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独りぼっちの少女
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「きらりきらりと光って
雲に隠れてしまう
そんな小さな光を
散りばめたのは」
墨で塗りつぶされたような真っ黒な空が一日中続く世界で、少女は独りで生きていた。この世界には建物がなく、一面にまっ平らな草原が広がっているだけ。少女には家族も友達もいなかった。本当に独りだった。
そんな少女には唯一の楽しみがある。それは、真っ黒な空に、小さな星を描いて光を灯すこと。
「真っ黒な空に
光を灯しましょう
いろとりどり集めて
素敵な空にしよう」
光り輝く魔法の筆と、光り輝く魔法の絵の具を使って、少女は毎日ひとつだけ小さな星を描いた。少女の描く小さな星は、どの光も違って美しく思った。
今日も小さな星をひとつだけ描いた少女は、小さな星が輝く空を眺めていた。あれは白、それは黄、そっちは赤で、こっちは青、そして向こうの緑は今日描いたものだ。いろとりどりで、それはそれは綺麗な空を、少女は独りで眺めていた。
「独りで眺める空は
それはそれは綺麗で
寂しい気持ち
なんて吹き飛ばしてく」
★
雲に隠れてしまう
そんな小さな光を
散りばめたのは」
墨で塗りつぶされたような真っ黒な空が一日中続く世界で、少女は独りで生きていた。この世界には建物がなく、一面にまっ平らな草原が広がっているだけ。少女には家族も友達もいなかった。本当に独りだった。
そんな少女には唯一の楽しみがある。それは、真っ黒な空に、小さな星を描いて光を灯すこと。
「真っ黒な空に
光を灯しましょう
いろとりどり集めて
素敵な空にしよう」
光り輝く魔法の筆と、光り輝く魔法の絵の具を使って、少女は毎日ひとつだけ小さな星を描いた。少女の描く小さな星は、どの光も違って美しく思った。
今日も小さな星をひとつだけ描いた少女は、小さな星が輝く空を眺めていた。あれは白、それは黄、そっちは赤で、こっちは青、そして向こうの緑は今日描いたものだ。いろとりどりで、それはそれは綺麗な空を、少女は独りで眺めていた。
「独りで眺める空は
それはそれは綺麗で
寂しい気持ち
なんて吹き飛ばしてく」
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