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ぼっちと幼女
幼女×2がいる日常
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結局、二人は朝になるまで一度も起きてこなかった。
あれだけ泣いて、怯えて、安心して――そりゃあ疲れていたのだろう。
窓の外がじわじわと明るみ始めた頃、俺は一人で軽く体を動かしてから、朝ごはんの準備に取りかかった。
メニューは、フレンチトーストもどき。
卵と牛乳(正確には牛っぽい何かの乳)を混ぜて、適当なパンもどきを浸して焼いただけの簡単なやつだが、
表面はこんがり、中はふんわり、砂糖と少しの蜜をかければ、それなりに見栄えもする。
焼き上がった香りに誘われるようにして起きてきた二人は、
まだ少し眠そうな目のまま椅子に座り、一口かじった瞬間に目をキラキラさせながら食べていた。
ほんとかわいい。
小さな口を目一杯開けて、もぐもぐと夢中で頬張る姿は、見ているだけで飯が進むレベルだ。
朝食を食べ終わり、ひと段落したところで、俺はタイミングを見計らって話を切り出した。
「今から家族会議をしたいと思います!」
できるだけ真面目っぽく、でも堅くなりすぎないように宣言すると――。
「にーに!」
元気な声で呼びかけられる。
「どうした?」
「のせて!」
どや顔で両手を伸ばしてくるシロ。
「のせて」の一言に込められた意味を一瞬で理解するのは難しいが、この状況で考えられるのは一つ。
肩車だろうか?
何が正解かは分からないが、とりあえず肩に乗せてみる。
「ほれっ」
「やったー!」
即座に大歓声。
小さな足が俺の胸のあたりにぴたっと当たって、腕が頭の上に回される。
ミドリはきちんと椅子に座って、俺が話すのを待っている――ように見えていたが、
実際は、シロが肩の上でキャッキャしているのを、じとーっと羨ましそうに眺めていた。
「では、第1回緊急家族会議を開始します」
「ます!」
「いいなぁ…」
ミドリが、小さく、でもはっきりとした羨望の声を漏らした。
あ、これ、静かに待ってたんじゃなくて、シロの肩車が羨ましくて落ち込んでたのか。
「仕方ない。ミドリは膝の上な」
「わぁい…!」
ぱぁぁぁっと効果音が付きそうなくらい明るく笑い、遠慮がちに、でも嬉しそうに俺の膝に登って来た。
両肩にシロ、膝の上にミドリ。これ、リビングのテーブルを囲む意味ないな。
シロが、上から俺の頭をペシペシと叩いてくる。
「おはなし!」
どうやら、肩車を堪能して暇になってしまったようだ。
……ちがう、そうだ。家族会議中だった。
「本日の議題は『着る服がない』です」
「です!」
シロが元気よく復唱する。
そう、服がないのだ。
俺用の服は二着あったが、着なさすぎて風化してボロボロだった。
六千年前に作ったきり、ほぼ飾りと化していたからなぁ……。
布って、数千年単位の放置には耐えられないのだ。
「かいに……いく……?」
ミドリが、胸の前で手をぎゅっと握りながら問いかけてくる。
「ここから最寄りの街を知らない」
さらっと致命的な事実を伝える。
そう、知らないのだ。
約二万年もこの森の中で生活ができてしまっていたので、街に行く必要が無かった。
そもそも人付き合いが苦手なので、「街に行く」という選択肢を検討したことすらない。
世界は広い。だが、俺の行動範囲は異様に狭い。
「どーしましょー?」
シロが、俺の頭の上でぶらぶらと足を揺らしながら、他人事のように言う。
さて、どうしようか。
買いに行くにしても金を持っていない。
仮に街を見つけても、まず通貨の価値から分からないのだ。
物々交換でゴリ押し、という手もあるが、幼女連れでそれをやるのはさすがに面倒くさい。
「ふく……つくる……?」
ミドリが、俺の腰布をそっと掴みながら言った。
ふむ……悪くはない、な。
「作れるには作れるんだが、子供の服は作ったことがないしな……」
自分の戦闘服やら、防具やら、儀式用のローブやらならいくらでも作ってきたが、
「可愛い日常服」というカテゴリは完全に未経験である。
「シロはねー? かわいいのがいい!」
「ぼく……おちついたの……」
おい?
「作ったことがないって言ってるのにハードルを上げるな」と、心の中で盛大にツッコむ。
シロはとにかく可愛く、ミドリは落ち着いた感じ。
それぞれの希望ははっきりしているが、要求レベルが地味に高い。
仕方ない、作るか…。
「そうか、二人が着ている服をモチーフにして、少し改造すればいいのか!」
今の服の形をベースにすれば、ゼロからの設計よりははるかに楽だ。
サイズも大きく外さないですむ。
「そーなのかー!」
シロが、よく分かっていないながらもノリよく返事をする。
作ると決まったら、次は素材決めだな。
なんの素材を使って作るかな……。
正直な話、この森にいる生物の素材は、ほぼ全部ストックしてあるような気がする。
皮、毛、骨、鱗、謎の粘液。だいたい何でもある。
ちょいと前に狩った羊みたいなやつの毛でも使ってみるか。
ふわふわで保温性も高く、加工しやすい優秀素材だ。
「にーに!」
「ん?」
「のどかわいた!」
シロが、俺の頭の上でぴょんぴょんしながら訴えてくる。
そりゃこんだけ大きな声を出していれば喉も乾くだろうよ。
ジュースでも用意してみるか?
確か家の裏に紫色の果物が実っていたのを覚えている。
発見した時に齧ってみたけど、すっげぇ甘かった。
空間魔法で……いや、風魔法でいいな。
木に実ってる実だけを、風の刃でそっと切り取って浮かせ、そのままこっちまで持ってくる。
「おー!? なんかとんでる!」
「すごい……」
二人とも目を輝かせて、宙を漂う果実を見上げている。
相変わらずシロは俺の頭を叩いているがな。
それ、リアクションの癖になってないか?
さて、この木の実を液体になるまで刻んでっと。
包丁代わりの魔力の刃で、果肉だけを細かく細かく刻んでいくと、
やがて果肉が潰れ、どろりとした果汁へと変わっていく。
「みずになっちゃった!」
「おおぉぉ…」
オレンジでもブドウでもない、妙に妖しい紫色の果汁を前にして、二人は素直な感嘆の声を漏らした。
これに水と氷を少し混ぜて、コップに入れれば完成だ。
ふむ、色は毒々しいけど美味いな。
味は桃とか林檎に近い、優しい甘さだ。
「あまい!」
「これ……すき……」
口に合ったみたいだ。良かった。
ちびちび飲むミドリと、ぐいぐい飲もうとしてこぼしかけるシロ。
性格の差がこんなところにも出る。
感覚的には、これ、ジュース用作物として栽培しても良さそうだな。
暇な時にでも畑とか果樹園でも作ってみるか。
「冷たっ!? シロ! 溢さず飲んでくれ!」
「えー?」
俺の頭の上で飲んでいることを自覚してくれ……。
これ、絶対髪の毛がベタベタになるやつだな。
あとで洗おう……。
それにしても、短い時間にしては結構打ち解けられたな。
二人の気配から、最初に会ったときの尖った警戒心がすっかり消えている。嬉しい限りだ。
「にーに……」
「どうした、シロ」
「しっこでそう」
オイオイオイ。死んだわ、俺。
漏らすなよ? フリじゃないからな?
そこで漏らすのだけは勘弁してほしい。
「おろして!」
「ほいよ」
急いで肩からシロを下ろしてやると、
パタパタと駆け足でトイレに向かって行った。
間に合えばいいんだが……。
その隙に、服の素材を倉庫から取り出しておくか。
羊もどきと、でかいトカゲと……昨日食った熊の毛皮も使えるか?
中綿や補強材としても優秀だし、装飾にも使えそうだ。
「ふぃー! まにあった!」
そうこうしているうちに、シロが胸を張って帰ってきた。
間に合ったようだ。よしよし、床は無事だ。
シロは今、ワンピースみたいなのを着ているから、同じような服でいいか。
少しばかり装飾したりしておけば、きっと気に入ってもらえるだろう。
ミドリはシャツにズボン、といった感じの格好だ。
落ち着いた感じが良いと言っていたので、シンプルにショートパンツとシャツにしておこう。
色味や細かいデザインは、作りながら微調整すればいい。
他に要望があれば、また作ればいい話だからな。
あれだけ泣いて、怯えて、安心して――そりゃあ疲れていたのだろう。
窓の外がじわじわと明るみ始めた頃、俺は一人で軽く体を動かしてから、朝ごはんの準備に取りかかった。
メニューは、フレンチトーストもどき。
卵と牛乳(正確には牛っぽい何かの乳)を混ぜて、適当なパンもどきを浸して焼いただけの簡単なやつだが、
表面はこんがり、中はふんわり、砂糖と少しの蜜をかければ、それなりに見栄えもする。
焼き上がった香りに誘われるようにして起きてきた二人は、
まだ少し眠そうな目のまま椅子に座り、一口かじった瞬間に目をキラキラさせながら食べていた。
ほんとかわいい。
小さな口を目一杯開けて、もぐもぐと夢中で頬張る姿は、見ているだけで飯が進むレベルだ。
朝食を食べ終わり、ひと段落したところで、俺はタイミングを見計らって話を切り出した。
「今から家族会議をしたいと思います!」
できるだけ真面目っぽく、でも堅くなりすぎないように宣言すると――。
「にーに!」
元気な声で呼びかけられる。
「どうした?」
「のせて!」
どや顔で両手を伸ばしてくるシロ。
「のせて」の一言に込められた意味を一瞬で理解するのは難しいが、この状況で考えられるのは一つ。
肩車だろうか?
何が正解かは分からないが、とりあえず肩に乗せてみる。
「ほれっ」
「やったー!」
即座に大歓声。
小さな足が俺の胸のあたりにぴたっと当たって、腕が頭の上に回される。
ミドリはきちんと椅子に座って、俺が話すのを待っている――ように見えていたが、
実際は、シロが肩の上でキャッキャしているのを、じとーっと羨ましそうに眺めていた。
「では、第1回緊急家族会議を開始します」
「ます!」
「いいなぁ…」
ミドリが、小さく、でもはっきりとした羨望の声を漏らした。
あ、これ、静かに待ってたんじゃなくて、シロの肩車が羨ましくて落ち込んでたのか。
「仕方ない。ミドリは膝の上な」
「わぁい…!」
ぱぁぁぁっと効果音が付きそうなくらい明るく笑い、遠慮がちに、でも嬉しそうに俺の膝に登って来た。
両肩にシロ、膝の上にミドリ。これ、リビングのテーブルを囲む意味ないな。
シロが、上から俺の頭をペシペシと叩いてくる。
「おはなし!」
どうやら、肩車を堪能して暇になってしまったようだ。
……ちがう、そうだ。家族会議中だった。
「本日の議題は『着る服がない』です」
「です!」
シロが元気よく復唱する。
そう、服がないのだ。
俺用の服は二着あったが、着なさすぎて風化してボロボロだった。
六千年前に作ったきり、ほぼ飾りと化していたからなぁ……。
布って、数千年単位の放置には耐えられないのだ。
「かいに……いく……?」
ミドリが、胸の前で手をぎゅっと握りながら問いかけてくる。
「ここから最寄りの街を知らない」
さらっと致命的な事実を伝える。
そう、知らないのだ。
約二万年もこの森の中で生活ができてしまっていたので、街に行く必要が無かった。
そもそも人付き合いが苦手なので、「街に行く」という選択肢を検討したことすらない。
世界は広い。だが、俺の行動範囲は異様に狭い。
「どーしましょー?」
シロが、俺の頭の上でぶらぶらと足を揺らしながら、他人事のように言う。
さて、どうしようか。
買いに行くにしても金を持っていない。
仮に街を見つけても、まず通貨の価値から分からないのだ。
物々交換でゴリ押し、という手もあるが、幼女連れでそれをやるのはさすがに面倒くさい。
「ふく……つくる……?」
ミドリが、俺の腰布をそっと掴みながら言った。
ふむ……悪くはない、な。
「作れるには作れるんだが、子供の服は作ったことがないしな……」
自分の戦闘服やら、防具やら、儀式用のローブやらならいくらでも作ってきたが、
「可愛い日常服」というカテゴリは完全に未経験である。
「シロはねー? かわいいのがいい!」
「ぼく……おちついたの……」
おい?
「作ったことがないって言ってるのにハードルを上げるな」と、心の中で盛大にツッコむ。
シロはとにかく可愛く、ミドリは落ち着いた感じ。
それぞれの希望ははっきりしているが、要求レベルが地味に高い。
仕方ない、作るか…。
「そうか、二人が着ている服をモチーフにして、少し改造すればいいのか!」
今の服の形をベースにすれば、ゼロからの設計よりははるかに楽だ。
サイズも大きく外さないですむ。
「そーなのかー!」
シロが、よく分かっていないながらもノリよく返事をする。
作ると決まったら、次は素材決めだな。
なんの素材を使って作るかな……。
正直な話、この森にいる生物の素材は、ほぼ全部ストックしてあるような気がする。
皮、毛、骨、鱗、謎の粘液。だいたい何でもある。
ちょいと前に狩った羊みたいなやつの毛でも使ってみるか。
ふわふわで保温性も高く、加工しやすい優秀素材だ。
「にーに!」
「ん?」
「のどかわいた!」
シロが、俺の頭の上でぴょんぴょんしながら訴えてくる。
そりゃこんだけ大きな声を出していれば喉も乾くだろうよ。
ジュースでも用意してみるか?
確か家の裏に紫色の果物が実っていたのを覚えている。
発見した時に齧ってみたけど、すっげぇ甘かった。
空間魔法で……いや、風魔法でいいな。
木に実ってる実だけを、風の刃でそっと切り取って浮かせ、そのままこっちまで持ってくる。
「おー!? なんかとんでる!」
「すごい……」
二人とも目を輝かせて、宙を漂う果実を見上げている。
相変わらずシロは俺の頭を叩いているがな。
それ、リアクションの癖になってないか?
さて、この木の実を液体になるまで刻んでっと。
包丁代わりの魔力の刃で、果肉だけを細かく細かく刻んでいくと、
やがて果肉が潰れ、どろりとした果汁へと変わっていく。
「みずになっちゃった!」
「おおぉぉ…」
オレンジでもブドウでもない、妙に妖しい紫色の果汁を前にして、二人は素直な感嘆の声を漏らした。
これに水と氷を少し混ぜて、コップに入れれば完成だ。
ふむ、色は毒々しいけど美味いな。
味は桃とか林檎に近い、優しい甘さだ。
「あまい!」
「これ……すき……」
口に合ったみたいだ。良かった。
ちびちび飲むミドリと、ぐいぐい飲もうとしてこぼしかけるシロ。
性格の差がこんなところにも出る。
感覚的には、これ、ジュース用作物として栽培しても良さそうだな。
暇な時にでも畑とか果樹園でも作ってみるか。
「冷たっ!? シロ! 溢さず飲んでくれ!」
「えー?」
俺の頭の上で飲んでいることを自覚してくれ……。
これ、絶対髪の毛がベタベタになるやつだな。
あとで洗おう……。
それにしても、短い時間にしては結構打ち解けられたな。
二人の気配から、最初に会ったときの尖った警戒心がすっかり消えている。嬉しい限りだ。
「にーに……」
「どうした、シロ」
「しっこでそう」
オイオイオイ。死んだわ、俺。
漏らすなよ? フリじゃないからな?
そこで漏らすのだけは勘弁してほしい。
「おろして!」
「ほいよ」
急いで肩からシロを下ろしてやると、
パタパタと駆け足でトイレに向かって行った。
間に合えばいいんだが……。
その隙に、服の素材を倉庫から取り出しておくか。
羊もどきと、でかいトカゲと……昨日食った熊の毛皮も使えるか?
中綿や補強材としても優秀だし、装飾にも使えそうだ。
「ふぃー! まにあった!」
そうこうしているうちに、シロが胸を張って帰ってきた。
間に合ったようだ。よしよし、床は無事だ。
シロは今、ワンピースみたいなのを着ているから、同じような服でいいか。
少しばかり装飾したりしておけば、きっと気に入ってもらえるだろう。
ミドリはシャツにズボン、といった感じの格好だ。
落ち着いた感じが良いと言っていたので、シンプルにショートパンツとシャツにしておこう。
色味や細かいデザインは、作りながら微調整すればいい。
他に要望があれば、また作ればいい話だからな。
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