『君だから、恋を知った 』――冷徹殿下×天然令嬢のじれ甘ロマンス――

だって、これも愛なの。

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続編2 夫婦の練習編

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「殿下。……いえ、アレクシスさま」
リリアーナは紅茶のポットを両手で抱え、そっとカップへと注いだ。
ほんの少し緊張した指先。

「……どうぞ」
テーブルに差し出したその手が小さく震えているのを見て、アレクシスは思わず眉をひそめる。

「無理をしているな」
「そ、そんなことありません!」
「いつも以上に真剣な顔をしている」
「……だって。これは“奥さま”の練習ですから」

リリアーナは頬を染め、視線を落とした。
「わたし、まだまだ婚約者らしくもできていない気がして……。せめてお茶くらいは、きちんと淹れられるように」

その健気さに胸が熱くなる。

(なぜ君は、そんなに無邪気に自分を責めるのだ……)

アレクシスは一口紅茶を口に含んだ。
そして静かにカップを置き、真剣な眼差しでリリアーナを見つめる。

「……悪くない」
「ほ、本当ですか?」
「だが」
「だが……?」

彼は手を伸ばし、リリアーナの指先を軽く包んだ。

「私は君の淹れた紅茶そのものより――君が一生懸命に注いでくれる姿のほうが欲しい」
「っ……!」

思わず頬に熱が広がる。
リリアーナは恥ずかしさのあまり、ポットを抱きしめるように持ち直した。

「そ、それでは……奥さまの練習になりません……」
「ならなくていい」
「……え?」
「君が君でいてくれれば、それで十分だ」

低い声で告げられ、リリアーナの胸はときめきでいっぱいになる。

(練習なんていらない……殿下は、わたしをそのまま……)

――冷徹と呼ばれた殿下は、彼女の不器用な努力すら愛おしいと思っている。
そして令嬢は、恋を知った胸で、少しずつ「愛されること」に慣れていこうとしていた。
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