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二章 入学旅行二日目
2-15a ルルシャンリニアン島へ
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准魔法士に後のことを託し、キリたち一行は入学旅行の続きへと立ち戻った。
ほどなくして無事に『繋がりの塔/セセラム南』に着いたキリたちは、目的の場所である『繋がりの間』へと、まっすぐ向かう。
目に入る何もかもが珍しいものばかりで、霧はキョロキョロしながら歩き、何度もアデルに注意された挙句、一度迷子になりかけ――その結果、リューエストに手をつながれてしまった。子供扱いされてしょんぼりしてる霧とは対照的に、リューエストは嬉しそうに顔を輝かさせている。
そうして辿り着いた『繋がりの間』は、地下1階のだだっ広いフロアのほとんどを占め、行き交う多くの人や輸送物で混雑していた。
「うわぁ………………」
それ以降、霧は何も言えなくなり、口をポカンと開けて辺りを見回した。
フロアのあちこちに大きな扉がいくつも並んでいて、人々がその開け放たれた扉から出たり入ったりしている。トリフォンから教えてもらった通り、そこには准魔法士の姿があちこちに見られた。サーモンピンクの制服を着た彼らは、忙しそうに職務に従事している。
霧があらゆるものに興味を惹かれフラフラと歩き出すため、リューエストはギュッと霧の手を握ってそ自分のそばに留めている。そのリューエストの顔は、幸せそうに緩みきっていた。その二人の姿が目に入るたび、アデルは生暖かい視線を送り、一方、リリエンヌは「微笑ましいですわぁ……」とやけに嬉しそうにチラチラと眺めていた。
「さて。それでは、まず案内窓口に行こうかの」
トリフォンがそう言って、部屋の中央に設置されたカウンターを指し示す。
キリたちは道すがら、次はどの課題に取り組むか相談していた。
その結果、課題5の「ツアーメイトと協力して、人々の困り事を5件解決せよ」についてはとりあえず後回しにして、他の課題を優先させることにした。
残るは課題6の図書塔での読書、課題7のストーリードームの制作、課題8の市場迷宮での買い物、この3つだ。
みんなで相談した末、課題7のストーリードームの制作が一番簡単で着手しやすいと意見が一致したため、キリたちはストーリードームを制作するために、『物語の泉』に向かうことになったのである。
『繋がりの間』の利用申請のため案内所に行くと、アデルは案内所の係の人に勢いよく尋ねた。
「あの、私たち古城学園の新入生なんですが、これから課題をこなすために、『物語の泉』のある場所へ行こうとしているんです。淡々と速やかに効率的に課題を完了させたいので、邪魔が入らな……、えっと、私たち以外の新入生が誰も向かっていない方面へ行きたいんです。調べてもらえますか?」
どうやらアデルは徹底的にガスティオールを避けたいみたいだ。
最も、その思いは24班の誰もが抱いていると見て、みんな案内係の人の答えを待っている。
係の男性は「分かりました。目的地は『物語の泉』ですね。そうすると……」と言いながら、明らかに魔法の息吹がかかった不思議な書物をめくって、「ちょっとお待ちを」と言って何やら調べ始めた。24班の面々が見守る中、やがて彼は世界地図を目の前の机の上に広げ、地図上の各地を筆記具で示しながら説明してくれた。
「『物語の泉』が浮き出る場所は6か所あり、その方面に向かうのに適した扉は4つあるんですが……ここと、ここと、それから、こちらの3つは、今日、他の新入生が利用登録して、午前中に通っています」
「ということは、今日新入生が通っていない扉が、一つあるんですね? それはどこの『物語の泉』になりますか?」
「ルルシャンリニアン島方面になります。僻地ですが、とても美しい場所ですよ。ルルシャンリニアン島の『物語の泉』は、規模は小さいですがいずれも透明度が高いそうです。なお、こちらの島には宿泊施設がありません。今から行かれる場合、あちらは夜……ええと、現地は今20時となりますので、行動しづらいかと思います。どうします? 今すぐ扉を使ってこちらに向かわれますか?」
「行きます! 今すぐ行きます! 24班6名、ルルシャンリニアン島方面移動で利用登録お願いします!」
係の人にそう即答したのはアデルではなく、リューエストだった。
なぜリューエストが半ば独断の勢いでその島への移動を決めたのか、その理由はすぐ判明する。
ルルシャンリニアン島には『言魂界』と繋がる見えない道があると言われていて、珍しい言獣と出会える確率が高い、知る人ぞ知る言獣スポッなのだ。
自他ともに認める「言獣オタク」のリューエストは、もう何度もこの島に来たことがあり、なんと自分専用のコテージを持っているため、宿泊場所にも困らないと、熱っぽく語った。
24班の面々は言獣オタクのリューエストに生暖かい視線を送りつつも、他に選択肢も無いため、一行はルルシャンリニアン島に向かうことになった。
辞典魔法で制御された扉を抜けると、そこはもう、ルルシャンリニアン島だった。
さっそく『繋がりの塔』から外に出たキリは、辺りの景色を見るなり口をポカンと開けて、立ち尽くす。
「ふわぁ………………」
『繋がりの間』の案内係の言った通り、ルルシャンリニアン島は夜で、晴れ渡った夜空には、美しい星々が輝いていた。
ほどなくして無事に『繋がりの塔/セセラム南』に着いたキリたちは、目的の場所である『繋がりの間』へと、まっすぐ向かう。
目に入る何もかもが珍しいものばかりで、霧はキョロキョロしながら歩き、何度もアデルに注意された挙句、一度迷子になりかけ――その結果、リューエストに手をつながれてしまった。子供扱いされてしょんぼりしてる霧とは対照的に、リューエストは嬉しそうに顔を輝かさせている。
そうして辿り着いた『繋がりの間』は、地下1階のだだっ広いフロアのほとんどを占め、行き交う多くの人や輸送物で混雑していた。
「うわぁ………………」
それ以降、霧は何も言えなくなり、口をポカンと開けて辺りを見回した。
フロアのあちこちに大きな扉がいくつも並んでいて、人々がその開け放たれた扉から出たり入ったりしている。トリフォンから教えてもらった通り、そこには准魔法士の姿があちこちに見られた。サーモンピンクの制服を着た彼らは、忙しそうに職務に従事している。
霧があらゆるものに興味を惹かれフラフラと歩き出すため、リューエストはギュッと霧の手を握ってそ自分のそばに留めている。そのリューエストの顔は、幸せそうに緩みきっていた。その二人の姿が目に入るたび、アデルは生暖かい視線を送り、一方、リリエンヌは「微笑ましいですわぁ……」とやけに嬉しそうにチラチラと眺めていた。
「さて。それでは、まず案内窓口に行こうかの」
トリフォンがそう言って、部屋の中央に設置されたカウンターを指し示す。
キリたちは道すがら、次はどの課題に取り組むか相談していた。
その結果、課題5の「ツアーメイトと協力して、人々の困り事を5件解決せよ」についてはとりあえず後回しにして、他の課題を優先させることにした。
残るは課題6の図書塔での読書、課題7のストーリードームの制作、課題8の市場迷宮での買い物、この3つだ。
みんなで相談した末、課題7のストーリードームの制作が一番簡単で着手しやすいと意見が一致したため、キリたちはストーリードームを制作するために、『物語の泉』に向かうことになったのである。
『繋がりの間』の利用申請のため案内所に行くと、アデルは案内所の係の人に勢いよく尋ねた。
「あの、私たち古城学園の新入生なんですが、これから課題をこなすために、『物語の泉』のある場所へ行こうとしているんです。淡々と速やかに効率的に課題を完了させたいので、邪魔が入らな……、えっと、私たち以外の新入生が誰も向かっていない方面へ行きたいんです。調べてもらえますか?」
どうやらアデルは徹底的にガスティオールを避けたいみたいだ。
最も、その思いは24班の誰もが抱いていると見て、みんな案内係の人の答えを待っている。
係の男性は「分かりました。目的地は『物語の泉』ですね。そうすると……」と言いながら、明らかに魔法の息吹がかかった不思議な書物をめくって、「ちょっとお待ちを」と言って何やら調べ始めた。24班の面々が見守る中、やがて彼は世界地図を目の前の机の上に広げ、地図上の各地を筆記具で示しながら説明してくれた。
「『物語の泉』が浮き出る場所は6か所あり、その方面に向かうのに適した扉は4つあるんですが……ここと、ここと、それから、こちらの3つは、今日、他の新入生が利用登録して、午前中に通っています」
「ということは、今日新入生が通っていない扉が、一つあるんですね? それはどこの『物語の泉』になりますか?」
「ルルシャンリニアン島方面になります。僻地ですが、とても美しい場所ですよ。ルルシャンリニアン島の『物語の泉』は、規模は小さいですがいずれも透明度が高いそうです。なお、こちらの島には宿泊施設がありません。今から行かれる場合、あちらは夜……ええと、現地は今20時となりますので、行動しづらいかと思います。どうします? 今すぐ扉を使ってこちらに向かわれますか?」
「行きます! 今すぐ行きます! 24班6名、ルルシャンリニアン島方面移動で利用登録お願いします!」
係の人にそう即答したのはアデルではなく、リューエストだった。
なぜリューエストが半ば独断の勢いでその島への移動を決めたのか、その理由はすぐ判明する。
ルルシャンリニアン島には『言魂界』と繋がる見えない道があると言われていて、珍しい言獣と出会える確率が高い、知る人ぞ知る言獣スポッなのだ。
自他ともに認める「言獣オタク」のリューエストは、もう何度もこの島に来たことがあり、なんと自分専用のコテージを持っているため、宿泊場所にも困らないと、熱っぽく語った。
24班の面々は言獣オタクのリューエストに生暖かい視線を送りつつも、他に選択肢も無いため、一行はルルシャンリニアン島に向かうことになった。
辞典魔法で制御された扉を抜けると、そこはもう、ルルシャンリニアン島だった。
さっそく『繋がりの塔』から外に出たキリは、辺りの景色を見るなり口をポカンと開けて、立ち尽くす。
「ふわぁ………………」
『繋がりの間』の案内係の言った通り、ルルシャンリニアン島は夜で、晴れ渡った夜空には、美しい星々が輝いていた。
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