1 / 1
少年がいた夏
しおりを挟む玄関横に井戸があった。
桶にはラムネやスイカ、トマトが入っていて、父さんのビールもあった。
虫かごをたすき掛けにした麦わら帽子の少年は、虫取り網を置くと、井戸のポンプを押す。
その冷たい水で顔を洗い、冷えたラムネを手にする。
「ただいま!」
「おかえり」
台所から母さんの声。
二階の部屋に虫かごと虫取り網を置いて、麦わら帽子を脱ぐとラムネのふたを開けた。
ポン!
シュワー
ゴクッ、ゴクッ……
ハァ~
真上にある太陽が、庭に木陰を作っている。
窓から入る風が額の汗を拭ってくれた。
階段を下りると、台所から包丁の音がしていた。
「おひる、なに?」
「そうめんにでもしようかと思って」
「ぼく、ひやむぎがいいな」
「じゃ、ひやむぎにしようか」
母さんが笑顔を向ける。
「やったー」
台所の窓から蝉の声が聞こえていた。――
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
緑色の友達
石河 翠
児童書・童話
むかしむかしあるところに、大きな森に囲まれた小さな村がありました。そこに住む女の子ララは、祭りの前日に不思議な男の子に出会います。ところが男の子にはある秘密があったのです……。
こちらは小説家になろうにも投稿しております。
表紙は、貴様 二太郎様に描いて頂きました。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる