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私の名前はマリア・フォン・オレスト
オレスト国第一王女。黒い髪に黒い目を持ち、肌は乳白色。左目の下にある泣きぼくろが私のチャームポイント
私は政の難しいことことは分からないけど関税とか貿易とかの国同士の交渉の結果、シスタミナ帝国への政略結婚が決まった。
私は王族として生まれたからには会ったこともない人と急に結婚することになることは分かっていたし、覚悟もできていた。けれど、多少の期待はしていたのだ。
恋人同士のような愛情はなくとも、お互い信愛を抱けるような関係を築けると。
でもそれは初日から私の心を打ち砕いた。
私がシスタミナ帝国に嫁いだのは一四歳の時だった。
貴族の令嬢は一六歳で成人になるがその前に嫁ぐのは珍しいことではない。特に王族は。
嫁いで一年。私が私の夫となったクレバー・レフト陛下を見たのは結婚式の時だけだ。
その日から彼は一度も私には会いに来てはくれないし、私が彼に会いたいと言っても何かと理由をつけて会うことはできなかった。
食事もいつも広い食堂で一人でしている。
帝国の方で侍女も護衛も良いしているので身一つで来るようにと前王には言われていた。だからそのように習った。
前王は私が嫁ぐ一年前に病気で他界している。
そして私の夫となったクレバー・レフトが現在王位についている。
陛下は初夜にも来なかった。
結婚式の時でさえ、誓いのキスもなく。それに私を見る目はいつも冷たい。
政略結婚が気に入らないのだろうか。でも、それはお互い様のような気がする。
「王妃様、もう少し召し上がってはいかがでしょうか?」
侍女に声をかけられ、私は自分の手元に目を落とした。
そう言えば、私は今朝食中だった。
侍女は「もう少し」と遠慮して言ったみたいだが手元に用意された食事には私が手を付けた痕跡が一切なかった。
私はもう一度侍女の顔を見た。侍女は心配そうに私を見つめている。
食欲はないが、食べないと心配するだろうと思い、フォークで刺してベーコンを口に運んだ。味は全くしなかった。
オレスト国第一王女。黒い髪に黒い目を持ち、肌は乳白色。左目の下にある泣きぼくろが私のチャームポイント
私は政の難しいことことは分からないけど関税とか貿易とかの国同士の交渉の結果、シスタミナ帝国への政略結婚が決まった。
私は王族として生まれたからには会ったこともない人と急に結婚することになることは分かっていたし、覚悟もできていた。けれど、多少の期待はしていたのだ。
恋人同士のような愛情はなくとも、お互い信愛を抱けるような関係を築けると。
でもそれは初日から私の心を打ち砕いた。
私がシスタミナ帝国に嫁いだのは一四歳の時だった。
貴族の令嬢は一六歳で成人になるがその前に嫁ぐのは珍しいことではない。特に王族は。
嫁いで一年。私が私の夫となったクレバー・レフト陛下を見たのは結婚式の時だけだ。
その日から彼は一度も私には会いに来てはくれないし、私が彼に会いたいと言っても何かと理由をつけて会うことはできなかった。
食事もいつも広い食堂で一人でしている。
帝国の方で侍女も護衛も良いしているので身一つで来るようにと前王には言われていた。だからそのように習った。
前王は私が嫁ぐ一年前に病気で他界している。
そして私の夫となったクレバー・レフトが現在王位についている。
陛下は初夜にも来なかった。
結婚式の時でさえ、誓いのキスもなく。それに私を見る目はいつも冷たい。
政略結婚が気に入らないのだろうか。でも、それはお互い様のような気がする。
「王妃様、もう少し召し上がってはいかがでしょうか?」
侍女に声をかけられ、私は自分の手元に目を落とした。
そう言えば、私は今朝食中だった。
侍女は「もう少し」と遠慮して言ったみたいだが手元に用意された食事には私が手を付けた痕跡が一切なかった。
私はもう一度侍女の顔を見た。侍女は心配そうに私を見つめている。
食欲はないが、食べないと心配するだろうと思い、フォークで刺してベーコンを口に運んだ。味は全くしなかった。
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