その火遊び危険につき~ガチで惚れたら火傷した模様~

ちろる

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宇大うた

 客の席を周っている途中、マネージャーの中川なかがわさんに呼びとめられて「はい?」と返事をすると中川さんが何か愉快気に瞳を輝かせていた。

「最近、真夜まやと半同棲してるんだって?」

「はい、まぁ……」

 確か真夜は中川さんとは後腐れのない関係を一度持っているんだったか……と思わず溜め息を吐いてしまったが、中川さんは好奇心だけで話し掛けて来たらしい。

「真夜が本気になったってもっぱらの噂だけど……気をつけなよ? 僕なんか一回ぽっきりで捨てられたんだからね」

 苦笑しながら話す中川さんはやっぱり、未練があるというよりは単純に興味があるだけのようだ。

「まぁ……今までの真夜の悪評は俺も知ってますし、何とか俺が繋ぎとめておきたいと思ってるところです。今はすごく幸せなんで」

「宇大もしばらく浮いた話がなかったからねぇ……。真夜って確かに尻の軽さでは悪評がはびこってるけど、なんか放っとけないところがあるからさ。理由はわからないけど……何を見ているのかわからないところがあって心配だったりもするんだよね。これでも。だから宇大がしっかり面倒見てやってよ。これからもキミたちが平和に仕事が出来るように、さ」

 ポンと肩に手を置かれ、気さくに笑んでくれた中川さんに俺は少しばかり真夜との関係を嫉妬してしまったのは否めないが、それでも快く後押ししてくれたことが嬉しかった。

「ありがとうございます。俺が真夜を幸せにしてやりたいです」

「頑張れ! 今日も閉店までもうちょっと! 帰ったら真夜とラブラブにねー」

 なんて冷やかされてしまったが、やはり嬉しさが込み上げるのを抑え切れなかった。

 ――あ、そういえば。
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