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yuto

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家族

家族1

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俺は売れない小説家を目指す引きこもり。
母と二人暮らし。
人と接するのが怖くて気づけばずっと家に居て
在宅ワークなどをしながら自分の妄想をしたためてる。


ある日の事


「お母さん結婚することにしたから」

唐突にどうしたというのだ、
びっくりするじゃないか。


「よかったじゃん」


パソコンに目を向けたまま平静を装ってみるが
恐らくばれて居ることだろう。


「新しくあなたのお父さんになる人が一緒に住もうって言ってくれてるんだけど
どうする?」


「・・・俺はいいや」


少し考えてみるが、正直知らない人と一緒の空間に居るのは耐えられない。
母さんも気遣ってくれてあまり部屋に入らないようにしてくれてるし。
俺って親不孝だな。


「妹も出来るよ?」


藪から棒にどうした。


「俺をなんだと思ってるんだよ。
人付き合いってか距離間分かんないし別にいいよ。」

驚きで声が少し裏返ってしまったが
返答は変わらない。


「そう。まぁほっといてもどうせあんま困んないだろうし寂しくなったらいつでも連絡しておいで?」


ほっといてもってなんだ。
まぁありがたい事ではあるけれど。


「お幸せに」


これは本心だ。
俺のせいでいらない気苦労も掛けただろうから
自分の幸せを歩いて行って欲しい。
・・・あと一人になれるのは嬉しい。
この後も心配をあまり掛けぬように頑張ろう。



母さんと別れて5年程経った頃に書いていた小説の一つが爆発的にヒット。
数少ない売れっ子作家になった俺は順風満帆な引きこもり生活を送っていた。



10年後



優雅な日々を送っていたある日、
新しく父親になった人から連絡が来た。


「倫、話があるんだが今度会わないか?」


「別にいいですけど、電話じゃダメなんですか?」


「倫がしんどいなら電話でもいいんだが、できれば直接話したい。」


「あまり外出たくはないので俺の家でも大丈夫ですか?」


「構わないよ。昔の家で良かったか?
いつ頃空いてる?
出来れば早めにしてくれると助かる。」


「・・・あぁ忘れてました。
家は変わりましたよ。
後で住所送っておきますね。
予定はそちらに合わせますよ。
俺、仕事してますけど家でいつも完結してるので。」


「分かった。
また連絡する。」


「はい。」


新しく父親になった人とは生存報告でたまに連絡してたけど
こんなに会話したのは初めてだ。
めっちゃ緊張した。
直接会って俺、話せるのか?
てか初めて会うんだけど。


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