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5話 初めての旅
しおりを挟む私は毎日、ミリアと共に森に行った。
リベラも用事があるとき以外は付き添ってくれた。
リベラが言うように7日も経つと、立った状態で
すぐにトランス状態になれるようになってきた。
「さすがでございますわぁ~!セリーヌ様」
え?何?今の!リベラが頭に直接語り掛けてきた!
あの時のレイグリッドみたいに!
「リ・・リベラ!今のなに??」
「念話でございます」
「ね・・念話?」
「はい、私達が互いに連絡を取る時に用いる
手段でございます」
「これって、魔法なの?」
「魔法というより・・スキルですわね」
「これって・・私にも使えるの?」
「あらぁ・・オッホホホホ!
もう、使われたじゃありませんかぁ!
この間、お披露目の時に!」
「あ!そうなんだぁ・・!あれがそうか!」
「要領はこの間と同じでございますよ。
伝えたい相手をイメージして、話掛ける。
それだけです」
「どんなに、離れてても?つながるの?」
「はぁい。そうでございますが、熟練度と距離は
比例しております」
携帯と同じだぁ・・!
持ち歩かなくていいぶん便利かも!!
「魔法とスキルって違うの?」
「そうですねぇ・・どちらも魔力を使うのは
同じでございます。
スキルというのは・・ん~技術ですかね?
使っていかないとウマくなりませんねぇ~」
「私達の人型も、スキルなんですよ?」
ミリアが言った。
「そうなんだぁ~!」
「魔法はその人の属性が大きく左右されますが
スキルは属性は関係ございません。
ある一定の魔力があれば使えます」
「それって・・剣のスキルと同じ感じなのかな?」
「そうでございます。剣のスキルも、同じです」
「それはどうやって覚えるのかなぁ?」
「魔法は、私のような魔法士じゃないと
お伝えすることはできませんが、
スキルは、それをお持ちの方であれば伝授可能です。
最上級の方ですと、お手を握るだけで伝授できます」
あ・・・あの時だ!!
私が魔王城で挨拶に出る前、
レイグリッドが私の手を握って何か念じてた!!!
「この間、私が申しておりました瞬間移動も
スキルの一種です」
ミリアが言った。
「ただ、スキルは向き不向きが若干ございます。
例えば、ここにおります、ミリアは竜ですので
瞬間移動はウマく使えません」
「え?なんでなの?」
「竜は飛べるからですね。飛ぼうという
意識が先に立ってしまうのです」
「なるほど~~・・」
「セリーヌ様は魔導剣士の特性でいらっしゃい
ますので、貴女様の魔導剣士の
ユニークスキルは、魔導剣士の上級の方
でしか伝授いただけないのです。
今、アカ殿がこの世界のアチコチに間者を
派遣し調べております」
リベラが言った。
「そういうことかぁ・・・」
「ねぇねぇリベラ、リベラは瞬間移動は
できるの?」
「はぁい。もちろんでございます」
「それ、伝授して!」
「お安い御用です」
リベラは軽く私の手を握った。
リベラの指先から何か流れてきたような気がした。
「あれ?なんか感じた!なんで?
この間レイグリッドからは何も
感じなかったのに・・・」
「この7日で、セリーヌ様はマナを
感じ取れるようになったからでございますよ?」
「へぇ~~!!スゴイっ!!」
「はい、もう結構でございます」
「え?もう使えるの?」
「はい。ただこれも訓練です。
使っていかないと中々遠くまでは移動できません。
今は見える所には移動できると思います。
どうぞ御試しになってみてください」
私は少し離れた所にある大木の根元を見た
よし、やってみよう。あそこだっ!
シュンッ!
次の瞬間、大木の根元にいた
「や・・やった!すごい!私にもできる!!」
そして今度は、リベラの居る所を見た。
シュンッ!
瞬間でリベラの前に出た。
「お見事でございます。その要領で続けていきますと
一度行った所に行けるようになります。
剣士となるとこのスキルは頻繁に使用
いたしますので、ぜひご活用くださいませ」
「ハイっ!」
「では魔法に取り組みましょう。
セリーヌ様は全属性をお持ちですので、
どのような魔法でも使用可能です」
「属性ってどんなのがあるの?」
「火・水・風・土・氷・光・闇・雷などがあります。
また無属性というのもございます」
「無属性というのは?」
「スキルと被る所もございますが、
身体強化・バリア結界・遠目・拡声・拡聴
などがございます。
まずは、各属性から始めましょう」
「わかった!」
「では、マナを感じ取って、手のひらに
火をイメージしてください」
私はリベラの言う通り、手のひらに
火が乗るようなイメージを持った
すると、ボッ・・と火のボールのようなものが
浮かんだ。
全然熱くない。
それはまるで薄い皮膜の中に燃え盛る炎が
入っているような感じだった。
「お見事です。それと同じように、
次々とイメージしてください」
私は次々とイメージした。
全て同じような感じで手のひらに現れた。
「やはり、さすがでございますわぁ~・・
基本はもうできましたですね」
リベラが感心したように言った。
「え?そうなの?これでもういいの?」
「はぁい。あとは応用です。
先ほど移動した大木に向かって火の玉を
イメージして放ってみてください」
「え??え?ファイヤーなんとかーーって
言わなくていいの?」
「はぁい」
「でもパパは、私達にしてくれたお話しの中で、
ファイアーなんとかーーって言ってたよ?」
「オホホホホッ!それは、セリーヌ様に
分かり易いようにと、創作されたのでしょう。
シュベル様は、全ての魔法を無詠唱で
行っておりました。
でも、言葉に出した方がイメージしやすい
のでしたら、そちらでも構いませんよ?
名称など自由に決めてくださればいいのです。
決まっておりません」
「じゃ・・じゃぁ・・ファイアーボール!!」
すると手から火の玉が勢いよく飛び出し、
大木に当たった。
ドォーーーン!!
「お見事でございます。
全て、その要領でございます。
氷の槍とか雷撃なんかも同じです。
どれだけの破壊力をイメージできるかによって
威力が変わって参ります」
「なるほど~~!!」
「例えば、強烈な水を落とすのであれば、
滝をイメージするとかですね?」
「わかったような気がする!!
これは訓練のしがいがあるわっ!!
いろいろ試してみるっ!」
「次に回復魔法ですは、こちらはさほど
難しくありません。
疲れを取ったり、痛みを和らげたりいたします。
まぁ、自己暗示の一種とも言えますね」
「じゃぁ、楽になれーー!とか、痛みが治まれーとか
思えばいいのね?」
「さようでございます。
しかし、治癒魔法は我等、魔界のモノは
使えません」
「なんでなの?」
「治癒魔法は聖魔法の一種です。
聖魔法はプリーストとか賢者にしか
使えないのです。
魔界の以外の者でも
さほど多くはありません。
治癒はケガなどを治します。
回復では、ケガは治りません」
「へぇ~いろいろあるんだねぇ」
私はそれから毎日、ミリアと森へ行き
いろんな魔法を繰り返し試してみた。
パパのように、無詠唱では出来なかったけど、
破壊力は日に日に大きくなった。
同時に、剣の訓練も引き続き行われた。
腕が鈍らないようにと、ザリアスが何日かに一度
腕の立つ数名の兵を、訓練相手に派遣してくれた。
ザリアスも相手をしてくれた。
「ふぅーーッ!流石でございますなぁ!
その速さにはなかなかついていけませぬ!」
ザリアスが相手をしてくれていた。
「でも、実戦はまた違うだろうから・・」
「そうですな、機会があれば一度、魔獣と
戦ってみますか?」
「えーー・・なんか不安だなぁ~・・」
「大丈夫でございますよ、セリーヌ様、
御一人では行かせませんから。ハッハハハ!」
「はぁ・・じゃ、またお願いしますね。ザリアス」
「畏まりました」
なんか、悪い人じゃないんだけど・・
調子狂うな。。
そこにミリアから念話が入った。
「セリーヌ様、ザリアス様、王の間に
お越しくださいとレイグリッド様から・・」
「わかったー!すぐいくわ」
私は瞬間移動で、王の間に行った。
もうこれぐらいは、できるようになっていた。
部屋に入ると、レイグリッドに席に着くよう
促された。
目の前の円卓には大きな世界地図が広げてあった。
みんな揃っていた。
席に着くと、アカが話始めた。
「セリーヌ様、魔導剣士が見つかりまして
ございます」
「うん、それで?・・どうしたの?」
「実はそのお方は、ちょっと離れた所に
いらっしゃいます。この地図をご覧ください」
大きな地図を覗き込んだ。
「この世界には、我等の魔界を挟みまして、
西にヒューマンエリア、東にビーストエリア、
そして我らの南の海峡を越えた所に、
デミヒューマンエリアと主にこの3エリアで
構成されております」
地図を見ると、大きく3つに分かれているよう
に見えた。
「このデミヒューマンエリアの真ん中辺りに
魔導剣士、それもかなり上級の方がおられます」
「へー・・で?どうしたらいいの?」
「はい、実はかなり難しいお方と聞いておりまして、
御姿を見つけることはできませんでした。
確実にその辺りにいらっしゃるという事は
聞いておりますのですが・・」
アカが続けた。
「名前はオーディンと言われる方です。
噂によりますと、あまり他人を近づける
ことはされないと」
そして レイグリッドが言った。
「セリーヌ様、剣と魔法は恐らく最上級までの力は
もう、間もなくお手に入れられると思います。
魔導剣士のスキルが無くとも、何かの時には
十分に戦えると思いますが・・」
「え?なぁに?私に魔導剣士をあきらめろ・・と?」
私はちょっと、ムカッときた。
「いえ、機会があれば是非にとは考えておりますが
この世界においては、見送るというのも、
選択肢かと思います」
ふーん・・ムリをするなってことね?
「イヤよ」
「あぁ・・そう言われるかと思っておりました・・」
レイグリッドが残念そうに言った。
「だって、次の世界に行っても居るかどうか、
わからないじゃない!
私は魔界の人たちに約束したの。
全身全霊で取り組むって。
いきなり約束を破るのはイヤなの」
重い空気が流れた。
「いいわ!私が直接行って探して、見つける。
それで、交渉して教えてもらうわ」
「そ・・それは・・・」
レイグリッドが困ったような顔をした。
「セリーヌ様、実はビーストエリアと
ヒューマンエリアはここ数年、ずっと
戦争中でございます。
その戦地を抜けないと海岸まで
辿りつけません」
アカが言った
「ミリアに飛んでもらう」
私はミリアを見て言った。
ミリアはコクっと頷いた。
「それが・・この世界での人間は、銃と大砲を使い
戦っております。
空を飛ぶ竜を見つけましたら、
敵と思い砲撃をしてくるでしょう。
非常に危険です」
「届かない高さまで飛べばいいでしょ?」
「はい、確かに仰る通りですが、上昇はともかく
降りるときには必ず、見つけられます。危険です」
「あ~~そういうことね・・」
「じゃぁ、戦闘地域は陸路で抜ければ
よろしいんじゃなくてぇ??ウフフ」
リベラが口を開いた・
「私は、セリーヌ様の思うようにして頂いたら
よろしいかとおもいますけど?」
リベラが続けた。
「リベラ・・・」
「で・・でも、リベラ殿・・」
レイグリッドが言いかけたとき
「私もご一緒に御伴しますわぁ~!
ミリアと共に。我等は魔王様がされる事の
お力になる。
それが我等のあるべき姿じゃございませんこと?」
それをジッと聞いていたレイグリッドが口を開いた。
「まさしくそうでありました。
リベラ殿、貴女のお言葉で
私は気づかされたようですな・・ハハハ」
「し・・しかし・・」
アカが言いかけた。
「イヤ、ここはセリーヌ様のお考え通りに
いたしましょう。
セリーヌ様には、より大きな力をつけ、
帰ってきていただきましょう!」
その日、この世界にきて初めての旅を
リベラ、ミリアと共にする事が決まった。
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