窓

紫 李鳥

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 窓

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チリ~ンチリン




 アイスキャンディ屋の鳴らす鐘

 窓の外から聞こえたの

 窓の外は陽が燦々

 わたしはお外に出ちゃいけないの

 母さんからきつく言われてるの

 だから

 窓からお外を眺めてる

 きょうは何して遊ぼかな……



 わたしは一人

 部屋の中

 きょうは何して遊ぼかな……



 母さんの部屋から声がする

 知らない男の笑う声



 向かいのおばさん

 打ち水し

 チラッと

 こっちを視たけれど

 お部屋の中は闇の中

 外から見えない闇の中


 自転車一台通ってった

 日傘の女も通ってった

 猫も通って行きました

 きょうは何して遊ぼかな……



 頬杖ついて

 窓の外

 ずーっと眺めておりました

 格子窓の隙間から

 陽が射す往来眺めてた

 いつまでも

 眺めておりました




 いつの間にやら外は闇

 お部屋とおんなじ闇の中

 母さん泣く声聞こえたの

 知らない男がいじめてる



 忍び足で行きました

 母さんの部屋へ行きました

 障子の隙間から覗いたら

 母さん

 なんにも着てないの

 知らない男も

 着てないの


グサッ!グサッ!グサッ!


 母さん

 何やら叫んだの

 知らない男は

 真っ赤っか



 わたしは包丁持っていた

 赤いのポタポタ落ちていた



 きょうはなんにもしなかった

 だけど

 白いおべべを汚したの

 あしたは何して遊ぼかな……





 あしたは何して遊ぼかな~
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