アスカニア大陸戦記 皇子二人(Ⅱ) 北方動乱

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北方動乱

第二十八話 ティティス探索 (一)

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 アルとナタリーの入った店は、ピンク色の看板を掲げた妖しげな雰囲気の店であった。

 二人が店の中に入ると、店の奥から妙にクネクネとした身動きの中年男の店員がやって来る。

 店員は、オカマ口調で二人に告げる。

「いらっしゃい。・・・アラッ! お兄さん、良い男ね!! 連れの彼女も、純情そうな可愛い!」

 アルは、戸惑いながら店員に尋ねる。

「すみません、この店は・・・?」

 店員がオカマ口調でアルに答える。

「ウフフ。・・・このお店は、ためのお店よ! 女の子同伴でも、娼婦のお姉さんを呼んで、三人や四人で楽しんでも良いわよ?」

 ナタリーが店員に告げる。

「彼と私の二人で!」

 店員は答えると、二人を席に案内する。

「判ったわ。こっちへ、どうぞ」

 アルは、ランプの赤色の擦りガラスがピンクに照らす店の中を見回しながら、以前に入ったキャスパーシティでの風俗店の事を思い出す。

(げげっ!  この店って、あの類の店か!?)

 店の中は、以前に入った風俗店と似たような造りであった。

 個室には、長いソファーと小さなテーブルがあり、通路と個室はカーテンで仕切るようになっていた。

 アルとナタリーは、店員に個室に案内される。

「こちらへどうぞ。・・・御注文は?」
 
 ナタリーが口を開く。

「エール酒とカクテルで」

「わかったわ」

 オカマ口調の店員は、店の奥に向かって行く。

 隣の部屋から、女性の喘ぎ声が聞こえてくる。

「あぁん、・・・ああっ!・・・あああっ!!」

 ピンク色に包まれた二人きりの部屋にソファーに並んで座ると、アルは落ち着かない様子であったが、ナタリーは落ち着いていた。

 程なく店員が注文した酒を二人の席に持ってくる。

「ごゆっくり、どうぞ」
 
 そう告げると店員は足早に去って行った。





 店員が去って行った後、ナタリーがカーテン越しに通路の様子に聞き耳を立てる。

 ナタリーの行動を不審に思ったアルが尋ねる。

「どうしたんだ?」

 ナタリーが突然、服を脱ぐ。

 ナタリーの手のひらサイズの形の良い双丘が、プルンプルンと揺れながらアルの目の前に現れる。

 ナタリーは、驚くアルの首に腕を回すとソファーの上に寝るように倒れ、自分の上にアルを引き倒す。

「なっ!?」

 アルの耳元でナタリーが囁く。

「シッ! 静かに!!」

 そう告げると、ナタリーはアルにキスする。

 ナタリーの舌がアルの口の中に差し込まれ、中を探る。

 程なく二人の部屋のカーテンを指先で少し開けてカスパニア軍士官が覗き込む。

 行為中を装う二人を見たカスパニア軍士官が呟く。

「へへへ。明るいうちから、盛ってやがる。・・・好きだねぇ~」

 背後で呟く男の声に、アルはカスパニア軍士官が店の中まで見回りに来たことに気付く。

(カスパニア軍の警ら隊か!!)

 カスパニア軍士官は、行為中を装う二人の様子を覗いて呟くと、去って行った。





 カスパニア軍士官が去り、ひと呼吸置いてからアルが呟く。

「ふぅ。・・・行ったか」

 自分の上に乗ったままで安堵するアルに、頬を赤らめてモジモジしながらナタリーが告げる。

「・・・アル、ずっと・・・当たってるの」

「え!?」

「・・・オチ●●ン」

 ナタリーの裸とキスにアルの身体は反応していた。

 勃起したアルの男性器は、服越しにナタリーの下腹部に当たっていた。

「ゴメン」

 アルは、慌ててナタリーの上から身体を避け、ソファーの隣に座る。

 ナタリーは、笑顔で微笑む。

「良いの」

「ナタリーは、あいつらが来ていた事に気付いたんだ?」

「ええ」

 アルが赤くなって告げる。

「・・・突然、裸になって抱き付いてきたから、どうしたのかと思ったよ」

「私こそ、いきなり抱き付いたりして、ごめんなさい。・・・オチ●●ンも勃たせちゃって。・・・このままじゃ、任務に集中できないよね」

 そう告げるとナタリーは、勃っているアルの男性器を服から引っ張り出して口で咥え、口淫し始める。

「大丈夫。まだまだ時間はあるわ」

 アルを満足させようと積極的なナタリーをアルが気遣う。

「ナタリー。・・・そこまでしなくても。・・・少し時間が経てば、元に戻るから!」

「良いの。・・・アルの彼女は、私だけだから。私がするの。・・・おっきくて、全部、口に入らない」

 ナタリーは、舌を男性器のエラに沿って這わせると、裏筋を上下に舐め上げ、一杯に口に男性器を咥え、頬をすぼめて繰り返し吸い上げる。

 ナタリーの裸と柔らかい肉壺の感触にアルは直ぐに達する。

「ナタリー。オレ、もう!」

 アルは、ナタリーの口の中に射精する。

 ナタリーは、口の中に勢い良く脈を打って出されるアルの子種を飲み込むと、アルに微笑み掛ける。

「最近、してなかったから。溜まっていたでしょ?」

 ナタリーからの問いに、アルは苦笑いしながら答える。

「ま、まぁね」




 アルは、カーテンを少し開けると、店の通路の様子を伺う。

「大丈夫そうだな」

 アルは、服を着たナタリーを連れて店の会計を済ませる。

 中年男の店員がオカマ口調で答える。

「イケメンのお兄さん、スッキリしたみたいね。まいど。また、遊びに来てね」

「お、おう」

 アルとナタリーは、ローブを羽織ってフードを被ると、塔と城壁に向かって早足で歩いていく。


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