことと、彼女の普段は見せない気だるい様子に、私の心臓がはねる。
動揺をさとられないよう、必死に平静を装い、声をかける。
「お目覚めですか? お姫様」
「……わたし、まだ夢を見ているのかしら……」
自分で思っている以上に甘い声が出て驚きつつも、うっとりとこちらを見つめるロベリア嬢の反応に、満更でもない気持ちになり、彼女を支える腕に力を込める。
すると、ロベリア嬢はクスッと笑うと、急に腕に顔を近づけ頬を擦り寄せた。
「ろ、ロベリア嬢っ……」
先ほどよりも甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「ふふ。なんだかあたたかくって、気持ちが良い……」
笑顔でそう言った彼女は、再び夢の世界へと落ちていった。
「この不意打ちはあんまりです、ロベリア嬢……ああもう、ほんとにこのまま抱きしめてどこかへ攫ってしまいたい。どうしてくれようか……」
そんな不埒な衝動と戦う私をよそに、彼女はスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。
その寝顔を見ているだけで、たまらない気持ちが湧き上がってきてしまう。
「どうやら私は、あなたを侯爵邸に帰したくないようだ」
私の呟きに、寝室の扉を開けて待機していたヘルマンはニヤニヤしている。
ああもう、認めよう。
私はロベリア嬢を手放したくはないのだと。
私はそっと彼女を寝室のベッドへ運び、あとはジョアンナに任せて部屋を出た。
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