浜辺のスローライフ~カニさんたちとの異世界生活日誌~

かにすごくうまい

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118話:お菓子の王様

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異世界生活百八十二日目



きび砂糖をベススさんと精製して、白砂糖を作れるようになった。



「フフフ、遂にこの時が来たね!」



「メグミよ。砂糖を白くする必要はあったのか?色んな成分が抜けてしまったが」



「ベススさん、時には栄養以外が重要なことがあるんだよ!」



「よくわからないが、不純物を取り除く作業というのはなかなか楽しかったぞ」



「これで美味しいものを作るから楽しみにしててね!」



わたしはキッチンに白砂糖を置きにいくと、これから作るもののことを考える。



「うーん、キッチンに泡だて器が欲しいなあ。ヤマトくんに相談してみよう」



窯業エリアにいるヤマトくんの所に向かう。



「ヤマトくーん!泡だて器を作ってほしいんだけど~」



「また、藪から棒に。ミコちゃんもイメージをいきなり送り付けてくるんじゃない」



「遠くても届くから便利だよね!」



「はあ……もう慣れたが、これは俺の仕事じゃないな」



「え!?そうなの?」



「針金のように、細い金属は、徹くんの担当だ」



「あ、そっか、でも徹くんが作ると大きくなりそうだしなあ……」



「メグミが使うものだと、念を押せば、大丈夫だと思うぞ」



「わかった、じゃあ徹くんに頼みに行ってくる」



「その必要はないぞメグミ!」



「わっ!徹くん!?」



「窯業エリアでのやり取りはすべて把握している。ただ浜辺に鎮座してるわけではないぞ」



「そ、そうなんだ、それで泡だて器を作ってもらってもいいのかな?」



「ふ、メグミ。できる男は常に先回りしてるのだ」



「勝さんみたいなこと言ってる……」



「あいつと同じにするな!とにかくキワミくん持ってこい」



徹くんの背後からスッとキワミくんが出てきた。



「はい。徹様。メグミ様、ご所望の泡だて器です」



「えー!?もう出来てるーーー!しかもちゃんとわたしのサイズだ!」



ん?でもズシリとしている。泡だて器はこんなに重たかったっけ?



「徹くん、この泡だて器、重くない?」



「取っ手まで超合金製だから丈夫だぞ!」



「ああ、取っ手が一体成型だから重いのか~。これで作業に取り掛かれるよ。ありがとうね!」



「お、おう、何を作りたいかわからないが、俺にもくれよ」



「もちろん!上手にできたらみんなで分けようね!」



キッチンに戻ってきたわたしは、早速ボウルを取り出し、薄力粉、卵黄、白砂糖を入れてかき混ぜる。



いい感じに混ざったら、もう一つボウルを出して卵白を泡立てながら砂糖を加えてつのが立つようにする。



両方を混ぜながら、コメちゃんズに溶かしてもらったバターを加えてかき混ぜる。



確かここでササッとやるのが美味しく仕上がるコツだそうだ。



ということでケーキの生地が出きた!



これを型に流し込んで、焼けばスポンジは完成なんだけど……



パン窯しかないんだった……



「ミコちゃん、相談なんだけど……。この巨大な窯で、この小さなケーキの型だけを、いい感じに焼くことって、できないかな?」



「うーん、うまくできるか自信はないけど、コメちゃんズ達と頑張ってみるよ!」



とりあえず、アッシーくんに手伝ってもらって、石窯の中央にケーキの型を置いてもらう。



「みんな!全体じゃなくてケーキを綺麗に加熱するよ!」



「むーん!」



のぞき穴からケーキを見つめる。遠くて焼き上がりが良くわからない。



しばらく見つめ続けると型からちょっとスポンジの頭が見えてきた。きちんと焼けてるようだ!



「ミコちゃん!上手くいってるよ!」



「やったね!みんなも、良く集中したね!」



「わーい!」



コメちゃんズ達と喜び合った後窯を開いて、型を取り出す。



竹くしで刺してみて焼き加減のチェック。おお、きちんと焼けている。



「メグミこれはパン?」



「これはケーキだよミコちゃん!とっても甘くておいしいんだ!あ、そうだミコちゃんヤッシーからブドウを分けてもらってきて!」



「わかったよ!」



ミコちゃんが急いで向かったのかすぐにヤッシーがやってきた。



「お、甘い匂いがするっすねえ~。ブドウは何に使うんすか?」



「ケーキに生クリームを塗って、間に挟むんだよ!あと上にも乗っけるよ!」



「なんかよくわかないけど、おいしそうっすね~。俺も飲み物を作ってくるっすよ」



わたしは新しいボウルを出して、ムームー牛の牛乳から分離しておいた生クリームに、砂糖を入れて泡立て始める。



ここではコメちゃんズに直接ボウルを冷やしてもらえるので、氷水がいらなくて楽だ。



わたしは少し硬めのクリームが好きなので、多めに泡立てて、ケーキに塗っていく。



最後にブドウを散りばめて、完成!デコレーションケーキ!



搾り器がなかったので綺麗な飾りつけはできなかったけど、それは今後考えよう。



「みんなー!ケーキが焼けたよー!」



「なんですぞ~?おお!白い塊がある!」



「甘そうな匂いじゃのお!待ちきれんわい!」



「なるほどメグミはケーキを作っていたのか!」



徹くんがにょきっと顔を出している、割と楽しみにしていてくれたようだ。



「まだまだ、たくさん作るのは大変だからみんな一つまみずつね!」



「ふむ、甘い!甘いぞい!最高じゃあ!」



「ブドウの酸味ともよく合いますなぁ」



「これはジュースのレシピも新しく増やさないといけないっすね~。すっきりした奴を考えるっす」



「メグミ、俺の分が米粒サイズしかないんだが?」



「徹くんは大きい方だよ、ハサミが大きすぎるから米粒みたいに見えるだけだよ!」



「徹様、わがままはいけません。私の分も分けてるのですから」



「やはりデカい型と、デカい泡だて器が必要じゃないか?」



「その場合生地を混ぜるのも、徹くんの仕事になるけど……」



「俺がそんな雑事をするわけないだろう!」



「じゃあ俺が巨大ケーキをつくっちゃおっかな~」



「うわーーーー!勝!いつのまに!?」



「そろそろ慣れようよ徹くん、メグミちゃんが、美味しいものを作ったら、俺も呼ばれるんだよ」



「勝さんいらっしゃい!はい!ケーキ」



「メグミちゃん。いつもありがとうね~。いや~甘い!もっとたくさん食べたくなるのもわかるね~。ということで徹くん、デカい型と、デカい泡だて器を早く作ってきなさい」



「なんでお前に指図されなきゃいけないんだ!」



「俺は金属加工できないもん。自分で出来たら自分でやってるよ」



「ムガー!」



「まあまあ、徹くん、みんなで大きなケーキを分けるのはわたしも賛成だからお願い!」



「……仕方ない作ってきてやる」



その後わたしたちは巨大なケーキを作り満足するまで食べた。



ケーキの材料のストックは消えた……
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