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第二章 帰郷
33.この夢は魔物にあげます ― 1
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目を開けると、手の中には見覚えのある日記があった。
お父様が字の勉強になるからと買い与えてくれた日記。今思うとこれがあの人からの最後の愛だった。
いつものテーブルの引き出しに隠すように入れ、鍵をかける。
窓の向こうの空には朧な月が浮かんでいた。
自室を出て、真っ暗闇の廊下を歩く。
どこへ向かってるんだろう。体が勝手に動いてて分からない。
階段を上がり、ある部屋の前で立ち止まると、目の前の扉を四回ノックした。
「どうぞー」
中から返事がした。まだ声変わりをしていない少年の声だ。
取っ手をひねり、中に入る。
「ごめんねぇ、夜中に呼び出しちゃって。でもこれはお兄様にとって、すっごく大事なお話だからさぁ」
母譲りの茶髪にクリッとした大きな目。女々しい仕草に、女々しい喋り方の猫被り……。
忌々しいコデリー。
手招きをするコデリーに従い、自室のとは比べものにならないくらい、きらびやかな椅子に座る。派手な装飾が好きだなんて、どこまでも女みたいな奴だ。
テーブルを挟んで対面するコデリーは両手で頬杖をつき、大きな瞳を潤ませてニヤニヤとこちらを見つめている。
「ボク聞いちゃったんだぁ。お父様がねぇ、司祭様に相談してたの。どうしてお兄様だけが上手く魔術を使えないのかって話……」
それはずっと……物心付いた頃から、一日たりと頭から離れたことのない悩みだ。
一族が得意とする炎に関する術。戦闘で使用することはおろか、火花さえ生み出すことができない不出来な自分をコデリーはいつもからかってきた。
コデリーは七歳で初めて本格的な魔術の展開に成功し、彼の顔と同じくらいの大きさの火の塊を手の中で発生させた。それからはメキメキと魔術の腕を上げていき、十歳となった去年の誕生会では炎を操り、オーレンが誇る美しい石橋を模して披露したらしい。参加が許されなかったから実際にこの目で見たわけじゃないけど、とにかくこの弟には才能があった。
でもラスダニアお兄様ほどではない。
あの人はいつだって完璧だ。
魔術だけじゃない。礼儀作法も剣術も、何だって大人の期待以上の結果を残す。それでいて驕らずに常に上を目指すので、コデリーにも及ばず、ただ妬んでいるだけの自分が余計に惨めになった。
劣等感を覚えていたのはコデリーも同じで、コデリーが七歳で術を発現させたのに対し、お兄様は五歳で自身を襲った暗殺者共を炎上させて返り討ちにした。
当時から”天才”と持て囃された兄に比べて、コデリーは”秀才”……どちらも羨ましい評価だが、コデリーは自分が”努力してやっと”、兄の後ろを追い掛けていると判断されている状況が気に食わないらしい。目立ちたがりだから、周囲の目を全てお兄様に持っていかれるのが嫌なんだろう。
自分が一番じゃないと許せない愚かなコデリー。
怒りの矛先は兄ではなく、こちらに向いた。
成長するほどにコデリーの魔術を乱用した嫌がらせは激しさを増した。
何度やめてと頼んでも本人は意地悪く笑うだけ。許しを乞えば乞うほど、幼い弟の遊び心は過熱した。去年の冬には肩まであった髪を燃やされ、仕方なく不揃いになった髪を耳の辺りの長さまで自分で切り揃えた。……首の後ろには火傷跡が残った。
どうにかして生意気なコデリーに一泡吹かせてやりたかったけど、唯一勝てる剣術は過去の手合わせで向こうに怪我を負わせて以来、お母様から共に訓練するのを禁じられている。叱責を受けて何度も頬をぶたれてしまったけれど、ちょっと木剣をかすめた程度で大人に泣き付くコデリーの情けない姿には胸のすく思いだった。
見下していた人間との力の差が受け入れられなかったのか、その日からコデリーは剣術の稽古を拒否するようになった。お母様は”魔術師なのだから魔術さえ学べばそれでいい”とコデリーの肩を持った。反対に文武両道を重んじるお父様は良い顔をしなかった。
コデリーとの手合わせで勝利を収めてからというもの、お母様からはより強い当たりを受けることとなる。小さい頃の記憶はあまり残っていないけれど、少なくとも今ほど頭ごなしに叱られたり、毎日のように暴力に訴え掛けられることはなかったはずだ。
母と弟にとって、自分は”弱者”なのだと思い知らされた。”強者”である二人に盾突くのは許されざる行為なのだ。お母様はご自身の容姿が反映されたコデリーがお気に入りだから、可愛がるのは理解できる……でも……。
羨ましい。
お兄様はお父様や他の周辺貴族からの期待と信頼を一身に受けている。
コデリーはお母様や使用人達からの甘い愛を独占している。
自分には? 自分には何もない。
誰も……何も……心と体に傷が増えてくだけだ。
これからもきっと、変わらない……。
「ねぇ、ぼけっとしないでさぁ、知りたい? 知りたいよねぇ? うふふっ、しょーがないから教えてあげるねぇ?」
……コデリーはこちらの返事を待たずに、ねちっこい話し方で勝手に進める。
「ダストンガルズ家の子供は代々親の名前を必ず一文字受け継ぐように命名されてるんだって。古代語に力があるなら、現代の言葉にも少なからず事象への影響があるはずっていう祖先様の考えの元ね。だから親の名の一部を貰うことは、魔術師としてのその子の命運を左右する行為なんだって。それで……」
勿体ぶったようにコデリーが言葉を止め、こちらをニヤニヤとおかしそうに見つめる。
なんだか息が詰まりそうだ。こいつは何を言っているんだ? 何を言いた……いや、そんなはずない。だってそんな話、そんな話が本当なら、今まで行ってきた努力は……。
「もう言いたいことは分かるよね? お兄様は受け継いでないんだよ。お父様の名前も、お母様の名前も」
……。
「若かったお父様は伝統ってヤツが嫌いだったらしくて、自分の子には好きな名前を付けるって決めてたんだって。でもラシィお兄様が生まれた時、お爺様とお婆様に猛反対されて仕方なく”ラズィリー”の”ラ”を与えた。でも翌年にお爺様達は病気でお亡くなりになられたものだから、次に生まれたお兄様の命名に指摘する者は誰もいなくなり、お兄様は見事に一族初の不継承者になっちゃったってわけ」
……やめてくれ。
「アハッ、気付いたぁ? そう、ボクにもお父様の”リー”が入ってるよねぇ? ボクとお兄様の年の差は五つ……実は五歳になったお兄様が全く魔術の片鱗を見せないものだから、お父様は”もしかして”って思ったらしいんだよ。古いしきたりには意味があったんじゃないかって……だから三番目に生まれたボクの時には、再び伝統に則って名前の継承を行ったってこと」
もうやめてくれ。
「だからね、お父様が言ってたよ」
やめてくれよ聞きたくない。
今まで自分の努力が足りないせいだと思ってたから何とか耐えられたんだ。自分のせいだからと、努力を続ければいつか報われると、だからそれを否定するのは止めてくれよ。今までだけじゃなく、これからまで奪うのは―― 。
「お兄様は自分が命名に失敗したから、何の才も授からなかったって」
……。
「でもお父様は自分の非を認めたくないから、お兄様の頑張りが足りないせいだっていつも責任転嫁しちゃうんだって。我が親ながら酷いよねぇ」
……もういい。
「ボクはねぇ、お兄様に感謝してるんだぁ。だってお兄様がいるからボクは楽しく生きられるんだもん! 飢えなんか心配せずに毎日おいしいものを食べて、好きなことをして、みーんなから愛される! 何より、あなたはあの鼻に付くラシィお兄様とお顔がよぉく似てるから、お兄様をいじめてるとラシィお兄様を痛め付けてる気分になるんだぁ! お兄様は何の才もないわけじゃないよっ、ボクを満足させる才能だけは世界一備わってるんだからぁ! アハッ、アハハハッ!!」
もういいって。
「魔術に関してはぁ……歴代のダストンガルズの中でも一番カスなんじゃないかなぁ? カイキョウの貴族は特に魔術師としての世間体を気にするから、きっとこれからも病を患ってるからとか何とか言って、お父様達はお兄様を屋敷から出さないつもりだよ。結婚もさせてもらえず、そのうち暗い地下室行きかもねぇ。でも安心して! ボクが大人になって家を貰ったらお兄様を引き取ってあげるから! だって兄弟だもんねぇ、あぁ、ボクってなんて優しいんだろう!」
やめろって。
「なぁに、その目? うふふ……剣を持ってないお兄様なんてちっとも怖くないよ。それよりも考えてみてよ……ボクとお兄様と未来のお嫁さんと、あとお母様も一緒に住んでもいいかな? お父様は口うるさそうだからダメね。四人の温かな生活を……お兄様だけ地下で生活するのは寂しいだろうから、犬を飼ってあげるね? ちゃーんと雌を選んであげる。あっ! ラシィお兄様が訪ねてきた日にはラシィお兄様の残飯を食べてもらおうかな! 恋仲の雌犬と一緒に這いつくばって同じ皿の残飯を奪い合うの! 犬と並んでグチャグチャになったゴミにがっついて……キャアアアアアッ、それってとっても素敵!! ねぇ、いつかなんて言わず今度ご飯抜きになった時にやってみせてよ!! 厨房に行ってさぁっ、”残り物ください”って使用人に頭を下げてさぁ!! そしたら一日だけ嫌なことしないであげる!! やってやって、絶対やって!! やらなかったらお母様のお気に入りの洋服をボロボロに切り刻んでっ、犯人はお兄様だって言ってやるからねっ!!」
……。
「ハァ……ハァ……ふふっ、もう寝る時間なのに興奮しちゃった。じゃあ、話したかったことはこれで全部だから。もう帰っていいよ」
……。
「ねぇ、帰っていいよ。聞こえなかったの? それとも無視? その耳ただの飾りで付いてるなら穴を焼いて塞いであげようか? ……うふふっ、うそうそ! そぉーんな酷いことしないよ! ボクはお父様と違って、お兄様のことを心から大切に思ってるんだから……」
……。
「これからもずっとボクの憂さ晴らしのために惨めに生きてね、■■■■■■お兄様」
お父様が字の勉強になるからと買い与えてくれた日記。今思うとこれがあの人からの最後の愛だった。
いつものテーブルの引き出しに隠すように入れ、鍵をかける。
窓の向こうの空には朧な月が浮かんでいた。
自室を出て、真っ暗闇の廊下を歩く。
どこへ向かってるんだろう。体が勝手に動いてて分からない。
階段を上がり、ある部屋の前で立ち止まると、目の前の扉を四回ノックした。
「どうぞー」
中から返事がした。まだ声変わりをしていない少年の声だ。
取っ手をひねり、中に入る。
「ごめんねぇ、夜中に呼び出しちゃって。でもこれはお兄様にとって、すっごく大事なお話だからさぁ」
母譲りの茶髪にクリッとした大きな目。女々しい仕草に、女々しい喋り方の猫被り……。
忌々しいコデリー。
手招きをするコデリーに従い、自室のとは比べものにならないくらい、きらびやかな椅子に座る。派手な装飾が好きだなんて、どこまでも女みたいな奴だ。
テーブルを挟んで対面するコデリーは両手で頬杖をつき、大きな瞳を潤ませてニヤニヤとこちらを見つめている。
「ボク聞いちゃったんだぁ。お父様がねぇ、司祭様に相談してたの。どうしてお兄様だけが上手く魔術を使えないのかって話……」
それはずっと……物心付いた頃から、一日たりと頭から離れたことのない悩みだ。
一族が得意とする炎に関する術。戦闘で使用することはおろか、火花さえ生み出すことができない不出来な自分をコデリーはいつもからかってきた。
コデリーは七歳で初めて本格的な魔術の展開に成功し、彼の顔と同じくらいの大きさの火の塊を手の中で発生させた。それからはメキメキと魔術の腕を上げていき、十歳となった去年の誕生会では炎を操り、オーレンが誇る美しい石橋を模して披露したらしい。参加が許されなかったから実際にこの目で見たわけじゃないけど、とにかくこの弟には才能があった。
でもラスダニアお兄様ほどではない。
あの人はいつだって完璧だ。
魔術だけじゃない。礼儀作法も剣術も、何だって大人の期待以上の結果を残す。それでいて驕らずに常に上を目指すので、コデリーにも及ばず、ただ妬んでいるだけの自分が余計に惨めになった。
劣等感を覚えていたのはコデリーも同じで、コデリーが七歳で術を発現させたのに対し、お兄様は五歳で自身を襲った暗殺者共を炎上させて返り討ちにした。
当時から”天才”と持て囃された兄に比べて、コデリーは”秀才”……どちらも羨ましい評価だが、コデリーは自分が”努力してやっと”、兄の後ろを追い掛けていると判断されている状況が気に食わないらしい。目立ちたがりだから、周囲の目を全てお兄様に持っていかれるのが嫌なんだろう。
自分が一番じゃないと許せない愚かなコデリー。
怒りの矛先は兄ではなく、こちらに向いた。
成長するほどにコデリーの魔術を乱用した嫌がらせは激しさを増した。
何度やめてと頼んでも本人は意地悪く笑うだけ。許しを乞えば乞うほど、幼い弟の遊び心は過熱した。去年の冬には肩まであった髪を燃やされ、仕方なく不揃いになった髪を耳の辺りの長さまで自分で切り揃えた。……首の後ろには火傷跡が残った。
どうにかして生意気なコデリーに一泡吹かせてやりたかったけど、唯一勝てる剣術は過去の手合わせで向こうに怪我を負わせて以来、お母様から共に訓練するのを禁じられている。叱責を受けて何度も頬をぶたれてしまったけれど、ちょっと木剣をかすめた程度で大人に泣き付くコデリーの情けない姿には胸のすく思いだった。
見下していた人間との力の差が受け入れられなかったのか、その日からコデリーは剣術の稽古を拒否するようになった。お母様は”魔術師なのだから魔術さえ学べばそれでいい”とコデリーの肩を持った。反対に文武両道を重んじるお父様は良い顔をしなかった。
コデリーとの手合わせで勝利を収めてからというもの、お母様からはより強い当たりを受けることとなる。小さい頃の記憶はあまり残っていないけれど、少なくとも今ほど頭ごなしに叱られたり、毎日のように暴力に訴え掛けられることはなかったはずだ。
母と弟にとって、自分は”弱者”なのだと思い知らされた。”強者”である二人に盾突くのは許されざる行為なのだ。お母様はご自身の容姿が反映されたコデリーがお気に入りだから、可愛がるのは理解できる……でも……。
羨ましい。
お兄様はお父様や他の周辺貴族からの期待と信頼を一身に受けている。
コデリーはお母様や使用人達からの甘い愛を独占している。
自分には? 自分には何もない。
誰も……何も……心と体に傷が増えてくだけだ。
これからもきっと、変わらない……。
「ねぇ、ぼけっとしないでさぁ、知りたい? 知りたいよねぇ? うふふっ、しょーがないから教えてあげるねぇ?」
……コデリーはこちらの返事を待たずに、ねちっこい話し方で勝手に進める。
「ダストンガルズ家の子供は代々親の名前を必ず一文字受け継ぐように命名されてるんだって。古代語に力があるなら、現代の言葉にも少なからず事象への影響があるはずっていう祖先様の考えの元ね。だから親の名の一部を貰うことは、魔術師としてのその子の命運を左右する行為なんだって。それで……」
勿体ぶったようにコデリーが言葉を止め、こちらをニヤニヤとおかしそうに見つめる。
なんだか息が詰まりそうだ。こいつは何を言っているんだ? 何を言いた……いや、そんなはずない。だってそんな話、そんな話が本当なら、今まで行ってきた努力は……。
「もう言いたいことは分かるよね? お兄様は受け継いでないんだよ。お父様の名前も、お母様の名前も」
……。
「若かったお父様は伝統ってヤツが嫌いだったらしくて、自分の子には好きな名前を付けるって決めてたんだって。でもラシィお兄様が生まれた時、お爺様とお婆様に猛反対されて仕方なく”ラズィリー”の”ラ”を与えた。でも翌年にお爺様達は病気でお亡くなりになられたものだから、次に生まれたお兄様の命名に指摘する者は誰もいなくなり、お兄様は見事に一族初の不継承者になっちゃったってわけ」
……やめてくれ。
「アハッ、気付いたぁ? そう、ボクにもお父様の”リー”が入ってるよねぇ? ボクとお兄様の年の差は五つ……実は五歳になったお兄様が全く魔術の片鱗を見せないものだから、お父様は”もしかして”って思ったらしいんだよ。古いしきたりには意味があったんじゃないかって……だから三番目に生まれたボクの時には、再び伝統に則って名前の継承を行ったってこと」
もうやめてくれ。
「だからね、お父様が言ってたよ」
やめてくれよ聞きたくない。
今まで自分の努力が足りないせいだと思ってたから何とか耐えられたんだ。自分のせいだからと、努力を続ければいつか報われると、だからそれを否定するのは止めてくれよ。今までだけじゃなく、これからまで奪うのは―― 。
「お兄様は自分が命名に失敗したから、何の才も授からなかったって」
……。
「でもお父様は自分の非を認めたくないから、お兄様の頑張りが足りないせいだっていつも責任転嫁しちゃうんだって。我が親ながら酷いよねぇ」
……もういい。
「ボクはねぇ、お兄様に感謝してるんだぁ。だってお兄様がいるからボクは楽しく生きられるんだもん! 飢えなんか心配せずに毎日おいしいものを食べて、好きなことをして、みーんなから愛される! 何より、あなたはあの鼻に付くラシィお兄様とお顔がよぉく似てるから、お兄様をいじめてるとラシィお兄様を痛め付けてる気分になるんだぁ! お兄様は何の才もないわけじゃないよっ、ボクを満足させる才能だけは世界一備わってるんだからぁ! アハッ、アハハハッ!!」
もういいって。
「魔術に関してはぁ……歴代のダストンガルズの中でも一番カスなんじゃないかなぁ? カイキョウの貴族は特に魔術師としての世間体を気にするから、きっとこれからも病を患ってるからとか何とか言って、お父様達はお兄様を屋敷から出さないつもりだよ。結婚もさせてもらえず、そのうち暗い地下室行きかもねぇ。でも安心して! ボクが大人になって家を貰ったらお兄様を引き取ってあげるから! だって兄弟だもんねぇ、あぁ、ボクってなんて優しいんだろう!」
やめろって。
「なぁに、その目? うふふ……剣を持ってないお兄様なんてちっとも怖くないよ。それよりも考えてみてよ……ボクとお兄様と未来のお嫁さんと、あとお母様も一緒に住んでもいいかな? お父様は口うるさそうだからダメね。四人の温かな生活を……お兄様だけ地下で生活するのは寂しいだろうから、犬を飼ってあげるね? ちゃーんと雌を選んであげる。あっ! ラシィお兄様が訪ねてきた日にはラシィお兄様の残飯を食べてもらおうかな! 恋仲の雌犬と一緒に這いつくばって同じ皿の残飯を奪い合うの! 犬と並んでグチャグチャになったゴミにがっついて……キャアアアアアッ、それってとっても素敵!! ねぇ、いつかなんて言わず今度ご飯抜きになった時にやってみせてよ!! 厨房に行ってさぁっ、”残り物ください”って使用人に頭を下げてさぁ!! そしたら一日だけ嫌なことしないであげる!! やってやって、絶対やって!! やらなかったらお母様のお気に入りの洋服をボロボロに切り刻んでっ、犯人はお兄様だって言ってやるからねっ!!」
……。
「ハァ……ハァ……ふふっ、もう寝る時間なのに興奮しちゃった。じゃあ、話したかったことはこれで全部だから。もう帰っていいよ」
……。
「ねぇ、帰っていいよ。聞こえなかったの? それとも無視? その耳ただの飾りで付いてるなら穴を焼いて塞いであげようか? ……うふふっ、うそうそ! そぉーんな酷いことしないよ! ボクはお父様と違って、お兄様のことを心から大切に思ってるんだから……」
……。
「これからもずっとボクの憂さ晴らしのために惨めに生きてね、■■■■■■お兄様」
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