その火遊び危険につき~ガチで惚れたら火傷した模様~

ちろる

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宇大うたくん……助けて……」

 翌日、ふらふらと寝室から出て来た真夜まやが、そろりそろりと歩いて近付いて来るので「どうした! 真夜! 大丈夫か!? 熱でもあるのか!? 医者に行こう!」と狼狽ろうばいすると盛大に睨まれた。

「宇大くんのせいで足腰立たないんだけど……。これじゃあ妻の務め、夫の朝食作りが出来ないじゃん!」

「何を言っている。今の時代、家事も夫の務め。真夜はまだ寝ていればいい」

「仕事にも支障が出るんだけど? 昨日時也ときやさんに『さすが新婚。お盛んなようで』って笑われちゃったし」

 じとーっとした瞳で見つめてくる真夜が、それでもソファに座る俺の膝に乗るよう促したら素直に抱き留められて肩に顎を載せてきた。

「ようするにその程度ってことだ」

「何がその程度?」

「真夜の性依存なんて俺一人で十分まかなえるってことだ。一人を愛するの、まだ怖いか?」

 なんて、真剣に真夜の黒曜石の瞳を覗き込んだら、肩に載せられている顎から続く俺の頬に触れている耳に囁けば、温度を上げたのを感じた。

「もう……怖くないよ」

 ぼそっと呟いた真夜についばむようなキスを仕掛けたら、今にも泣き出しそうな瞳で縋るように見つめてくるから。

「真夜のことは一生俺が責任を取る」

「なーんか、火遊びが山火事みたいになっちゃってる気がするんだけど――」

 そこで言葉を切った真夜が今度は俺の唇に戯れのようなキスを落としてくるから、「言っただろう? 火遊びはもう終わりだと。ガチで惚れたら火傷したのはお互い様だろう」と耳元で囁いたら今度こそ真っ赤な顔を見せてくれた。

「今。人生で一番幸せ」

 ポツンと呟いた真夜を腕の中に閉じ込めて。

「悪いが俺の方が幸せの真っただ中にいる」

 真夜の手を取って薬指にまるお揃いのリングにフッとキザったらしく口付けを落とし、指を一本一本舐めたら途端に溜め息を吐かれてしまった。

「宇大くんキャラ変わってない!?」

 ニヤリと笑って「誰かさんに男童貞奪われて、俺ももう清純派じゃないようだ」とうそぶいたら、「厄介な人の男童貞奪っちゃったみたい」なんて唇を尖らせるから。

「残念ながらもう手遅れだ」

 それだけ言って、愛おしい恋人の唇を今度は深く深く求めてやれば、結局互いの身体は節操なく火照ほてり始めて。

「大火傷だよ、もう。本当に最後まで責任取ってよね?」

「まかせとけ」

(これからは、もう二度とお前を放さない。今度こそ俺だけのものにしてやるから覚悟しとけ)

 そんな思いを心の中で誓いながら抱きしめる腕に力をこめたら、確かに手の中にある存在が俺の中に灯った。
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