『恋する婚約者たち ―幼馴染は両片思い―』

だって、これも愛なの。

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第四巻 ―二人で歩む未来へ―

第五章『未来への誓い』

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 帰国の夜。
 王都の城壁の上から眺める空は、星々が瞬き、まるで銀の花が咲き乱れているようだった。

 隣に立つレオンは、旅の疲れを少しも見せず、真剣な瞳で夜空を見上げていた。
 その横顔に、私はそっと声をかけた。

「……レオン様」
「ん?」
「こうして並んでいると……あの日、幼い頃に庭で見た星を思い出します」

 彼は一瞬目を細め、すぐに私の方を向いた。
「そうだな。……あのときは、まさかこんな未来が来るなんて思いもしなかった」
「はい。でも、来てしまいましたね。しかも、とっても素敵な未来が」

 思わず笑うと、レオンも小さく微笑んだ。

 けれど次の瞬間、彼はぐっと私の手を取り、真剣な声で囁いた。
「リリアナ。俺はもう一度、君に誓いたい」

 夜風が静かに頬を撫でる中、彼の言葉が心に深く染み込んでいく。

「これから先、どんな困難が訪れても、俺は必ず君と共に歩む。
 婚約者としてでも、王妃としてでもなく――伴侶として」

 その言葉に胸がいっぱいになり、涙が溢れそうになる。
 私は震える声で答えた。

「わたしも……どんな未来でも、あなたの隣にいます。
 王妃としてだけでなく、妻として、一人の女として……ずっと」

 星空が二人を照らす。
 その瞬間、もう迷いも不安もなかった。

 レオンはそっと私を抱き寄せ、額に唇を触れさせる。
「リリアナ……愛している」
「……わたしも、レオン様を愛しています」

 夜空の下で交わされた誓いは、鐘の音にも勝るほど確かで甘く、
 二人の未来を照らす光となった。
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