その火遊び危険につき~ガチで惚れたら火傷した模様~

ちろる

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 一三時いちじ過ぎ、スマートフォンのアラームで目覚めると隣に真夜まやの姿が無くて昨夜のあれやこれやは夢だったんじゃなかろうか……と、寝ぼけまなこで寝室を出ると対面型のキッチンからひょこっと真夜が顔を覗かせた。

宇大うたくん、おはよー!」

 昨夜の儚げな真夜はどこへやら?と能天気に笑う様子に拍子抜けしたと共に安堵して「ああ、はよ」と返事をすると真夜がキッチンからリビングへ皿を持ってきた。

「真夜くん特製クラブハウスサンド出来てるよ? 冷蔵庫の中、勝手に開けちゃったけど許してね」

朝飯あさめし作ってくれたのか? 悪いな」

 ガシガシと頭を掻きながらローソファーに座ると真夜がテーブルにサンドイッチが載った皿と、手早く淹れてくれたインスタントコーヒーがマグカップで二つ出てきた。

「未来の夫の胃袋を掴むのは妻の役目だからさ? 食べて食べて!」

「誰が未来の夫だ、誰が。歯磨きしてくるから待ってろ」

(とりあえずいつもの真夜に戻ったようで一安心ってとこか……。妻にするつもりは微塵もないが)

 歯磨きをしてリビングに戻ると真夜の作ってくれたサンドイッチを食べながら「真夜、一度家に帰るか?」と訊ねる。

 『ネロック』は一部営業制の店で一六時よじに出勤して十七時ごじからの開店準備をし(ナンバースリーまでのホストは開店前の清掃は免除されている)二十五時いちじに閉店になる。

 ホストと言えば真夜中に盛り上がるイメージがあるが、『風営法』で二十四時れいじ、一部地域のみ二十五時いちじまでと定められている。

 二部営業は朝から昼まで、三部営業は昼から夕方までとされており、『ネロック』はホストクラブの大半が占める一部営業制だ。

「うーん。レンタルスーツ借りるから宇大くんと同伴出勤しようかな?」

「何でホスト同士で同伴出勤だ……」

「ほら、他のキャストたちにラブラブアピール? 俺の身体を独占したい男に宇大くん刺されるかもね?」

(誰と誰がラブラブだ! 男の奪い合いで刃傷沙汰になってたまるか!)

 ハァと溜め息を吐いて胡乱うろんな目を真夜に向けるとにこにことサンドイッチを頬張っているから、昨夜の話は嘘だったんじゃないかとすら思えてくる。

「今日も宇大くんの家に泊まってもいいんだよね? いつまで宇大くんが我慢出来るか楽しみだなぁ」

「我慢出来なくなる日など来ないから心配するな」

 ……と、言いつつもたった一夜を共にしただけで色々な真夜を知ってしまって、正直興味が湧いていたのは確かだった。
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