ラストヒーロー:魔王軍全戦力vs.僕1人

混沌世界終焉

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第1章/レゾット王国

第8話/紡いだ希望

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「…んっ、どれくらい寝てたんだろ…」

ニエンテの攻撃を受けた後、僕は気絶した。
一体、どれだけ眠っていたのだろう。

「セレネは、無事だろうか…」

そう考えながら、前を向いた。
さっきの攻撃のせいで、黒い霧がかかって
いて、視界がすごく悪い。何も見えない。

少し時間がたって、霧も晴れてきた。
やっと周りが見えるようになったと思い、
すぐに周囲を見渡した。
だが、ニエンテの姿はどこにも無く、
あるのは、血を流したセレネの姿だけだった
のだ。

「セレ、ネ…?」

僕は、自分の弱さに絶望した。
パーティの仲間1人すら守れない自分の
不甲斐なさに。
僕はただ、黒い霧の中で、泣くことしか
出来なかった。

その時、まるでタイミングを見計らった
かの様に、ニエンテが現れた。

「どうしたんだよ、英雄ライメル。
 1発で終わりかよ…
 魔王と渡り合える力を持っているって
 噂は、本当は嘘なんじゃないのか?」

その時、フォルトゥーナが魔法陣から
降りてきて、こう言ってくれた。

「諦めないで、まだ息してるでしょ。
 私がニエンテを引き付けておく。
 その間に、ライメルはセレネを安全な
 所に連れて行って。」

そうだ、何を弱気になってるんだ。
今、僕に出来ることを精一杯やるんだ。
この国にを守る。そう決めたんだから。

「助かったよ、フォルトゥーナ。
 僕もすぐに戻ってくるから。」

一旦ここは、フォルトゥーナに任せて、
僕はセレネと戦線を離脱した。


*   *   *(ここからフォルトゥーナ視点)


「よし、一旦これで大丈夫。」

私はライメルとセレナを逃した。
これで体力を回復してもらおう。

「ニエンテ。何でこんな事してるの…?
 昔はもっと、善良な人間だったでしょ?」

*   *   *

私は昔、ニエンテの守護神として彼
と一緒に旅をした。
その頃のニエンテは、人を傷つける事を
誰よりも嫌う人だった。
ある事件が起こるまでは…

あの日、ニエンテは突然、アムネジア帝国で
反乱を起こした。
その日は、大勢の人が死んだ。
国の兵隊は、総員でニエンテを拘束しようと
試みるが、ニエンテが逃走したことにより、
拘束は失敗して、その事件は幕を閉じた。

あの日から、私の知るニエンテは、どこかに
消えてしまった…

*   *   *

「何で、そんなに変わってしまったの…?
 ニエンテは、そんな人じゃなかった。」

「何でって、魔王の幹部になったから。
 それ以外は何もないな。
 俺は、自分の生きたいように生きる。」

ますます意味が分からない。
質問の答えに全くなっていない。
でも、ここまで話して分かった。
ニエンテは、もう以前の彼じゃないんだ。
じゃあ、もう殺すしかない。
殺さないと、2人を助けられないから…

「ごめん、ニエンテ…死んで。

 魔力解放100%”幻光/虹”」

幻光の能力は、光の斬撃で相手にダメージを
与える攻撃だ。
この光の強さは、魔炎の様に色で変わる。
黄→青→紫→虹のように変わっていく。

「人間は、魔力を100%使うと、その人間は
 例外なく死ぬ。でも、守護神なら100%の
 力を使っても死なない。
 神は、100%の魔力の負担にも耐えられる
 からね。
 
 これっぽっちの攻撃じゃ、まだ死なない
 んでしょ?早く立ちなよ…ニエンテ。」

ニエンテは、100%の攻撃を喰らっても、
また何事もなかったかの様に立ち上がる。

「まるで不死身の身体だな、ニエンテ。」

「そう言うお前は、昔よりもかなり力が
 弱くなってるな。ライメルよりかは
 まだ強いけど、昔と比べると、随分と
 劣っている。」

「なんだ、バレちゃったか…」

そう、私は昔よりも、弱くなっている。
多分、長く生きすぎたせいだろう。

ニエンテは、私が弱っていると気づいた
瞬間、私に攻撃を放ってきた。

「お前も死ね、フォルトゥーナ。

 魔力解放60%”魔炎/黒 デュアル”」

ただの魔炎程度では、私は負けない。
全力で来なよ、ニエンテ。
私も全力で、相手をしてあげるから。

黒い炎は私の体にまとわりついて、じわじわ
と私の体を焼いていった。

「熱い、でもこれくらい、私なら何とか
 出来るはず…
 魔力解放80%”光壁(コウヘキ)”」

光壁の能力は、魔術による攻撃であれば、
どんなものであろうと防ぐ事が出来る。

「この壁を破らないと、私には勝てないよ。
 さあ、次の攻撃をしてきなよ…!」

どんな事があっても、私は2人を守り抜く。
だから、ここで倒れるわけにはいかない。

「威勢が良いだけじゃ、俺には勝てない。
 次の攻撃を、お前に耐えれるのか…?

 魔力解放60%”神炎/黒”」

これは、少しヤバいかもしれない…
神炎は、魔炎や爆炎とは比べ物にならない
攻撃範囲に、威力がある。

まさに、神の炎と呼ぶに相応しい力…

神炎は瞬く間に、私の目の前まで接近して、
それは、私の体を燃やしながら、更に広い
範囲に燃え広がっていった。

レゾット王国は、黒い炎で覆われた。
もう、どこにも逃げ場なんて存在しない。

「それなら、私がやらないと…
 ここで私が死んだとしても、もうライメル
 に会えなくなっても、ここで守る。
 守り切るっ…!」

今にも逃げ出してしまいたい。
ライメルに慰めてほしい。私は1人で、
この化け物(ニエンテ)と戦った。
でも、私がこの攻撃をしたら、君とはもう、
2度と会えなくなるかもね…
でも、それでも良いんだ。
私の使命は、人を守ることだからね。

「バイバイ、ライメル…!!

 魔力解放1000%”ララバイ オブ レイン”」

流石に神でも、1000%の魔力には耐え
きれないからさ。
神も、不死身じゃないし、最強じゃない。
私たちも、人と同じ様に生きるし、人と同じ
様に死ぬ…

私は今日、ここで死ぬんだろうな…



私は、精一杯力を込めて、魔力をニエンテに
向けて、解き放とうとした時だった。

「遅れてごめん、フォルトゥーナ。
 ここからは、僕たちの番だ。
 今まで堪えてくれて、ありがとう。
 これが終わったら、また美味い飯食わせて 
 やるから。」

ライメル、ライメルだ…!

どうやら私は、まだ死ねないらしい。

「もう、遅いってば!
 でも良いや、メッチャ高いの食べてやる
 から覚悟しろぉ~!」

「分かってるって。
 じゃ、行ってくるね。
 セレネ、準備はいいか?」

セレネは大きな声で”…ハイッ!”と言った。
それと同時に、2人はまた、ニエンテの
元に、勢いよく魔法を放った。

希望の光は、まだ消えていない…!

第8話/紡いだ希望











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