70 / 181
第二章 雛
第二十四話 家族 24 2-11-1/3 69
しおりを挟む
テコに手を引かれて森を歩く。さすがに鴛鴦繋ぎは許さなかったが、テコもそれを望むことはなかった。
「ねえ、ユミ。勢いで飛び出しちゃったけど、ほんとに大丈夫なの?」
「うん、大丈夫。ちゃんと周りを見て歩いているから」
月明かりに照らされたテコの顔からは不思議そうな色が仄かに浮かんでいる。
つまずかないように、テコは最低限足元を見ながら歩いてはいるが、ユミとは対照的に周りのことなどはほとんど眼に入っていない。
周りを見ずとも、生まれ故郷であるモバラに向かって歩くことはできるのだ。
「モバラまでは1刻もかからないぐらいなんだよね? 今サイ達が寝てる場所との往復の時間を考えても、テコのお母さん達とお話するぐらいの時間はあると思うよ」
「往復って……。そんなことが出来るの?」
テコの疑問は当然だ。トキに叱られた悲しみのあまり、抜け出してしまおうというユミの甘い言葉に誘われてしまったが、歩いている内に冷静さを取り戻したようだ。
「ユミは、一体どこで生まれたの?」
鳩の持つ帰巣本能は、生まれた場所へ導かれる力である。サイ達が眠る場所へ戻ることが出来ると言うのであれば、ユミは何とも得体のしれない場所で生まれたことになる。
「ウラヤだよ。絶対にラシノなんかじゃないからね!」
「ラシノ?」
「ううん。なんでもない。テコはモバラへ帰ることにだけ集中して」
「……うん」
解せぬ。そんな様子のテコだったが、彼に出来るのはユミが言う通り足を動かすことだけだった。
うっかりラシノという地名を出してしまった。モバラの鳩であるテコが今後も足を踏み入れる余地のない場所だ。
孵卵の際、クイやケンからラシノの生まれなんじゃないかと、詰め寄られた名残りとも言える失言だ。
とは言え、ラシノの生まれでありたくない理由は、ユミがアイの娘でありキリの姉であるという仮説を拒絶したいからだ。しかしながらソラのことを思えば、ウラヤに住むことがそれを否定するものではないのだと分かってしまった。
アイの娘でさえ無ければラシノの生まれの方が良かったかもしれない、という考えすら浮かんでくる。鳩になることも無く、ラシノの村から出ないままキリと生涯を遂げることが出来るのなら、それ以上に望むことなどない。
現状、キリに会うことも許されていない。鳩の縛めの下では。
もりす記憶。懐に忍び込んでいた覚書に綴られていたユミの能力の名前である。
覚書を読んだ後も、繰り返し文面の意味を考えていた。
――森巣記憶
森を意のままに歩ける力
トミサの門の外では使うも自由――
2行目については文字通りの意味だろう。鳩になるまで、鳩は森を自由に歩けるものとばかり思っていたが、実際のところそうではなかった。もりす記憶を有するユミだからこそ成せる業なのだ。
気になるのは3行目だ。これも文字通りの意味と言えばそれまでだが、そもそももりす記憶を使う場面はトミサの外の森でしかない。
座学の試験で満点を取得した時にも、ユミの優れた記憶力を発揮したのには違いない。しかし、文面の意図はそうでないはずだ。満点などその気になれば誰にでも成し得ることなのだ。
覚書の本質的な意図としては、もりす記憶を以て森を自由に歩き回っても、トミサへばれることはないということだろう。ユミはそのように結論付けていた。
トミサを介さずに村を渡り歩くことは禁止されている。
鳩の縛めに定められたことではあるが、禁止されるまでも無く1人でそれを実行出来る者などいない。実行させないため、トミサの門を出る際に検分が行われる。
トミサとトミサの鳩、あるいはトミサとそれ以外の村の鳩の組み合わせであれば検分を通過することが出来る。この渡りについては例外のようではあるが。
トミサの村でない鳩同士の組み合わせでは出門が許されていないため、原理上トミサを介さずに村を渡り歩くことは不可能なのだ。
この検分の仕組みにおける大きな欠点は、ユミの持つもりす記憶の存在を考慮していないことにある。これも鳩らが鳩の常識に囚われてしまっているがための制度だろう。
ユミは孵卵の時点でラシノやナガレなどに辿り着いており、鳩の縛めを犯したことになる。しかし現時点ではそれを咎められていない。クイがユミの試験についてうまく報告したということなのだろう。
咎められていないと言えば、トミサへの出発の前日、ソラとともにラシノに辿り着いてしまったことも同様だ。
以上の事実を踏まえれば、トミサの外で縛めを犯した者を取り締まるのは難しいことが見えてくる。あの覚書が意図するところを事実が裏付けているのだ。
当然、門の外であれば縛めに反してもばれることはない、と言い切れる訳が無い。
しかしそれ以上に、ユミがキリの元へ向かうことを躊躇っているのは、むしろキリと交わした約束の効力が大きい。
キリが大人になったら迎えに行く。それまでには立派な鳩になり、素敵な鴦になる。そういう約束だ。
それでは立派な鳩とは何だろうか。ユミなりに考えた。
前提として、鳩の縛めを順守することは立派な鳩の条件であるはずだ。たとえユミにとって不本意な縛めであったとしても。
クイの提案に従えば将来キリが書くであろう鴛鴦文を読むことは叶うかもしれない。法を順守すると言う点においては際どいところであるが。
とは言え、キリとの再会までが保障されている訳では無い。
ウラヤからラシノへ、村を渡り歩くという禁忌を犯さない限り、キリとの約束は果たせないのだ。
ならばせめて、縛めを犯すのに足る尤もらしい条件を自ら定めておこうとユミは考える様になった。
これまでにも複数回にわたりラシノへ辿り着いたことが露呈しなかったのは、それを黙っていたからだと言える。
一方で、正式な鳩でもないのにソラの後を追い森へ足を踏み入れたところまでは、ユミのお目付け役のカサも把握している。それが咎められていないのは、ソラを助けるという大義名分があったからだ。
即ち、正当な理由さえあれば縛めを犯すことも止むを得ない、と判断されることもあるのだ。
縛めを犯すのに尤もらしい条件。その答えに辿り着く鍵はトキの言葉にあった。
――俺達は助け合える。皆が手を取り合い、無事トミサへと帰ってくる。これを成し遂げられるようになることが渡りの目的だ。
自分の為だけではない。誰かの為になるのなら、もりす記憶を発揮すれば良いのだとユミは思い至る。
七班の全員が揃ってトミサへ帰り着くには、テコの心を癒すことが何よりも重要なのだ。
こうしてテコの手を取っているのは、そんなユミの決意によるものであった。
「ねえ、ユミ。勢いで飛び出しちゃったけど、ほんとに大丈夫なの?」
「うん、大丈夫。ちゃんと周りを見て歩いているから」
月明かりに照らされたテコの顔からは不思議そうな色が仄かに浮かんでいる。
つまずかないように、テコは最低限足元を見ながら歩いてはいるが、ユミとは対照的に周りのことなどはほとんど眼に入っていない。
周りを見ずとも、生まれ故郷であるモバラに向かって歩くことはできるのだ。
「モバラまでは1刻もかからないぐらいなんだよね? 今サイ達が寝てる場所との往復の時間を考えても、テコのお母さん達とお話するぐらいの時間はあると思うよ」
「往復って……。そんなことが出来るの?」
テコの疑問は当然だ。トキに叱られた悲しみのあまり、抜け出してしまおうというユミの甘い言葉に誘われてしまったが、歩いている内に冷静さを取り戻したようだ。
「ユミは、一体どこで生まれたの?」
鳩の持つ帰巣本能は、生まれた場所へ導かれる力である。サイ達が眠る場所へ戻ることが出来ると言うのであれば、ユミは何とも得体のしれない場所で生まれたことになる。
「ウラヤだよ。絶対にラシノなんかじゃないからね!」
「ラシノ?」
「ううん。なんでもない。テコはモバラへ帰ることにだけ集中して」
「……うん」
解せぬ。そんな様子のテコだったが、彼に出来るのはユミが言う通り足を動かすことだけだった。
うっかりラシノという地名を出してしまった。モバラの鳩であるテコが今後も足を踏み入れる余地のない場所だ。
孵卵の際、クイやケンからラシノの生まれなんじゃないかと、詰め寄られた名残りとも言える失言だ。
とは言え、ラシノの生まれでありたくない理由は、ユミがアイの娘でありキリの姉であるという仮説を拒絶したいからだ。しかしながらソラのことを思えば、ウラヤに住むことがそれを否定するものではないのだと分かってしまった。
アイの娘でさえ無ければラシノの生まれの方が良かったかもしれない、という考えすら浮かんでくる。鳩になることも無く、ラシノの村から出ないままキリと生涯を遂げることが出来るのなら、それ以上に望むことなどない。
現状、キリに会うことも許されていない。鳩の縛めの下では。
もりす記憶。懐に忍び込んでいた覚書に綴られていたユミの能力の名前である。
覚書を読んだ後も、繰り返し文面の意味を考えていた。
――森巣記憶
森を意のままに歩ける力
トミサの門の外では使うも自由――
2行目については文字通りの意味だろう。鳩になるまで、鳩は森を自由に歩けるものとばかり思っていたが、実際のところそうではなかった。もりす記憶を有するユミだからこそ成せる業なのだ。
気になるのは3行目だ。これも文字通りの意味と言えばそれまでだが、そもそももりす記憶を使う場面はトミサの外の森でしかない。
座学の試験で満点を取得した時にも、ユミの優れた記憶力を発揮したのには違いない。しかし、文面の意図はそうでないはずだ。満点などその気になれば誰にでも成し得ることなのだ。
覚書の本質的な意図としては、もりす記憶を以て森を自由に歩き回っても、トミサへばれることはないということだろう。ユミはそのように結論付けていた。
トミサを介さずに村を渡り歩くことは禁止されている。
鳩の縛めに定められたことではあるが、禁止されるまでも無く1人でそれを実行出来る者などいない。実行させないため、トミサの門を出る際に検分が行われる。
トミサとトミサの鳩、あるいはトミサとそれ以外の村の鳩の組み合わせであれば検分を通過することが出来る。この渡りについては例外のようではあるが。
トミサの村でない鳩同士の組み合わせでは出門が許されていないため、原理上トミサを介さずに村を渡り歩くことは不可能なのだ。
この検分の仕組みにおける大きな欠点は、ユミの持つもりす記憶の存在を考慮していないことにある。これも鳩らが鳩の常識に囚われてしまっているがための制度だろう。
ユミは孵卵の時点でラシノやナガレなどに辿り着いており、鳩の縛めを犯したことになる。しかし現時点ではそれを咎められていない。クイがユミの試験についてうまく報告したということなのだろう。
咎められていないと言えば、トミサへの出発の前日、ソラとともにラシノに辿り着いてしまったことも同様だ。
以上の事実を踏まえれば、トミサの外で縛めを犯した者を取り締まるのは難しいことが見えてくる。あの覚書が意図するところを事実が裏付けているのだ。
当然、門の外であれば縛めに反してもばれることはない、と言い切れる訳が無い。
しかしそれ以上に、ユミがキリの元へ向かうことを躊躇っているのは、むしろキリと交わした約束の効力が大きい。
キリが大人になったら迎えに行く。それまでには立派な鳩になり、素敵な鴦になる。そういう約束だ。
それでは立派な鳩とは何だろうか。ユミなりに考えた。
前提として、鳩の縛めを順守することは立派な鳩の条件であるはずだ。たとえユミにとって不本意な縛めであったとしても。
クイの提案に従えば将来キリが書くであろう鴛鴦文を読むことは叶うかもしれない。法を順守すると言う点においては際どいところであるが。
とは言え、キリとの再会までが保障されている訳では無い。
ウラヤからラシノへ、村を渡り歩くという禁忌を犯さない限り、キリとの約束は果たせないのだ。
ならばせめて、縛めを犯すのに足る尤もらしい条件を自ら定めておこうとユミは考える様になった。
これまでにも複数回にわたりラシノへ辿り着いたことが露呈しなかったのは、それを黙っていたからだと言える。
一方で、正式な鳩でもないのにソラの後を追い森へ足を踏み入れたところまでは、ユミのお目付け役のカサも把握している。それが咎められていないのは、ソラを助けるという大義名分があったからだ。
即ち、正当な理由さえあれば縛めを犯すことも止むを得ない、と判断されることもあるのだ。
縛めを犯すのに尤もらしい条件。その答えに辿り着く鍵はトキの言葉にあった。
――俺達は助け合える。皆が手を取り合い、無事トミサへと帰ってくる。これを成し遂げられるようになることが渡りの目的だ。
自分の為だけではない。誰かの為になるのなら、もりす記憶を発揮すれば良いのだとユミは思い至る。
七班の全員が揃ってトミサへ帰り着くには、テコの心を癒すことが何よりも重要なのだ。
こうしてテコの手を取っているのは、そんなユミの決意によるものであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる