8 / 107
愛の目覚め 君さえ良かったら…一緒に暮らして欲しいんだ
しおりを挟むペルセ視点
誰かの声が聞こえる。
ゆっくりと目を開けると、見知らぬ男の人がこっちを見ている。立ち上がるのに手を貸してくれる。心配そうに覗き込んでくれている。
「どこか、お怪我はございませんか?
気分が悪かったりしませんか?」
かなり膝を屈んで目線を合わせる様子で尋ねてくれている。
少し考えてから、
「大丈夫そうです。ありがとうございます。」
「あの、それと ここはどこなのか教えていただけますか?」
ミノス視点
良かった。どこも怪我はしてないようだし、何より泣き叫ぶクソガキではないようだ。それどころか随分としっかりとしたお嬢様のようだし。幼顔なのかな?御子神なのは間違いなさそうだけど。
えっと、仕事仕事。御尊名に御用命ね。それに こんだけしっかりとした別嬪の御子神様なら、さぞや親は有名な高位な神だろうし。パパ神かママ神のお名前言えるかな?もしかしてサラブレッドかな?
「はい、ここは冥界と言う地上よりもずっと深い地下の世界です。」
まぁ正解に言うと地下ではないんだけどさ。基本的に暗闇だからそう思われてる。けど、地上から地面を掘っても掘ってもここには辿り着かねえから。こっちのがお子様にはわかりやすいだろう。
そう説明すると すこーし首を傾げて不思議そうな顔してる。
「そうなんですか。」
あっ 納得してない顔だわ。
「ところでまた どうしてこんな所で倒れてたのですか?
申し遅れましたが、私 冥府に勤めている者でミノスと申します。
お嬢様のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「助けて頂きありがとうございます。
私は、私は、うーん。
ごめんなさい、記憶が少し混乱しているみたいです。思い出せないんです。
どうしてここに来たのかも。ただこんな所は初めての見る感じがするので、何処かから来たんだと思います。」
あー やばいかも。
「もしかしてお嬢様はあの川の水を飲みましたか?」
「ごめんなさい、覚えていません。」
「倒れてる近くに 萎れた赤い花があったんですが、見覚えはありませんか?」
「花?萎れているの?」
ピンクの花を差し出して見せると 初めて驚いた顔をして花に手を伸ばす。目を瞑り何か一生懸命に持った花を両手で囲ってる。 だけど段々と可愛い額にうっすらと汗をかいて描き始め、眉間に皺がよる。 やっぱり力 使えるんだ。御子神様に決定。
「ダメだわ、全然 力が入らない。ごめんね。どうして君は元気がないの?お水飲んだ方がいいかしら?近くに水が流れる音がするわ」
「いやー この花は水じゃあダメなんです。しかもあの川の水なんて吸わせると使い物にならなくなる。でもありがとう。私が持ち帰りますので。」
「ところで お名前は覚えておられない様子ですが、何か目的ご用事があって来た訳じゃないんですか? 何か思い出すことは無いですか?」
「ごめんなさい、やっぱり何も思い出せないんです。それより力が入らないんですが、どうしてだかわかります?」
ふーん、名前もわからない事よりも誰かとはぐれたかも知らない事よりも力が使えない事が気にかかるんだ。じゃあ力は普段使いと。まぁ枯れた花を戻そうとするぐらいだものな。
「やっぱり倒れる前にあの横の川の水を飲んだんでしょう。あの川は忘却の河なんです。力の使い方も 一緒に忘れているのかも知れませんしね」
やっぱり少し首を傾けながら、
「今はあまり喉が渇いてる感じはありません。知らない土地の見知らぬ川の水を、喉の渇きが充分に取れるほど たくさん飲む事は無いと思います。だからその水を飲んだ可能性は低いと思います。」
ふむふむ。
「それに たぶん私は臆病な方だと思うんです。好奇心旺盛ではない気がします。だから自分からここに来たのであれば、もう少し色々と服装や持ち物を準備する様なら気がします。何も持っていない。例えどこかに持って来た物を失くしてしまったりだったとしても、この服はちょっとその辺に遊びに行くだけの格好だと思います。
力も、使い方を忘れているのではなくここの場所が何か作用している気がするんです。」
自分の事も、基本的な事もわかっている。礼儀正しいし。しかも賢いようだ。
自分の方が年下だろうから敬語はやめてほしいとか。
きっと高位神の御子神だろうなのに偉そうなところもなし。何より可愛い、将来別嬪に、、いや今でも充分別嬪なお嬢さんだな。
いい意味で親の顔が見てみたい。うん、良いね😊。
おーい!
主?聞いてますか?て言うか見てる?
まったく~。主からは勝手に命令が入って来るのに、こっちの事は聞こえてるのか?見てるのか?わからないなんて不公平だ。
でもこの子なら 冥府宮に連れて行っても大丈夫そうだな。
「とりあえず、ここじゃなんだから 俺ん家(冥府宮)来る?」
え?
「家、ついて行ってもイイんですか?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。
クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。
3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。
ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。
「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
落ちこぼれ村娘、拾った王子に溺愛される。
いっぺいちゃん
恋愛
辺境の村で育った元気娘 ミレイ。
ある日、森で倒れていた金髪の青年を助けるが、
実は彼は国一の人気者 完璧王子レオン だった。
だがレオンは外に出ると人格がゆるみ、
王宮で見せる完璧さは作ったキャラだった。
ミレイにだけ本音を見せるようになり、
彼は彼女に依存気味に溺愛してくる。
しかしレオンの完璧さには、
王宫の闇に関わる秘密があって——
ミレイはレオンの仮面を剥がしながら、
彼を救う本当の王子に導いていく。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
※この作品は「小説家になろう」でも同時投稿しています。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる