職場が悪役令嬢化した~後輩が職場を乗っ取ってお局化した話~

コールセンター子

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6 悪役令嬢化完成

帰宅してから気付く

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帰ってから、私は呆然とした。

タチウオさんの口調は、私を「敵」と認定していた。
注意された内容には、「もっと周囲を手伝って欲しい」という内容も含まれていた。
入社してから1年間と少し、電話デビューしてから1年間。業務が増えてから半年。
苦しいことも相談しながらほぼ一人で業務をこなし、一生懸命支えてきたことは無意味だった。
「周囲を手伝わない人」と思われてしまっているのだ。

そして、ようやくここで私は気付いた。
タチウオさんは、悪役令嬢に洗脳された王子様になってしまっていることに。
タチウオさんはとっくに攻略完了されていたのだ。
つまり、公平で優しいタチウオさんは、シラコちゃんの味方としてとっくに洗脳されていた。

私がどんなに仕事を効率化しようが無駄だし、
私がどんなにエクセルで仕事が簡単になるツールを作っても無駄だ。
私がどんなにミスが出ないように仕組みを作っても無駄だ。
だってそんなことタチウオさんは望んでないから。
効率厨の私の自己満足に近いから。
分かってやっていたからそこはしょうがない。

そのこととは別に、ミスが出てもいい、理解が遅くてもいい、「タチウオさん助けて」と言った方が信頼は生まれたという事実は私を打ちのめした。
どんなに私がツラいと訴えても、タチウオさんを巻き込んだ解決方法を考えつかなかった時点で私の負けなのだ。
この職場は、正確さや効率より、タチウオさんを常に頼って、にこにこ笑って幸せそうにしてみんなと仲良くする方が求められている。
周囲に合わすことをやめて笑えなくなったときから、私はこの職場にそぐわなくなっていた。

信頼を失った私は、「シラコちゃんとヒラメ
さんを守るための敵」になっていた。

私がどんなに訴えても、実績があっても、私には結局信頼がない。
洗脳終了しているタチウオさんには、もう私の言葉は届かないだろう。
そもそも、私が苦しかった理由が理解できていなかった可能性がある。
私がどう言おうがシラコちゃんは「夜歩き回る人」ではなく、「体が弱い人」だ。
私が相談すればするほど「ちゃんと仕事をやりたい人」ではなく、「仕事を頼むと嫌がる人」になっていく。

「シラコちゃんと再度仲良くしてくれ」と言うことは、私に「ストレスで体調を崩す世界に戻れ」と言うこと同じだ。
けれど、そこはタチウオさんには見えないのだ。
シラコちゃんを守る方が優先している。
あんなに相談したのに、あんなに訴えたのに、私は不器用だから本当の意味で届いていなかったのだ。



そして今日に至る。

私は気持ちを整理するためこの小説をここまで連休中に一気に書き上げた。
私は泣きたかったのだろう。
この小説を書きながらちょっと泣いてしまった。
そんなに届かないものなの?とツラかったのだ。

悪役令嬢として判断されるのは、シラコちゃんを無視しはじめた私か、タチウオさんを洗脳したシラコちゃんかは読者に任せる。

今現在、転職活動を始めようと思っている。
人間関係悪化も原因だが、一番は冷房がツラいからだ。
このままだと冷房に体をやられそうだ。

私が抜けたら、私の業務をこなすことはシラコちゃんには難しいだろう。
そもそも同じミスを半年以上続けるほど事務能力が低い。
ヒラメさんが一人前になるにはもう少しかかるだろう。
今まで人が少なくてもなんとか回ってきたのは、サワラさんと私のおかげだ。
サワラさんも私も三人分の業務を一人でやる力があったが、二人にはなさそうだ。
このまま私がいなくなればタチウオさんの残業は増え、土曜日出勤が増え、人がいなかった時期以上に業務が停止する可能性がある。
私を一番大事にしておいた方が、どんなに人が辞めても回る部署になるのになあ、なんて思ってしまう。

仕事がどれぐらいできるかより、仲良くできる人の方が求められてるんだから、上司の残業が増え続ける世界を堪能したらいい。
とちょっと私が退職することで「ざまぁみろ」を求めてしまっている私がいる。

夏が終わるまでに転職先を見つけることできるかなあ。
「転職するまで冷房から体調を守り切れるか」が今後の課題となりそうだ。

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