職場が悪役令嬢化した~後輩が職場を乗っ取ってお局化した話~

コールセンター子

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5 冷気との戦い

新たな敵

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私が無視するようになってから、シラコちゃんは休まなくなった。
休んでも心を乱さないようにしていたのに残念なことである。
そのため、ヒラメさんがデビューして仕事が減ったのは、私ではなくシラコちゃんだった。
ますますやることがなくなったシラコちゃんは一日中ネットとスマホに向き合っている。
私は無視を決めた自分を褒めた。
これを横で見ながら仕事をすることは本当にツラい。

毎日数時間行われていたシラコちゃんを中心とした座談会が減った。
シラコちゃんが気を遣って無理矢理私を会話に引き込もうとすることがなくなり、本当に過ごしやすくなった。

そんな中夏を迎えた。
エアコンのスイッチが入るようになった。
私の席は一番奥でエアコンが効きやすい場所にある。
スイッチが入ると、装置は天井にあるのに、足下から冷気が上がってくるようになった。
エアコンを掃除したせいかもしれない。
私はエアコン嫌いで家ではあまりスイッチを入れない。
一番エアコンを必要としない人が一番効く席になってしまっていた。

1週間ほどたってから嫌なことが分かった。
私が我慢の限界を告げて温度を上げてもらうと、もわんとした熱気がこもり、
私が宣言しないと、極寒になるのだ。

部署のエアコンは隣と連動している。
隣と言っても書類入れだけで区切られている場所だ。
隣の部屋は男性ばかりで、「大丈夫合わせるよ」と声かけしてくれていたものの、「これつらい。寒いわ」と帰り際に申し訳なさそうにこぼすようになった。
私だけが寒いと感じているわけではないことに安心したが、嫌なことが判明した。
新人ヒラメさんは北海道出身で、極寒にしないと倒れてしまうようなのだ。
ヒラメさんの席は窓側で、窓からの熱気でエアコンが効きにくく見えた。

私は困ってダウンベストを古着屋で買ってきて羽織ったが効果がなかった。
許可をもらって冬用の小さなヒーターを引っ張りだし、机の下に置いたらずいぶんマシになった。
ただ、調整が難しい。
冷気を感じてヒーターの温度を上げ、熱くなりすぎたらヒーターを下げることを繰り返していたら、仕事への集中が難しくなってきた。

「席を代わりませんか」
とヒラメさんに提案したら、
「私は充分に冷えています。私の隣に来たらいいんじゃないですか。あったかいですよ」
と訳の分からないことを言い始めた。
この部署は、感染症対策のために、半分の席を使っていなかった。
一番冷房が必要な人に、一番冷える場所に来て欲しいだけだったのだが、職場を居心地悪くした私の言うことは聞きたくないようだった。

私は、ダウンベストとヒーターを武器に夏を過ごさないといけなくなってしまった。
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