浜辺のスローライフ~カニさんたちとの異世界生活日誌~

かにすごくうまい

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80話:温泉拠点をつくろう!

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異世界生活七十六日目



吹雪に見舞われてから一日が経った。



外を覗いてみるとすっかり雪は止み、雪化粧をした景色が広がっていた。



洞穴はどうやら海に面した岸壁の付近にあるらしく、毛ガニさんたちはそこから登ってきているようだ。



「なるほど、ここの位置が大体わかりました」



「え、そういえばここがどこかよくわかってなかった……」



「我々は徹様のオーラで、大体どこの位置か把握できるのです。徹様はメグミ様のお住まいの浜辺に滞在していらっしゃるはずなので、ここはちょうど北部と浜辺の中継点ですね」



「へえ~。じゃあここを温泉拠点にするのは位置的にも悪くないんだね」



「偶然とはいえ、都合のいい位置に寒さ除けの場所があってよかったな!」



「では温泉の洞穴はまずは内部拡張ですかね。今のままではアッシーくんが窮屈そうですからね」



「湯畑の空間は、かなり広かったから、あそこら辺までは拡張しても、崩落しなさそうだな」



「メグミ様の脱衣所や、個人風呂をまずは作りましょう」



「え?そこからやるの?」



「我々は湯畑の下の段をぬるくすれば使えますし、むしろ海に飛び込んだ方が都合がいいですからね」



「あーキワミくんもタラちゃんも海水が住処だもんねえ」



「おう、だからここのお湯はほとんどメグミちゃん用だな!」



「俺は淡水カニだから使うぞ」



「まあ、冷えすぎた体を温めるのに使うくらいならだれでも使えるから、整備するに越したことはないよね」



ガリガリゴリゴリ。



「お前たち何してんべ!?」



「あ、毛ガニさん、ここを使いやすく拡張してるんだけどダメだったかな?さっき毛ガニさんの物じゃないって聞いたから勝手にやっちゃってるんだけど」



「はえー、この堅い岩盤をよくもまあ、掘削出来るべな~。おもしろいべ。俺にもできることはねえか?」



「おー、じゃあよ。毛ガニさん外から土を運び込んでくれ。建築材料に使うから」



「わかったべ!仲間も読んで作業させるべ」



「毛ガニさんも建築に興味が湧くんだねえ」



「正直メグミ様のやることは我々の感性からすると、突拍子もないですからね。徹様も大概ですがメグミ様の方が凄いと思います」



「勝の大将は新しいことをあんまりやりたがらないからな!ついてきてよかったぜ!」



「メグミの無茶には慣れてきたが、お湯の導線を作るのは流石に大変だぞ……」



「お湯を少しぬるくしながら作業しないと茹で上がっちゃうからね~」



「コメちゃんズとミコちゃんが居なかったら無理な作業だ。特に上の段に行くほど熱いからな」



「ここなら…運搬の役に立てる…」



アッシーくんは高所への建材の運び込みをしていた。



「あー、ヤマトくんやホリくんが居てほしい……」



「ふむ、湯道はここは木材を使いましょう」



「木を使うの?」



「はい。徹様に昔聞いたヒノキがこの辺りは生えているようでしたのでね」



「あ~檜風呂か~。徹くんもいいこと知ってるね!」



「しかしどういう形が良いかはわかりませんので、メグミ様のイメージを頂きたいのです」



「あ、うんえーと。多分こんな感じ」



「これはなかなか複雑ですね。完成した後に浜辺の皆さんに監修してもらった方がいいかもしれませんが、とりあえずやれるとこまでやってみましょう」



「おお、次は木を運べばいいべな」



「毛ガニたち見た目によらず結構力持ちで頼りになるぜ!」



皆が協力し合って、湯畑の空間に土づくりの小屋が数軒。檜の組木で作った小屋が一軒できた。



湯畑から湯道を作り、檜小屋の浴槽に流れるように配備されている。ここがわたしのお風呂らしい。



「はあ、凄い勢いで作ってたけど、なんか立派な空間になったねえ。洞穴の入り口くぐったら温泉旅館が建ってるみたいになってるよ」



「こんなすごいもの作れるなんて、あんたら凄いべな~」



「毛ガニさんたちも協力してくれたおかげだよ、そうだ毛ガニさんのリーダーさん、これからはマオさんって呼んでいいかな?」



「名前だべか?あんたらの仲間に入れてくれるべか?」



「もう仲間みたいなものだから……ダメかな?」



「だめじゃないべ!俺は今日からマオさんだべ!」



「よかった!これからもよろしくねマオさん!」



こうしてわたしたちは、温泉拠点をひとまず完成させて、新しい仲間マオさんを加えたのだった。
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