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19 人面魚の皮算用
しおりを挟むあちこち町をうろついてはみたものの。
ドラちゃん(ドラゴンさんの仮称)はあれ以降、私に寄って来てはくれなかった。
彼はただ側にいて。時折、ちらちらと姿を見せてくれるだけ。
私を見る度にその目を少年のようにキラキラさせながら…礼儀正しく大人しく、距離を取られてしまう。
正直ちょっと物足りない。もうちょっと、こう、手を繋いだりだとか。イチャイチャしてみたいなー、なんて思いはある。
でも。冷静に考えると。
そもそも私は最初の段階で仏頂面&真正面スルーをかましている訳で。
その私と、こうして1日付き合ってくれているなんてことの方が、むしろ奇跡に近いのだろう。
もしかして。
ああ、もしかして。
私の恋愛スキルが底辺を突き破り地面に衝突した挙げ句に事故を起こしていようとも。ドラちゃんならば呆れずに側にいてくれるのではなかろうか…?
そうだと良いな。
それに。これだけのんびりした相手なら私も安心して過ごせるし。あまり事故も起こさないですむ、ような気がする。
ああ嬉しい。へっへっへっ。
どうやらドラちゃんは。私にとって。
すんなり付き合うことのできる相手ぽい!
私はルンルンと舞い上がり。背後にドラちゃんの気配を感じながら、神殿へと続く坂道を登って行った。
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