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誓い
聖女認定を受け、伝説級の属性と魔力の測定が出た後、私はさまざまな誘いを全て断り、早々に侯爵邸に帰って来た。
(ようやく、全部終わった~~!!)
あの後、私の完全なチート能力に大騒ぎした師団長と神官たちが私を取り込もうと色んな提案をしてきた。
中でも神官たちは私を聖女と崇めて、神殿の求心力を高めようとしているのが見え見えだった。
ノルン師団長は言わずもがな、魔法研究への協力。
そんな中、終始唸りながら様子を伺っていた国王陛下が私の希望を聞き、静かに暮らすことを認めてくださったのだ。
ちなみに国王陛下は、神官たちが入室してきた際、リアやルドを隠すファインプレーもしてくださっていた。
そんな陛下にランス様も満足そうな様子で、お父様だけが最後までずっとオロオロして心配になった。
それはランス様も同じだったようで……帰りの馬車の中ではランス様がお父様に、私に関する話が来たら必ず自分に相談するよう話していた。
まあ、王命が使える国王陛下が味方なら、きっとこれ以上何か言ってくることはないだろうけど。
侯爵邸に着くと、レイノルドが笑顔で迎えてくれた。
『聖女』と認定されたことや属性確認と魔力測定の話を聞いて、お父様と同じくオロオロし始める。
「あ、姉上が聖女!? それにそんな結果……ハーティス公爵、姉上は大丈夫なのですか!?」
「大丈夫です。ロベリアは必ず私が守りますし、幸せにします!」
そんなことを弟にまで言うランス様に顔が火照ってしまうけど、それを聞いたレイノルドは心底安心した様子で……。
父息子揃ってランス様頼りなことにビックリした。
ランス様は、私が聖魔法を使えることも、測定不能な魔力も全く気にする様子はなく。
終始、婚約についての話を嬉しそうにしていて、私の中でモヤモヤしていた気持ちがどんどん晴れていく。
私の気持ちを考えて、あえてなのか、それともただ今話すべきだからなのか……。
最後、私の引越しの日程について話し合い、一ヵ月後に決まった。
◇
ランス様から帰る前に二人だけで話がしたいと言われ、お父様の許可を得て、私の部屋で話すことになった。
(話っていったい何!? さすがに婚約破棄はないと思うんだけど……ああでも、聖女とかチート能力とか色々知って「私には君の夫は荷が重い……」とか思われてたら!? あり得るかもしれない……)
マイナスなことを考え出したら止まらず、頭の中でぐるぐるとよからぬことを考えてしまう。
その上、隣に座っているランス様まですごく緊張した面持ちで、時より下を向いてブツブツ言っているから、変な考えが過るのだ。
(ええ~~やっぱり聖女、ダメなのかな……)
今にも泣き出してしまいそうな状態になっていると、意を決したのかランス様が私の方に体を向け、悩ましげな表情のまま、私の名を呼んだ。
「……ロベリア嬢」
「は、はい」
(あれ? なぜ「嬢」が付いてるのかしら……?)
「今日、あなたは聖女で、すごい能力を持っていることが正式にわかりました」
「はい」
「その上でも……あなたは私を選んでくださいますか?」
「え!? ランス様、一体何をおっしゃるのです!?」
「私は単なる公爵に過ぎません。国王でも勇者でも、騎士団長でも魔術師団長でもありません!」
「どういう意味ですか……?」
必死に言い募るランス様の意図がわからず、問いかける。
けれど、私の問いには答えないまま、ランス様はその場に跪き、私の手を取った。
彼の真剣な眼差しが私を囚える。
「…………ですが、あなたを愛する想いだけは誰にも負けません! それだけは自信をもって言えます! ですから、私の手を取ってほしい。ずっと私のそばにいて欲しいんだ……」
真っ直ぐ向けられたエメラルドの瞳が少し揺らいでいるように見えて、思わず彼の手を取り頷く。
なぜか彼の姿が滲んで見え始め、滲む視界の中でレースがたくさん入ったハンカチを取り出すのが見えた。
そして、気がつくと私の左手の薬指には可愛らしいエメラルドのついた指輪がはまっていた。
「婚約指輪です。この国ではあまり贈らないそうなのですが、異国では虫除けになると伺いましたので……」
(今さらっと何か言ったような……)
彼の瞳よりも少し青に近いエメラルド。
まるで私と彼の色を足したような、その宝石に、思わず笑みを浮かべる。
その上、宝石はもちろんなのだけれど、ハートが彫り込まれたデザインがとてつもなく可愛い。
「ありがとうございます。この指輪……小さいハートが無茶苦茶可愛い~~~!! こんなに可愛い指輪、初めて見ました!!」
「さすが可愛いものが大好きなランス様!」と続けると、どうやらいつものスイッチが入ってしまったらしい。
「そうなのよ!! もうもう、めちゃめちゃ可愛いでしょ~~!! 店頭で見た瞬間、そのハートの細工に一目惚れしちゃったのよ!! あんまりに可愛過ぎてお店の中で叫んじゃうのを必死に我慢したのよー!!」
すっかりスイッチの入ったランス様はとても楽しそうに力説する。
お店で必死にこらえたランス様が容易に想像できてしまう。
(やっぱりランス様はこうでなくっちゃ!)
そんなオネエモードのランス様に後押しされて、指輪を見てすぐ思ったことをちゃんと伝えることにした。
「あの、デザインもですが、この宝石がなんだか……私とランスの瞳の色を合わせたみたいで、なんだか嬉しくて……」
照れながら満面の笑みを浮かべると、意図に気付いたことにランス様も嬉しそうに微笑む。
そして、再びソファに座り、今度は私を引き寄せた。
「きゃっ」
「ふふ。……ロベリア、私を選んでくれてありがとう。一生大事にすると誓います」
「私も誓います……ランス」
そうして、至近距離で見つめ合い、どちらからともなくゆっくりと目を閉じる。
触れ合った唇が離れて、再び目を開けると大好きで愛しい人の、幸せいっぱいの笑顔があった。
(ようやく、全部終わった~~!!)
あの後、私の完全なチート能力に大騒ぎした師団長と神官たちが私を取り込もうと色んな提案をしてきた。
中でも神官たちは私を聖女と崇めて、神殿の求心力を高めようとしているのが見え見えだった。
ノルン師団長は言わずもがな、魔法研究への協力。
そんな中、終始唸りながら様子を伺っていた国王陛下が私の希望を聞き、静かに暮らすことを認めてくださったのだ。
ちなみに国王陛下は、神官たちが入室してきた際、リアやルドを隠すファインプレーもしてくださっていた。
そんな陛下にランス様も満足そうな様子で、お父様だけが最後までずっとオロオロして心配になった。
それはランス様も同じだったようで……帰りの馬車の中ではランス様がお父様に、私に関する話が来たら必ず自分に相談するよう話していた。
まあ、王命が使える国王陛下が味方なら、きっとこれ以上何か言ってくることはないだろうけど。
侯爵邸に着くと、レイノルドが笑顔で迎えてくれた。
『聖女』と認定されたことや属性確認と魔力測定の話を聞いて、お父様と同じくオロオロし始める。
「あ、姉上が聖女!? それにそんな結果……ハーティス公爵、姉上は大丈夫なのですか!?」
「大丈夫です。ロベリアは必ず私が守りますし、幸せにします!」
そんなことを弟にまで言うランス様に顔が火照ってしまうけど、それを聞いたレイノルドは心底安心した様子で……。
父息子揃ってランス様頼りなことにビックリした。
ランス様は、私が聖魔法を使えることも、測定不能な魔力も全く気にする様子はなく。
終始、婚約についての話を嬉しそうにしていて、私の中でモヤモヤしていた気持ちがどんどん晴れていく。
私の気持ちを考えて、あえてなのか、それともただ今話すべきだからなのか……。
最後、私の引越しの日程について話し合い、一ヵ月後に決まった。
◇
ランス様から帰る前に二人だけで話がしたいと言われ、お父様の許可を得て、私の部屋で話すことになった。
(話っていったい何!? さすがに婚約破棄はないと思うんだけど……ああでも、聖女とかチート能力とか色々知って「私には君の夫は荷が重い……」とか思われてたら!? あり得るかもしれない……)
マイナスなことを考え出したら止まらず、頭の中でぐるぐるとよからぬことを考えてしまう。
その上、隣に座っているランス様まですごく緊張した面持ちで、時より下を向いてブツブツ言っているから、変な考えが過るのだ。
(ええ~~やっぱり聖女、ダメなのかな……)
今にも泣き出してしまいそうな状態になっていると、意を決したのかランス様が私の方に体を向け、悩ましげな表情のまま、私の名を呼んだ。
「……ロベリア嬢」
「は、はい」
(あれ? なぜ「嬢」が付いてるのかしら……?)
「今日、あなたは聖女で、すごい能力を持っていることが正式にわかりました」
「はい」
「その上でも……あなたは私を選んでくださいますか?」
「え!? ランス様、一体何をおっしゃるのです!?」
「私は単なる公爵に過ぎません。国王でも勇者でも、騎士団長でも魔術師団長でもありません!」
「どういう意味ですか……?」
必死に言い募るランス様の意図がわからず、問いかける。
けれど、私の問いには答えないまま、ランス様はその場に跪き、私の手を取った。
彼の真剣な眼差しが私を囚える。
「…………ですが、あなたを愛する想いだけは誰にも負けません! それだけは自信をもって言えます! ですから、私の手を取ってほしい。ずっと私のそばにいて欲しいんだ……」
真っ直ぐ向けられたエメラルドの瞳が少し揺らいでいるように見えて、思わず彼の手を取り頷く。
なぜか彼の姿が滲んで見え始め、滲む視界の中でレースがたくさん入ったハンカチを取り出すのが見えた。
そして、気がつくと私の左手の薬指には可愛らしいエメラルドのついた指輪がはまっていた。
「婚約指輪です。この国ではあまり贈らないそうなのですが、異国では虫除けになると伺いましたので……」
(今さらっと何か言ったような……)
彼の瞳よりも少し青に近いエメラルド。
まるで私と彼の色を足したような、その宝石に、思わず笑みを浮かべる。
その上、宝石はもちろんなのだけれど、ハートが彫り込まれたデザインがとてつもなく可愛い。
「ありがとうございます。この指輪……小さいハートが無茶苦茶可愛い~~~!! こんなに可愛い指輪、初めて見ました!!」
「さすが可愛いものが大好きなランス様!」と続けると、どうやらいつものスイッチが入ってしまったらしい。
「そうなのよ!! もうもう、めちゃめちゃ可愛いでしょ~~!! 店頭で見た瞬間、そのハートの細工に一目惚れしちゃったのよ!! あんまりに可愛過ぎてお店の中で叫んじゃうのを必死に我慢したのよー!!」
すっかりスイッチの入ったランス様はとても楽しそうに力説する。
お店で必死にこらえたランス様が容易に想像できてしまう。
(やっぱりランス様はこうでなくっちゃ!)
そんなオネエモードのランス様に後押しされて、指輪を見てすぐ思ったことをちゃんと伝えることにした。
「あの、デザインもですが、この宝石がなんだか……私とランスの瞳の色を合わせたみたいで、なんだか嬉しくて……」
照れながら満面の笑みを浮かべると、意図に気付いたことにランス様も嬉しそうに微笑む。
そして、再びソファに座り、今度は私を引き寄せた。
「きゃっ」
「ふふ。……ロベリア、私を選んでくれてありがとう。一生大事にすると誓います」
「私も誓います……ランス」
そうして、至近距離で見つめ合い、どちらからともなくゆっくりと目を閉じる。
触れ合った唇が離れて、再び目を開けると大好きで愛しい人の、幸せいっぱいの笑顔があった。
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