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21 再び出会う
しおりを挟む神殿の宿も二泊目となると慣れたもの。
シャワー場で体や下着や靴下を洗い、洗濯物を干したらあとは適当な部屋を選んで寝るだけだ。
今日はどこの部屋にしようかなー、なんて思いながら廊下をぶらぶら歩いていると。半分ほど来たときに手前の廊下がミシッと音を立てた。
ロウソクの薄暗い灯りの中に立っているのはドラちゃんだ。
あれ?
よく1人で来れたね、とか。こっち来て大丈夫なの、とか。そういう言葉が脳裏にあるのに出てこない。
シンとした廊下をドラちゃんがゆっくり歩いて来る。
なんだか彼の姿に違和感があるような。なんだろなー。
……………!?
身長が。昼間と変わっている。
ドラちゃんの身長は。私が頭をコテンと寄せれば彼の肩辺りにおさまる高さになっていた。少女マンガの挿し絵でピタリとくる構図。それはもうバッチリの高さに。
つまり。身長を。調整してきた!
っ、こんなの。今日の昼間と夜で思いっきしバレるのに。これは隠す気がない、むしろ意図をハッキリ明確にする勢いだ。
“好きになって”と。そういう意図が。
まるっと外に出てる。
ちょ、んな、死ぬよ!?自分の心の一番柔らかい部分を。不用意にまるっと出すなーー!!
……なのに目の前にいるドラちゃんてば。やたら安定して見え…。
ああそうか。
ドラちゃんは。
安定して苛烈なんだな。
そう思うと何かがストンと心に落ちた。
なんだかおかしな感じがする。無くしてしまった何かが戻ってきたような。ずっと待っていた相手がやっときたような。
なんで。ガチで大泣きしそう。
………それと同時に。私はもうひとつ困った事態に陥っていた。
その。ドラちゃんの身長の調整っぷりは完璧だった。完璧すぎて……。
出オチも完璧だったのだ。
衝撃のあまり私の表情が抜け落ちたのはむしろラッキーだった。今、爆笑なんかしたら間違いなく無用の誤解を産む。
絶対に笑ってはいけない!!
私は必死で腹筋を固め、ひたすら顔の力を抜いた。腹筋が先にアウトになるか、涙腺が先に崩壊するか…。もはや訳がわからない。
そんな状態だったので。
これはドラちゃんが夜這いにきた場面だったのだ、ということに。くっ付かれるまで気づかなかった。
ドラちゃんインパクト強すぎ。
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